「軽やかに♪ 心click」管理人、小池義孝です。引き寄せの法則には、説得力と胡散臭さが同居しています。チャネリング、宇宙の法則、といったスピリチュアル系が絡んでくるので、通常の心理学ベースの心理法則とは、分けて考えるべきです。
宗教なのか、嘘なのか。そこに真実は含まれているのか。含まれているとするなら、何が本質なのか。どう捉え、人生で活用すれば良いのか。を、お伝えします。
引き寄せの法則は、嘘、宗教なのか?
引き寄せの法則とは?
多くの人たちが、引き寄せの法則を誤解しています。「強く願えば、思いは実現する!」くらいに捉えています。しかし実際には、「良いことも悪いことも、意識したものは実現する」という内容で、プラスの方向性には限定されていません。
誤解が蔓延したのは、スピリチュアル系の成功法則として、世間に普及していったためです。宇宙の法則、高次元の存在との対話で明かされた真実、といったテイストですから、心理法則というよりも、おまじないの要素が強いのかもしれません。「引き寄せの法則は、宗教だ」、「こんなものは、嘘っぱちだ」という否定的な見方が多いのも、当然と言えば当然です。
しかし心理法則として広まったからには、そこには何らかの信憑性、根拠があるはずです。自らの体験から、引き寄せの法則は宇宙の真理だ! と信奉する人たちがいるのも、また事実です。
根拠に希薄で怪しいけれど、否定もしきれない。何らかの真実が、隠されていそう。引き寄せの法則の一般的な立ち位置は、こんな所ではないでしょうか。
確率と印象とのギャップ
マーフィーの法則に、似たようなものがあります。
「落としたトーストがバターを塗った面を下にして着地する確率は、カーペットの値段に比例する」
マーフィーの法則を代表する有名な言葉なので、知っている人も多いでしょう。これを見て、どう思いますか? 科学的にはバカバカしい話だけれど、心情としては、思わず納得してしまう不思議な説得力があります。
他にも、「自分が席に座った時、疲れている時ほど目の前にお年寄りの人が乗り込んでくる」、「机の上のお茶は、いつも最も重要な書類のほうに向かってこぼれる」など、思わず、そうそう、あるある! と反応してしまいます。
マーフィーの法則は、真面目な心理法則ではありません。こうした日常でのあるあるネタを、ユーモラスにまとめたものです。科学的には間違っているけれど、心情としては納得してしまう。だから面白い訳ですが、それでは何故、こんな現象が起こると思いますか?
それが、確率と印象とのギャップなのです。習慣的にトーストを食べているなら、それを床に落とす機会は、人生の中で何度かはあるでしょう。バターを塗った面が下になる確率は、およそ2分の1だとします。実際に10回、落としたとして、確率の通り半々の結果になったとしましょう。
出来事は、衝撃が強くなる程、印象が濃くなります。バターを塗った面が上になって床が汚れなければ、大した被害ではありません。しかしバターを塗った面が下になって床が汚れてしまえば、「うわー、やっちまったー!」という気持ちになるでしょう。敷いてあるカーペットが高ければ高いほど、その衝撃は強くなります。
時間が経過して、バターを塗った面が上だった時の出来事は、印象が薄れていきます。出来事そのものを、忘れてしまうかもしれません。しかし高級カーペットをバターで汚した出来事は、印象に濃く残り続けて、決して忘れないでしょう。
こんな状態の時に、認識がズレます。高いカーペットを敷いている時に限って、トーストを落とすと、バターを塗った面が下になっているのです。
引き寄せの法則は、まずそれを意識していることが前提にあります。カーペットを汚すような強い衝撃はなくても、ただ意識しているだけで印象が強くなり、確率と印象との間にギャップが生じます。良いことにせよ、悪いことにせよ、意識していたことが実現すると、その印象は強くなります。単なる偶然、確率的に起こったに過ぎないことに、必然性があると錯覚されます。
引き寄せの法則は、嘘なのか?
それでは引き寄せの法則は錯覚に過ぎず、嘘なのでしょうか? 僕は必ずしも、そうとは言い切れないと考えます。
今回の記事では、スピ系を否定するような記載をしておりますが、スピ系だから出鱈目だという訳ではありません。心クリックの他の記事を見れば解るように、僕はこれまで直観、潜在意識(自分で認識できない精神領域)、などに関する多くの記載をしています。
人は各々、潜在意識同士で情報を共有しています。直観とは、潜在意識が知っている情報を、顕在意識(自分で認識できる精神領域)が何となく感じ取ったものです。何となくの選択、行動が、正解を得るという現象は、十分に起こり得ます。あるいは複数の潜在意識が共同して、何かを実現させるかもしれません。
また顕在意識が意識しているからこそ、それに沿った情報収集と行動が可能になります。繁盛するラーメン屋さんを開きたいと願っていたなら、直接的にラーメンとは関係ないものも含めて、役立ちそうな情報にはアンテナが敏感に反応します。そうやって遭遇確率の低い何かと出合って、それが鍵になって繁盛店として成功すれば、超常現象のようにも思えるでしょう。
こうした一つ一つの出来事が、確率論の外側で起こった必然なのか、それとも偶然の産物に過ぎないかは、基本的には見分けようがありません。
ベストセラーの誕生は、引き寄せの法則が働いたのか?
2020年2月現在で31万部を超えるベストセラーになっている、著書「ねこ背は治る!」の誕生には、確率の低い複数の当たりクジを引いた感覚があります。
治療院の患者さんに超大手出版社の編集さんがいて、気軽に相談ができた。無料で企画を複数の出版社の編集に送ってくれるサービス「企画のたまご屋さん」で、埋もれていた僕の企画を、山本さんが拾い上げてくれた。自由国民社が健康本に乗り気のタイミングだった。自由国民社の竹内さんは、健康本の天才だった。出版界でビッグキーワードである「ねこ背」がガラ空きだった。など、それぞれが薄い確率の連続です。
これだけ薄い確率を引き続けて大きな成果を出すと、引き寄せの法則的な何かを想定したくなります。しかし、引き寄せにせよ、偶然にせよ、何もない所には、さすがに何かが起こりようもありません。僕には僕で、出版に至るまでのプロセスがあります。
僕は中学生~大学生くらいまでは、小説家になろうと考えていました。文章を書き続けて研究してきた歴史があるので、本を書くという発想には至りやすい土台がありました。加えて、あるベストセラーになった本を見知って、「自分には、ベストセラーを出せる素養がある」と認識していました。本気で本を出そうとは考えていませんでしたが、ベストセラーになった本は気にしていて、なぜ爆発的に売れたのか? を検証し続けていました。
つまり僕は、真剣にではないにせよ、ベストセラー本を出すことを意識しながら、10年以上を過ごしています。それ以前に、文章を書くトレーニングを自主的に積んでいます。だから本を出そうという発想が出てくるし、いきなり通用するアイデアと具体的な構成を作成できたという訳です。
努力で実力が向上するのも、焦点を当てている分野で見識が深まっていくのも、当たり前の話です。
もちろん僕にも、失敗した、達成できなかった目標がたくさんあります。チャレンジを繰り返していけば、よほど無謀な目標設定でない限り、何かは成功します。大成功だって、誰かには起こります。
それが引き寄せの法則という必然なのか、あるいは偶然の産物かは、やはり見分けられません。引き寄せだったのか否かは、解らないのです。
引き寄せの法則との、正しい付き合い方
引き寄せは、考えるだけ時間の無駄
引き寄せの法則が実在して、僕の出版に関わったとします。これを前提にして言えるのは、そもそも僕に実力がなく、あったとしても行動をしなければ、結果は訪れなかったという当たり前の事実です。
大手出版社の編集を引き寄せても、企画のたまご屋さんに出しても、実力がなければ、チャレンジが失敗して終わりです。いえ、引き寄せの法則ありきで言うなら、実力がない状態では、何も引き寄せません。
人に出来ることは、
・実力を磨く
・挑戦する
の2点だけです。引き寄せ云々は、その先にある“運”に当たる部分です。実力を磨くこと、挑戦することは、人の領分です。運については、コントロールの外にあります。自分がコントロールできないものは、どうにもなりません。つまり引き寄せの法則は、考えるだけ無駄です。
実力がなければ、引き寄せる価値がない。挑戦しなければ、引き寄せる機会も作れない。結局、引き寄せの法則を最大限に活用するには、「人事を尽くして天命を待つ」に帰結します。
まとめ
引き寄せの法則に拠れば、良くも悪くも、意識したものが実現されます。しかし意識したものが目立つのも、実現しやすいのも当たり前です。スピリチュアル系の話を、持ち出すまでもありません。
ただ必然として起こる引き寄せの存在を、否定もできません。これは言い換えれば、運に属する問題です。人がコントロールできるのは、実力を上げること、挑戦すること、の2つだけです。
ですから引き寄せの法則は、考えるだけ時間の無駄です。人は、自分が出来ることだけに集中した方が合理的です。結局、「人事を尽くして天命を待つ」に落ち着くのです。
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