自己評価は言動で作られる
自分も、自分の言動を見て評価をする
これは意外な盲点です。自分の事は自分がよく解っていると誰もが考え、正しく自己評価ができていると錯覚しています。
他人の事であれば、言動を見て評価をします。自分のように内心が解る訳ではないので、言動から内心を測るしかありません。自分であれば内心を承知しており、言動などなくても人間性が判断できます。
ところが意外にも、自己評価においても言動が大きな比重を占めます。人間の心は一枚岩ではなく、様々な感情や衝動が入り乱れる混沌とした世界です。その全てを自分自身と認識するとなると、何だかよく理解できない複雑なものになります。
例えば、友達が何かで成功して、皆でお祝いをする状況があったとします。友達の成功を喜ぶ自分、嫉妬して認めたくない自分、お祝いして友達を喜ばせたい自分、お金が減るのを嫌がる自分、仲間を思い合う素晴らしいコミュニティーの一員であると誇らしく思う自分、参加しなかったらコミュニティーでの立場が悪くなると打算する自分、などが複雑に絡み合い、これが全て自分となると、自分で自分がよく解らなくなります。
そこで明確な指針になるのが、その感情や衝動の何を優先させたのか? という実績になるという訳です。
言動は、何を優先させたか? の結果
人間の心中は、複雑で当たり前です。相反するものが対立して、それらの全てが自分自身です。ですから「自分はどのような人間か?」という評価は、広義ではそれら全ての要素とバランスを差し、狭義では勢力が強く優先されるものを指します。
広義の評価はあまりに複雑で難しく、自分自身でさえ自分を把握しきれません。そこで自分は、他人にするのと同じように言動に頼ります。
先の友達のお祝いの例ですと、参加して祝えば「友達を思える良い人」になり、嫉妬心やお金が勿体ないという思いで参加しなければ「卑しい自分勝手な人」になります。
ただ勿論、本当は嫌だけど評判を気にしての参加なら「本当は冷たい打算的人間」になります。言動で判断するとは言っても、そこは自分自身です。言動に反映されない心情が組み合わさるのは当然です。
行動は自己評価に左右され、自己評価を濃くしていく
一旦、自己評価が定まると、人間の行動はそこでパターン化します。穏やかで優しい自己評価の人は、何も考えず自然と穏やかで優しい言動になります。打算的と自己評価する人は、何も考えずに損得勘定を優先させるようになります。
混沌とした内心に目を向けるまでもなく、自分のキャラクターは決まっているからです。すると当然、自己評価に沿った言動が積み重ねられて行きます。その言動を見てまた自己評価を濃くしていき、それがまた言動に反映されていくサイクルが出来上がります。
言動によって、自己評価を上げる
自己評価を上げる行動とは?
嘘から出た実(まこと)という言葉があります。自己評価を上げるには、パターン化された言動から意識的に抜け出して、あえて違うものを選択します。
それは、最初は嘘なのかもしれません。けれども心はその言動に反応して、意外なポジティブな反応を送って来ます。自分勝手と自己評価をしていた人間が、あえて他人に良くしてみる。するとそこに、想定外の温かい喜びや誇らしさが生じた。不潔でだらしないと自己評価をしていた人間が、身なりを整えて高級レストランに行ってみる。すると心が引き締まり自分を高尚な人間だと感じた。……といった具合です。
まったく心の反応しない行動は仕方ありませんが、心が何かポジティブに反応したなら、それも紛れない真実の自分自身です。嘘から出た実となり、言動を積み重ねていけば、やがて自己評価に格上げされます。普段から、まったく別世界で生きていけるのです。
小池義孝の取り組みを紹介します
僕自身の心がけを、少しだけご紹介します。僕はおそらく、標準よりも面倒くさがりです。何となく言動を選択していると、「面倒だからやりたくない」が反映される機会が多くなります。ですから言動において、面倒くさいを採用しないルールを設けています。結果として、自分をより優しく正しく合理的な人間だと思っています。
また休日には、よく美術館や博物館に行くようにしています。従来はやや興味があったものの、面倒くさいが勝って、よほどの魅力的な企画がない限りは足を運びませんでした。それを少しでも興味が湧けばにハードルを落として赴くようになった結果、自分を文化的な人間であると自己評価するようになっています。
まとめ
内心を知る自分自身であっても、言動によって自己評価は大きく影響を受ける。
嘘から出た実で構わないので、好ましい言動によって心が動いたなら、それは新しい自己評価となる。
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