「軽やかに♪ 心click」管理人、小池義孝です。社会は、自分の利益に誘導しようとするポジショントークに溢れています。一般的に、ポジショントークを行う者は、それに詳しいです。無防備でいると、情報格差をもってマウントされます。
今回の記事は、ポジショントークを行う者たち。マウントさせない心構えについてお伝えします。
我々は、莫大なポジショントークに囲まれている
ポジショントークとは、何か?
この言葉は、元々は金融用語として使われていました。株式や為替でポジションを持つ者が、自分の利益になるよう相場を誘導するために行う、不確かな発言です。ヤフーには銘柄毎の掲示板がありますが、そこでは買い方と売り方とで、熱いポジショントークの応酬があります。
買い方は、株を買って所持している人です。株価が上がれば、儲かります。売り方とは、空売りをしている人で、下がれば儲かります。買い方はポジティブな情報や見解を流し、売り方はその逆をします。
ここから派生して、現在では意味が拡大し、
「自分の立場に有利なように行う、不確かな発言」
と、広く使われるようになっています。今回の記事では、こちらの一般的な広い意味でのポジショントークを扱います。
商品やサービスを売る人
日常でもっとも馴染み深いのは、何かを売ろうとするポジショントークです。販売する個人だけではなく、広告もポジショントークに当たります。
ここで問題になるのは、売る側の姿勢です。売る側と買う側では、扱っている商品、他社の商品、業界事情などで、知識に格差があって当たり前です。その情報ギャップを、顧客の利益のために使ってくれる人、自分の利益のために悪用する人、がいます。
それは消費者の側も承知していて、いくらか割り引いて聞いているのが普通です。そして業者の方も、やはり割り引いて聞かれているのは百も承知で、あの手この手の買う気にさせるノウハウを持っています。
ネット上にいる、アフィリエイター
アフィリエイターとは、商品やサービスを紹介して報酬を得る人です。
主婦の副業というイメージが強かった初期の時代では、アフィリエイトの世界は平和でした。主婦が、趣味、生活の知恵、料理などのテーマでブログを書き、ファンの方に向けてアフィリエイトで商品も紹介する。それで月に10万円を稼いだ! と小さく話題にもなりました。
しかしネットビジネスが流行すると、アフィリエイト業界は魑魅魍魎が巣くう、詐欺師だらけの無法地帯と化します。「まったくの素人が、スマホで一日あたり、たった5分の作業をするだけで、億万長者になれる!」などという詐欺商品に乗っかり、アフィリエイターたちが紹介報酬を目当てに群がります。
そこまで悪質ではなくても、いくつも商品を紹介して儲けているアフィリエイターは、まず自分でその商品を試していません。いちいち自分で試していたら、他のアフィリエイターにスピードで負けます。第一、コストがかかる上に面倒です。
どんなに絶賛していたとしても、販売者が用意した商品紹介をそのまま言っているだけの話なので、基本的には当てになりません。
政治的ポジションを持つメディア
政治的ポジション、思想的ポジションを持って、社会に影響を及ぼそうとする組織がいます。
テレビ、ネットニュース、新聞なども、ポジショントークに溢れています。自身の立場に有利に働くよう、印象操作を行っています。
特に目立つのは、見出し部分です。見出しだけを見て行う普通の判断と、本文の内容とが、あまりに違うケースがあって驚きます。ここ最近(2020年3月)では、毎日新聞ネット版による「麻生財務相 臨時休校中の学童保育負担「つまんないこと」 新型肺炎対策」でしょうか。
この見出しだけをみれば、学童保育負担を「つまんないこと」と発言しているように見えます。いえ、それ以外に解釈のしようがありません。しかし実際は、負担を国が行うのは当たり前とした上で、記者の「いくら支払うのか」という質問に対して、要請に応じて支払うのだから、こちらから事前に金額を決める話ではない。「つまんないこと聞くね」という展開です。
まあ、この態度はこの態度でどうかと思いますが、記事の見出しから、この中身を想定できる人はいません。ニュース記事はヤフーなどの大手サイトに掲載され、クリックして中身を読まなければ、見出しだけが目に留まります。これを利用して、悪評の一人歩きを狙ったに違いありません。
本文では嘘を吐いていないのですから、捏造はしていないという体は保てます。姑息で、悪質な手段です。探せば、この手の紛らわしい見出しはいくらでも出てきます。
ただご紹介した「つまんないこと」のような、あからさまなものは少ないです。通常は、間違ってはいないけれど、誤解されそうだな。という微妙なところを突いてきます。今回の場合、馬鹿にされた記者が、頭に血が上って冷静さを欠いたのでしょうかね。
じゃあ記事本文の方はどうかと言えば、さすがにポジショントークによる、あからさまな捏造はありません。しかし伝える情報を偏らせる、強引な解釈を施すなどして、世論を誘導させようとする強い意図を感じさせる記事は多いです。
ネット上の活動家
政治的なポジション、思想的なポジションを持つ個人の活動家がいます。特にtwitterやfacebookなどのSNSには、大勢の活動家が、日々の世論誘導を頑張っています。
彼らの殆どは、顔も出さない匿名です。真面目に情報発信をしている人もいますが、対立する勢力への揶揄、誹謗中傷なども目立ちます。
それぞれの陣営に仲間と敵がいて、それぞれが応援、賛同、議論、批判、誹謗中傷などを繰り返して賑わっています。
ポジショントークにマウントさせない
ポジショントークの最大の弱点
ポジショントークは、結論から入ります。商品やサービスを売る人なら、それは買う価値がある、買うべきだ、というのが結論です。特定の党を応援する人なら、応援する党を持ち上げる、対立する党の評価を下げる、のが結論です。
結論が最初から決まっていて、根拠は後から付いてきます。ですからどうしても、論理的な破綻が起こり易くなります。都合によって根拠が採用されるため、一貫性に欠け、ダブルスタンダードになりがちです。
または毎日新聞の見出しのように、行き過ぎた印象操作で、さすがに無理が生じます。
そのような醜態をさらしていれば、当然、信用を失います。
様々な立場からの情報を集める
例えばamazonで買い物をする時、長く売れている人気商品であれば、大量のレビューが溜まっています。良い評価、悪い評価を見て行くうちに、その商品の全体像が見えてきます。これをすれば、ポジショントークである商品説明に加えて、厚みのある情報から購入を判断できますよね。
今時ですから、これは皆さんも日常的にされていると思います。これと同じように、メディア報道であれば、他のメディア、多くの記事への論評を確認します。
物を売る側のテクニックの一つに、考える時間を与えないというものがあります。今すぐ決めてくれたら、特別に安くしますよ! という類のものです。
僕はそのような決断を求められた時には、必ず断るようにしています。ポジショントークだけを聞かされて、情報が足りない状況で判断しろなどと、不利も甚だしいからです。
ポジショントークは、最初から聞かない
商品やサービスの説明、選挙候補者の演説など、必要なポジショントーク以外は、最初から耳に入れないことです。
いい加減な情報ばかりを垂れ流すメディアは閲覧しなければ良いし、個人アカウントはフォローしなければ良い。
当たり前の話なのですが、ポジショントークそのものを遠ざけてしまえば、彼らは影響の及ぼしようがありません。
まとめ
自分の利益に誘導しようと、多くの立場がポジショントークを行っています。無防備でいれば彼らにマウントされ、都合よく誘導されます。特に、ビジネス、メディア、活動家には警戒が必要です。
しかしポジショントークには、結論ありきでロジックを組み立てるために、論理破綻をしやすいなどの弱点があります。多くの多角的な情報を得るなどすれば、誘導されるのを防げます。
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