悩み、落ち込み、気分が晴れるヒントや考え方、お伝えします!

苦労には、意味がない。苦労教に入信されている方は、すぐに脱退を。

投稿日:2019年6月16日 更新日:

「軽やかに♪ 心click」管理人、小池義孝です。苦労は人を育てますが、歪ませもします。しかし歪みを含めて称賛、肯定してしまう「苦労教」が根付いています。

 苦労教に入信されている方は、すぐに脱退してください。

 

苦労とは何か?

困難と努力

 苦労という言葉を用いる時、そこには困難に立ち向かう努力のニュアンスがあります。

 シングルマザーで女手一つで懸命に働いて、子供を育てあげる。

 信頼していた部下に金を持ち逃げされる、取引先が倒産して売掛金が入らない、などの困難を乗り越えて会社を大きくした。

 といった、ものです。

 ただ困難な目に遭っただけでは苦労とは言わず、乗り越えようと懸命にあがいた姿をそう評価しています。

肉体的、精神的に追い込まれる

 また苦労と言うからには、相応に追い詰められていなければなりません。常識的には苦労しているように見えても、本人に余裕があれば苦労にはなりません。

 僕にも、誰もが苦労と判定しそうな経験があります。しかし肉体的にも精神的にも追い込まれていなかったので、苦労したという認識はありません。危機を乗り越えるために高揚をしていたので、むしろ楽しかったという感覚です。ただ勿論、同じ目に遭うのは、二度と御免ですが……。

 逆に、常識的に見て大したことがなくても、本人が懸命に頑張って追い込まれていたなら、それは間違いなく苦労です。

 

 

 

 

良い人生に、苦労は必要か?

苦労の良い点: 自信がつく

 ギリギリまで追い込まれたけれど、懸命に頑張って乗り越えた! という経験は、間違いなく財産になります。

 人生は、良い時ばかりではありません。何かが裏目に出てしまえば、たやすく窮地に追い込まれます。そんな不安を少しでも軽減できるなら、苦労をした経験は有意義になります。

 また現実に新しく困難に直面した時にも、自信をもって挑めるでしょう。

苦労の悪い点: 痛がりになる

 苦労という自覚のない僕でさえ、「同じ目に遭うのは、二度と御免だ」と思っています。苦労をした人であれば、その苦痛は骨まで染み込んでいます。

 もうあんな辛い思いはしたくない、という思いが、人を痛みに弱くさせます。すると危険がない方、無難な方に意識と決定が偏ります。

 実は危険の回避も、ここから先は確率が変わらないという飽和点があります。防犯のために玄関の鍵を2つにしたとします。確かにピッキングの手間が2倍になるので、防犯効果はあるでしょう。これが10、20、30と増えていったら、どうでしょうか? もはやコストだけがかかって、防犯効果の上積みは期待できません。

 こんな風に、「これくらい、やっておけば大丈夫」というラインがあって、金銭、手間、時間などのコストを見合ったところが、適切な落しどころです。

 痛がりの人は、そのラインを合理的に取り難くなります。

 

苦労教から脱退しよう

苦労教の恐ろしさ

 コストをかけたなら、その分の見返りが欲しくなるのは当然です。苦労の場合には、労力、時間、苦痛といったコストをかけています。

 見返りとして、「自分は苦労をしてきたから、特別に優れている人間である」を求めるのは、人情というものです。

 苦労というイニシエーションを経た自分を特別視してしまう、危険な考え方、信仰です。

 ただ現実を見る限り、必ずしも苦労が人を大きくはしません。苦労によって痛がりにされれば、それは歪まされているだけです。

 また苦労教は、苦労という経験そのものを賛美するに至ります。例に挙げたシングルマザーの子育てにしても、会社経営にしても、最善なのは逆風など吹かない順風満帆です。苦労自体に、価値はありません。

 例えば僕の治療家人生には、逆風らしい逆風はありません。開業 → 軌道に乗る → 処女作がベストセラー、と何も苦労をしていません。あまりに苦労がなさ過ぎて、僕のプロフィールが没にされた程です。面白くない、共感を呼ばない、という理由で。

 確かに苦労を乗り越えた先には、経験と自信という財産が残ります。しかし順風満帆な成功体験でも、経験と自信は得られます。慢心してしまうリスクはありますが、苦労には痛がりにされるリスクがあります。成功しても、失敗しても、どのみち歪む人は歪みます。

 自惚れてリスクを軽んじるか、脅えてリスクを過大評価するか、の違いですが、思考が狂わされるのは同じです。自惚れは少しの気付きで修正されるのに対して、脅えは思考停止を含むので修正が難しくなります。

 苦労教は、そのような歪まされた姿をも肯定して、固定させてしまいます。

苦労教から抜け出すには?

 苦労教から抜け出すには、

・苦労自体に、価値はない
・苦労したからといって、偉くはない
・脅えて痛がりにされている

 という3点を直視します。この3点の直視の後に残されたものだけが、有益な経験知になると知りましょう。

 苦労教は愚かですが、苦労をしたという財産は確かにそこにあるのです。

 

 

 

まとめ

 苦労した人間の言葉には、確かに重みを感じます。苦労を乗り越えてきたサクセスストーリーは、人の心を動かします。

 苦労というものが、過剰に持ち上げられている現状があります。苦労教は、苦労を負債にします。脱退をして、苦労を資産に変えましょう。

 

Youtube、記事動画

 この記事の内容を、動画でもお伝えしています。ただ記事はリライトされる事があるので、若干、内容が異なる場合もございます。

Youtube、雑談講座

 この記事の内容を元に、雑談を交えたフリートークです。台本なしのワンテイクです。

 

 

自己評価は、自分の言動に対する評価で決まり、その評価が言動をパターン化させる。

「軽やかに♪ 心click」管理人、小池義孝です。どのような自己評価で生きているかによって、気分は大きく違ってきます。  善良である、悪辣である、優しい、冷たい、品が高い、下品、前向きに頑張れる、後ろ ...

人はなぜ自殺を選ぶのか? どうすれば自殺を防げるのか?

「軽やかに♪ 心click」管理人、小池義孝です。人は何故、自殺を選ぶのでしょうか? 自殺するまで追い込まれない為には、どうすれば良いのでしょうか?  個々で様々な事情はありますが、共通するのは精神ト ...

『ノストラダムスの大予言』にある人類滅亡は、なぜ信じられ、エンタメ化したのか?

「軽やかに♪ 心click」管理人、小池義孝です。今回は、子供の頃にあった『ノストラダムスの大予言』について、お話しします。  子供の頃、ノストラダムスは日常の一部でした。多くの人が1999年に人類は ...

怒りという感情を、精神異常と認識しておくべき理由とは?

「軽やかに♪ 心click」管理人、小池義孝です。今回は、怒りの危険性についてお伝えします。  怒りは、爆発的なエネルギーで危険から逃れるため、精神を屈服させないために、絶対に必要な感情です。しかしそ ...

感謝をしたくない、ありがとうと言いたくない、という病

「軽やかに♪ 心click」管理人、小池義孝です。今回は、近頃で目立っている「感謝を否定する」意見について、その根本的な誤りを指摘します。  確かに、感謝は強要されるものではありません。しかし感謝の拒 ...

更新情報:「頑張るよりも、楽しむ方が優秀に。潜在能力は、楽しんで発揮する。」に雑談動画を追加しました。

「軽やかに♪ 心click」管理人、小池義孝です。  過去記事を更新しても、「新着記事」にはなりませんので、こうしてお伝えしていきます。   更新情報 『頑張るよりも、楽しむ方が優秀に。潜在 ...

更新情報:「失敗して痛い目に遭った時、思考停止して逃げれば、心の負債になる。」に雑談動画を追加しました。

「軽やかに♪ 心click」管理人、小池義孝です。  過去記事を更新しても、「新着記事」にはなりませんので、こうしてお伝えしていきます。   更新情報 『失敗して痛い目に遭った時、思考停止し ...

 

♦更新情報をメールでお知らせします。

  • B!