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斜に構える原因は、保身のため。代わりに、世界は暗くなる悪循環。

投稿日:2019年7月30日 更新日:

「軽やかに♪ 心click」管理人、小池義孝です。斜に構えて冷笑するのが癖になっている人は、弱い心を守ろうとしています。安全圏から他人を下げて、優越感を得るのです。しかし代償は大きく、世界は暗くなります。

 暗くなった世界に彩を求めて、さらに斜に構えた冷笑で優越感を得ようとする。この記事は、その悪循環から抜け出す道を示します。

 

斜に構えて心を守れば、代償として世界は暗くなる

斜に構える、とは

 一般的に「斜に構える」とは、『物事に正対しないで、皮肉やからかいなどの態度で臨む。』(デジタル大辞泉)の意味で使われています。

 元々は、剣道の中段の構えを指す表現です。オーソドックスで隙のない構えから、『身構える。改まった態度をする。』(デジタル大辞泉)という意味に派生していったのですが、いつの間にか、冒頭の真逆の意味で使われるようになりました。

 剣道に親しみがあるなら、改まった態度という意味でしっくりと来るのでしょう。しかし一般の感覚では、斜めに身を反らして疑っている態度、馬鹿にしている態度、の方を思い浮かべます。

 冒頭の意味で広まったのも、無理はありません。これを、言葉の誤用だと言う人もいます。しかし、ここまで社会に浸透したのですから、もうこの意味で良いですよね。改まった態度という意味は、古典の中だけにして、現代社会ではあえて使うべきではないでしょう。

心を守ろうとして、斜に構える

 皮肉、からかいの態度は、圧倒的な上下関係があって、初めて成立します。このような何かを馬鹿にする姿勢は、自分の心を守ろうとして、採用されるケースが多いです。つまり斜に構える原因は、保身です。近年では、冷笑系と呼ばれているタイプですね。

 斜に構えて冷笑する精神的な利益は、自分は安全圏にいながら、優越感に浸れるところです。また大きな労力も必要とせず、あまりにお手軽です。

 社会貢献、ボランティア活動などには、偽善や売名という批判が付き物です。特にタレントは、良いことをしたはずなのに、逆にバッシングされるのが当たり前です。

 タレントの杉良太郎さんは、震災時の寄付やボランティアの際、売名行為と批判する声について、インタビューでこう語ったそうです。

「ああ、偽善で売名ですよ。偽善のために、今まで数十億を自腹で使ってきたんです。私のことを、そういうふうに仰る方々もぜひ、自腹で数十億出して名前を売ったらいいですよ」

 これは斜に構えて冷笑してくる人たちに向けた、強烈な皮肉です。斜に構えた人に対して斜に構え返すと、正々堂々と正対する形になるのだなと、面白い発見もできます。

 社会貢献、ボランティアに対して冷笑する人たちは、何もしない自分への負い目があります。その負い目を払拭したければ、何かをすれば良いのですが、お金も時間も使いたくありません。

 しかし「自分さえ良ければそれで良い、身勝手な人間だ」という自己評価にも耐えられず、他人を下げてバランスを取ろうとします。眩しくて心が痛いので、ケチをつけて輝きを曇らそうとするわけです。

 こうした攻撃は、才能のある人、頑張る人、成功した人、などにも向けられます。

斜に構えれば、世界が暗くなる

 杉良太郎さんの行為は、間違いなく社会をより良くします。このような人物や行為に触れると、人間社会に希望の光を感じます。

 仮にこの事例が、純粋な良心など一切なく、完全に打算で売名行為だったとします。偽善でも、善の体裁を整えている以上は有益ですが、やはり落胆は否めません。人間社会は利己主義にまみれた、暗い世界だと思えてきます。

 これが物事を正面から見る人と、斜に構えて見る人との、世界の違いです。

 斜に構えると、他人の打算、偽善、悪意にフォーカスします。また善意はあっても、それが空回りする様子を好みます。積極的に悪い方に解釈をしていくので、自動的に世界は暗くなります。

 偏屈な精神状態でいて、気持ち良いはずもありません。すると今度は、暗くなった世界に彩が欲しくなります。斜に構えて冷笑する優越感にそれを求めれば、完全に悪循環に入ります。自分の心を守ろうとして差し出す代償は、あまりに大き過ぎます。

 

 

 

 

身近なもので、実験してみましょう

 文房具でも、家電でも、キッチン用品でも、何でも良いです。

 一つの物をターゲットにして、斜に構えて冷笑してみてください。悪いところを見つけて、ケチをつけてください。根拠なく、想像で決めつけても構いません。実際に顔を斜めにして、見下ろすようにすると気分が出ます。

 僕も今、この場でCASIOの電卓に対して、やってみます。

「古ぼけて薄汚れやがって、いつまでも壊れないから、汚いまま使い続けなきゃいけねーじゃねーかよ! それになんだよ、M-だのM+だの、意味わかんねーよ」

 はい、完全に言い掛かりですね。これを書いている間、鬱屈とした嫌な気分になりました。続いて真正面から見て、良いところを積極的に見つけてみます。

「丈夫で壊れなくて、本当に良い買い物をしたよ。ボタンも大きいから、とても打ちやすいよね。ソーラーで、電池替えの煩わしさがないのも良いよ」

 はい、今度は心も穏やかに、思わず笑みまでこぼれそうになりました。長く使い続けて、愛着もあるんだなと、自分の気持ちへの発見もありました。

 皆さんは、如何でしょうか? 真正面からポジティブに見るだけで、住んでいる世界がガラッと変わるのを、ぜひ体験してください。

自分のちっぽけさを認めれば、楽になる

 他人を下げてバランスを取ろうとするのは、自己評価と自尊心とがミスマッチを起こしているからです。

 勇気を出して自尊心を捨てて、ちっぽけな自分を認めましょう。ちっぽけで良いから、少しずつ、なりたい自分、好きな自分に近づいていく。こうした謙虚さにあれば、いらない葛藤をせずに済みます。

 

 

 

まとめ

 過大な自尊心を持ってしまうと、そのギャップに苦しまされる。斜に構えて冷笑して、他人を下げれば、バランスは取れるかもしれない。しかし代償は大きく、偏屈な自分に嫌気がさし、世界も暗くなる。

 勇気をもって自尊心を捨て、等身大の自分を認めましょう。謙虚になりたい自分、好きな自分を目指せば、負のループから抜け出せます。

 

 

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