「軽やかに♪ 心click」管理人、小池義孝です。今回の記事は、性犯罪を扱っています。事件の中身を露骨に表現する部分はありませんが、読めば辛く感じられる方もいると思います。
当事者以外が真実を知る由もなく、何が正義かの判断が難しい時があります。その時、周囲はどうすべきか? をお伝えします。
伊藤詩織さんの性犯罪事件について、周囲はどう正義を取るべきか?
セカンドレイプとは何か?
このテーマをお伝えする際に、セカンドレイプとは何か? を整理しておく必要性があります。なぜならこの言葉は、あまりに恣意的に利用され、何を意味するのかが不明瞭になっている現状があるからです。辞書的な意味での明確な定義は、確立されてはいないようです。
日本語に直訳するなら、「二回目の強姦」です。
・レイプ被害に遭った人が、訴えのために証言を行う。
・その事件が報道されたり、噂になったりする。
・加害者が擁護される、被害者が逆に誹謗中傷される。
といった際に受ける、事件後の苦痛を意味しています。
ただここで「あまりに恣意的に利用され~」と書いたのは、性犯罪の被害者が苦痛に感じるもの全般に、その言葉の意味が拡大されているケースが目立つからです。例えば、被害者女性に対して、自主防衛の重要さを説いただけで、セカンドレイプと指摘されます。
被害に遭った上に、自身に非があるような言葉をぶつけられたなら、多くの方が苦痛に感じるでしょう。仮に実際に非があるとしても、その指摘を受け止められるだけの余裕は、なくて当たり前です。有り体に言えば、不躾な指摘です。しかしこれをセカンドレイプという言葉に含めるのが妥当か否かについては、判断が分かれるところです。
またレイプだけでなく、性被害全体に拡大する動きも目立ちます。例えば電車で痴漢被害に遭った時に、性的な好奇心で根掘り葉掘りと尋ねる行為であれば、セカンドレイプの指摘に違和感はありません。ただここでも、やはり自主防衛を説いただけで、セカンドレイプ扱いにされている現場を目にします。僕は個人的には、ここまで来ると、さすがに違和感も強くなります。
セカンドレイプという言葉を、どう使っていくべきか? 言葉通りにレイプ(強姦)被害であるなら、広く二次被害を解釈し、レイプではない性被害については、直接的に性的な侮辱を受けるなど、狭く解釈するのが妥当であろうと考えます。
伊藤詩織さんの事例で、正義が揺らいでいる
伊藤詩織さんの件については、ご存知でしょうか? 山口敬之氏にレイプされたと警察に訴えたものの不起訴となり、民事の訴えでは損害賠償請求が認められた事件(2019年 12月現在)です。山口氏は、二人の間に合意があったと主張しています。
山口敬之氏が自民党、安倍総理寄りの人物であることから、この不起訴は疑惑となりました。安倍総理が陰で警察に圧力をかけ、あるいは警察が忖度し、不起訴になったのでは? というのです。左派系の人物の多くは、すでにこれを既成事実にして扱っています。
更にここに、別の疑惑が持ち上がります。伊藤詩織さんが左派系の著名人と繋がっていることから、山口氏、安倍総理を狙った陰謀では? という声が、ほぼ時を同じくして盛り上がりました。
伊藤さん、山口氏の個人間でのトラブルが、右翼と左翼、親安倍政権と反安倍政権、という構図の代理戦争の様相を呈したのです。簡単に言えば、誰が悪者なのか? の見方が分かれてしまっています。
この記事は、正義をどう取るべきか? を主題としていますので、事件の詳細については、割愛をいたします。ネットだけでも、かなり詳細な情報を得られます。
セカンドレイプとの兼ね合い
この事件への扱いを難しくしているのが、セカンドレイプとの兼ね合いです。もしも伊藤さんに何の含みもないなら、ハニートラップを指摘するような声は、下劣でしかありません。セカンドレイプと位置付けて構わないでしょう。
しかしもしも左派の大御所たちと組んで仕掛けた政治闘争、陰謀であったなら、無条件にその主張を通すわけには行きません。
残念ながら現状では、当事者でない立場からは、両方とも有り得る話です。もちろん情報から考慮して、確率の濃い薄いの印象はあります。しかし印象は印象に過ぎず、事実ではありません。確率の薄い方が事実であるケースは、低い確率では発生するのです。
こうした時、正義が揺らぎます。何が正義なのか、明確な判断ができません。周囲は、どのように振る舞うべきなのでしょうか?
疑わしいものは、疑わしいと言うしかない
前提には、知り得る情報の限界があります。明確な判断ができず、疑いがある以上は、疑わしいと言うしかありません。
もしも被害者の言葉が全てで証拠が要らないとなれば、それを利用した陰謀の類が吹き荒れる結果になるでしょう。セカンドレイプは決して許されませんが、セカンドレイプへの禁忌(タブー)を盾に、好き放題にできる環境を作ってはいけません。もちろん、疑わしいからと、被害を訴える人を悪者と決めつけるのもいけません。
もしも仮に僕が反安倍の立場で、伊藤さんが志を同じくし、彼女があのような形で有名になるのも厭わないというのであれば、現在まである状況と同様のシナリオは作れます。酒に酔った上での合意があったか否かの争いでは、立証が困難です。過去の傾向を知っているなら、不起訴になる高い確率は見込めます。そこで「安倍のお友達だから、不起訴になった!」と計画的に合唱すれば、一気に安倍の首を取れるところまでいく可能性すら見込めます。ですから僕の主観では、絶対に陰謀ではないとは言い切れません。
陰謀であった場合には、伊藤さんが陰謀に積極的に加担しているシナリオも有り得ますし、伊藤さんはただ純粋に被害者であるだけで、左派の誰かに利用されているシナリオも有り得ます。何れにしても、起こった事件を後から利用する形です。
但し誤解がないように言っておきますが、泥酔した相手への性交渉は、夫婦やカップルでない限りは、強姦に類するものとして扱うのが妥当であると考えています。性交渉は一般的に、女性にとって心身ともに重大な決断です。それを泥酔時の、まともな判断能力がない状況で行おうというのは、言語道断です。
不起訴に安倍総理を結び付けるのは根拠があまりに薄いと考えますが、山口氏を擁護する理由はありません。
まとめ
セカンドレイプの他にも、差別、人権侵害などを盾にして、批判を封じながら主張を通そうとする人たちは存在します。何が正義なのか確定できない時には、疑わしいものは、疑わしいと言うしかありません。
全ての事実を知り得ない、悪意ある虚偽にも警戒しなければならない、疑いをもって個人を踏みにじってはならない、こうした状況と限界の中、正義を模索しなければなりません。
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