「軽やかに♪ 心click」管理人、小池義孝です。フェミニストと聞いて、どんな印象を持ちますか? 不幸なことに、フェミニストに悪印象を持つ人は少なくありません。怖い、やばい、頭おかしいと感じる人が多いようです。
今回はフェミニストについてと、なぜ煙たがられているのかについてお伝えします。
フェミニズムと男女差別
昭和48年生まれが実感してきた女性差別
僕は昭和48年生まれ、団塊ジュニアと言われる世代です。世代によって、見てきた社会像が違います。僕が日本で生活してきて、肌で感じた女性差別を少しお話します。
小学生~中学生くらいまでは、女性は能力で劣っているという認識が一般的でした。しかし学校では、運動能力以外では、特に男女で能力差を感じません。むしろ勉強の成績は、女子の方が良かったくらいです。社会風潮と自分が見ている世界との間に、ギャップを感じて不思議に思っていた記憶があります。
女性の人生設計は、高卒か短大卒で就職し、25歳までに結婚して家庭に入るというのがスタンダードでした。今ではほとんど聞きませんが、就職せずに家にいる女性は「家事手伝い」というポジションでした。
80年代はアイドル黄金時代と言われ、多くの女性アイドルが人気を博していました。言い方はかなり悪いですが、その姿は「カワイイだけが取り柄の幼稚なおバカさん」です。いわゆる、ぶりっ子ですね。
野心や向上心を持った女性は、疎まれていました。ただ意見を言うだけで、「女が生意気を言うな」と否定されるほどです。
現在の日本社会は、これをかなり薄めたものです。3、40年前よりははるかに平等になっていますが、男女が完全に対等になったとは評価できません。
フェミニスト女性の多くは、男女差別の被害者
フェミニストは、女性の権利を拡大して、男女差を無くそうとする人たちです。その多くは、男女差別の被害者です。
勿論、現在は制度上での男女差別はありません。戦後までは、女性は選挙権すらありませんでした。ただし人間の認識は、根強く残ります。夫が主人で、妻はその補佐役。男性の社長に、女性秘書。男性の医師に、女性看護師。といったように、女性はサポート役という認識が色濃く残っています。女性ばかりのPTAでも、会長となると男性が多いですよね。
こうした風潮が、女性が活躍できるチャンスを小さくしているのは間違いありません。意識の高い女性が、これに異を唱えるのは当然です。
ただし女性であっても、主役として活躍している人は大勢います。個人の能力と努力次第では、社長にだって、政治家にだってなれます。この事実をもって「自分が頑張れば良いだけ」とフェミニズムに冷笑を浴びせる向きも強いのですが、フェミニストは「だからと言って、男女にハンデがついて不利にさせられるのは正当化されない」と反発します。
性を誇張されることへの反発
ミスコン、水着グラビア、レースクイーンなど、フェミニストは性を誇張して商品や娯楽にされるのを嫌います。
これらは男女差別を土台にした、性の搾取と捉えられています。
なぜフェミニストは、怖い、やばい、頭おかしい、と思われるのか?
穏やかで優しくあるべきという女性像
男性は女性に対して、「穏やかで優しくあるべき」という女性像を押し付けてきました。この基準から外れる女性に対しては、女のくせに生意気、じゃじゃ馬、といった人格否定をしてきました。
男が期待する女性らしさに染まれば、圧力から逃れて生きやすくなります。男性に迎合した女性は、男性から称賛されました。これを問題視する立場からは、そのような女性を「名誉男性」と称して、男女差別を助長する存在として批判しています。
女性は穏やかで優しくあるべきと考えている男性にとって、抗議する女性は好ましい存在ではありません。被害者として立ち上がっているのですから、発言の背景に不満や憤りが含まれるのは否めません。
こうした女性像とのギャップが、フェミニスト女性を怖いと感じる一因になっているでしょう。
フェミニストは「ブスの妬み」という中傷
旧来型の男性の認識では、必ずしも女性は、差別されている可哀想な人たちではありません。むしろ男性の保護下で気楽に生きている、恵まれた環境であると思われているフシすらあります。
男は世間の荒波に揉まれて頑張っているのに、女性は家庭でのんびりと過ごしている。男みたいに優秀じゃなくても、若くて気立てさえ良ければ嫁の貰い手もいる。結婚して落ち着けば、あとはもう安泰だという訳です。
このような認識の男性にとって、男が偉いのは当たり前でした。「女に生まれれば、楽だったのにな」というのは、当時の男性にとって、一つの本音でした。
こんな楽な恵まれた環境にありながら、男女差別だと文句を言う。旧来型の男性にとって、それは理解に難しい主張でした。そこで自分が納得できる形で、解釈をします。
嫁の貰い手もいないようなブスが、妬んでいるだけだ。
残念ながらこの意見には多くの男性にとってリアリティがあり、未だに強く根付いたフェミニストへのイメージになっています。
実際に攻撃的でおかしな人間も目立つ
ただフェミニストの主張の全てが合理的なのかと言うと、それも違います。
男性への憎悪が強い人たちの発言は、しばしば、度を越えて過激です。男女平等を求めているのではなく、男性へのヘイトに陥っています。怒りは人の理性を損ねますから、主張内容も支離滅裂になりがちです。単なる言い掛かりも、少なくありません。
このような人たちは、とにかく目立ちます。話題にも取り上げられやすく、その存在が拡散されます。
フェミニスト = 怖い、やばい、頭おかしい
という印象に偏るのも、仕方のない成り行きという部分もあります。
しかしこの人たちには、ミサンドリスト(男性嫌悪者)という別のカテゴリーがあります。ミサンドリストの目的は、ただ男性への憎悪をぶつけるのみです。理性もへったくれもありません。
フェミニズムが社会に受け入れられて、社会全体の課題として皆で取り組んでいくためには、フェミニズムとミサンドリーを分離する必要があるでしょう。
攻撃性の強い人たちはとりあえず置いておいて、話が通じる人たちだけで意見交換と議論を進めていった方が良いです。ミサンドリストやミソジニスト(女性嫌悪者)を相手にしていると、話が進みません。
まとめ
ミサンドリストによって、理性的で合理的なフェミニストまでもが偏見の目で見られているのは、残念な事態です。
男女平等は、当たり前です。人は適性と能力で役割分担をするものですから、性別で有利不利を設ける意味がありません。
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