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地頭を良くする重要なポイント5、「感情で、現実や基準を歪めてはいけない」。

投稿日:2019年9月1日 更新日:

「軽やかに♪ 心click」管理人、小池義孝です。知能がどれ程に高くても、感情でブレてしまえば、誰でも愚かになります。何かを庇いたい、バッシングしたい、自尊心を守りたい、といった感情上の都合で、現実認識や基準は、たやすく歪められます。

 地頭の良い人は、感情上の都合はあっても、その誘惑に抗います。理性的であること、賢明であることの方を優先します。これは知能の高低とは違う、感情の自己統制の問題です。

 

地頭を良くする重要なポイント5、「感情で、現実や基準を歪めてはいけない」

石垣島、ミサイル基地に反対する人の事例

 このテーマを考えた時に、真っ先に思い当たったのが、この事例でした。ネット上で熱心に政治活動をされている方なのですが、石垣島のミサイル基地建設に反対されています。

 基地建設のデメリットとリスクを説いており、それ自体は筋が通っています。基地を建設すれば、その場所が攻撃対象にされ、周囲の住民は危険に晒される。基地を建設すれば中国を刺激し、戦争が起こってしまう。

 その一方で、そもそも基地は不要だとも述べています。現在、戦争を起こしてもメリットはない。中国は理性的なので、過度に警戒する必要性はない。

 あれ? と感じられた方も多いのではないでしょうか。両者では、中国の精神性が180度近く違います。片方では、基地が作られただけで戦争を起こす好戦的な国家。もう片方では、理性的な真逆の国家像が示されています。

 日本は専守防衛なので、石垣島のミサイル基地は、中国への攻撃と侵攻を目的にしません。地対艦、地対空ミサイルが配備されるのみで、中国にとって侵略される脅威にはなりません。日本に侵攻する時に、邪魔になるだけです。

 この方に、「なぜ理性的な中国が、石垣島にミサイル基地を建設した途端に好戦的に豹変し、戦争が起こるのか?」と問うても、回答は得られませんでした。

 この場合、感情は「石垣島にミサイル基地を建設させたくない」です。そのためには、基地の建設は危険であった方が良いし、そもそも基地の建設は不必要な方が良い。その都合で中国は、好戦的にも理性的にもされたのです。

援助交際で妊娠した我が子を遺棄した、17歳の少女の例

 最近の中で、印象深かった出来事です。17歳の少女が援助交際で妊娠し、出産。その死体を遺棄したとされる事件が起こりました。

 少女への批判、バッシングが強く表出する中、ある医師が少女の保護の必要性を訴えました。出産直後の肉体は不安定であるために、医療的な見地から、保護して必要なケアをすべきと発言したのです。

 それに対して、さらに発言した医師を批判する声も挙がりました。容疑者の少女を擁護するのは、けしからん! と怒りをぶつけます。

 医師は健康上の理由からケアの必要性を示しただけで、「少女に罪はない」とは言っていません。どこにも、擁護する要素はありません。

 しかし批判をした人にとっては、少女の健康を案じた時点で、極悪人を庇う行為に位置付けられるのでしょう。少女への怒りが過ぎて、擁護の基準がおかしくなっていると思われます。

 

 

 

 

感情を満足させる理由を探す

 どれ程に高い知能の持ち主でも、感情が優先されて現実や基準を歪めてしまえば、その部分では愚かになります。

 誰かの味方をしたい、攻撃したい、自尊心を保ちたい、こんな社会になってもらいたい、といった感情上の都合は、誰にでもあります。

 性格に問題があってモテない人が、自尊心を保つために「高値の花に思われて、異性が寄って来ない」と現実を解釈していたら、おバカですよね。しかし本人からすれば、そう思っていた方が精神衛生上の都合が良いわけです。

 小学生の頃、僕に行き過ぎたちょっかいを出してくる同級生がいました。あまりに鬱陶しいのでやり返したら、その子の母親から「うちの子をいじめないで!」と叱られました。当然、「こちらもやられている」と言い返したのですが、「それは、フザけてでしょう!?」と話が通じません。これも、我が子を良く思いたいという感情から、現実と基準が歪んでいます。

 感情を満足させるのが目的になった時点で、もう知性は放棄していると知っておいてください。 

地頭の良い人の考え方

 地頭の良い人にも、感情上の都合はあります。しかし感情よりも、公平であること、理性的であること、が優位にあれば、感情に流された愚かな思考を避けようとします。

 嫌いな人、嫌いな国、などに対する時には、むしろ悪評価に慎重になります。現実はそこにただ現実としてあるだけで、都合によって変わるものではないと承知しています。

 感情上の都合が満たされない苦痛よりも、現実認識を誤る、ダブルスタンダードになって一貫性が損なわれる、方を怖れます。

 

 

 

まとめ

 誰にでも、感情上の都合はあります。それを満たすために現実、基準を歪める誘惑も、やはり誰にでもあります。

 地頭の良い人は、その誘惑に負けません。感情を満足させるより、賢明である方を優先します。

 

 

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