「軽やかに♪ 心click」管理人、小池義孝です。本気を出さない、頑張らない、そうやって自分の真価を見ないようにして、肥大化した自尊心を守ろうとする人たちがいます。僕も20代の頃は、そうでした。
現実を直視しなければ、何も始まりません。この記事は、そんな人たちの背中を押すために書かれています。
「自分はまだ、本気を出していないだけ」……肥大化した自尊心を捨てて、身軽になりましょう!
酸っぱいブドウの話
童話で「あのブドウは酸っぱいに違いない」という、有名な言葉があります。「あのブドウは不味い」と決めつけ、食べられない悔しさに蓋をする行為です。
食べられないなら、酸っぱい方が良いという気持ちは理解できますよね? 自分に吐く嘘というのは、こういった種類のものです。心の平静や前向きさのために、都合よく事実を作り上げます。
自分はまだ本気を出していないだけ
「自分はまだ本気を出していないだけ。本気を出せば、こんなもんじゃない」という、自分に吐く嘘があります。
それでは何時、本気を出すのでしょうか? 放っておけばその機会は、一生、訪れません。本当に本気を出してしまうと、現実のしょぼい自分を直視しなければならなくなります。ですから本気を出そうにも、怖くて出せなくなってしまうのです。
実は僕も20代の頃、自分にこの嘘を吐いていました。結婚して子供が産まれて、ようやく本気を出したという体たらくです。
本気を出さない → 真価はわからない → 自尊心を保っていられる → 怖くて本気を出せない
この負のスパイラルに、完全に嵌まっていました。自尊心を肥大化させた子供が、こじらせている状態ですね。30を過ぎて家族を持って、ようやく現実で戦う覚悟が決まりました。
現実を直視したくないから
本当に本気を出してしまうと、良くも悪くも結果が出ます。もしも想定よりも劣っていたなら、不甲斐ない自分と対面しなければなりません。現実を見ないで済ませるには、2つの方法があります。あまり考えない、実力を測るものから逃げ回る、です。
そして不甲斐ない自分の責任を、他人や社会のせいにします。溜まってしまった負のエネルギーは、何かを攻撃して消費させます。例えば、ネット上で匿名性を活かして誰かを批判したり、叩いたりといった行為は、こういった衝動から生まれます。匿名での発言ですから、自分は矢面に立たずに安全圏にいるわけです。自分は傷つかずに、リスクもなく、負のエネルギーをぶつけられます。
他にも、自分より弱い無抵抗な者へのいじめなども、種類は同じです。自分は安全圏にいながら、ストレスを発散できるのですから。
こうした行為は、負のエネルギーを消費させると同時に、気を逸らすという目的もあります。過激なことをしている間は、現実を気にしなくても良いのです。
現実を直視しなければ、何も始まらない
実際の自分の姿を知るのは、勇気を必要とするかもしれません。けれども現実を直視できないと、現実を変える力も生み出されません。
その人にとっての世界は、その人の主観で出来ています。ですから主観を操作すれば、世界を好きなように変えられます。
ただそんな操作では、どうにもならない現実もあります。内面の魅力も経済力もなしに、また社会的ステータスも低く、結婚もできずに貧しい一人暮らしを続けて中年になったとします。
一方で、逆にその全てを備えた人達もいます。そんな自分とは違う人生を目の前にした時に、果たしてどれだけの人が、解釈の力だけで逃げ切れるのでしょうか。
会社に縛られ、社会に縛られ、家庭に縛られ、窮屈なことだと、自由な自分の方が幸福だと考えるかもしれません。良かった探しは心の平安に貢献しますが、ご都合主義の嘘ではいけません。自分に吐く嘘で、自分を最後まで騙し通せはしないのです。
嘘で自分を支えてしまうと
そんな嘘で自分の心を支えてしまうと、今度はその嘘を本当に仕立てあげなければいけません。100回つけば嘘も本当になるという言葉を実践するように、自分自身にそう繰り返し言い聞かせるようになります。
本当はうらやましいと思っている相手を馬鹿にして悪く言ってみたり、変われるチャンスを放棄してみたり、嘘を嘘でなくすために強化しなければなりません。
そこにあるのは、「自分への嘘の塗り重ね」と「思考停止」です。こんな状態で、納得できる人生を歩める道理はありません。
あなたも自分にとって都合の良いように、何かを曲げて解釈していませんか? 確認しようがないからといって、都合の良いストーリーや設定を決めつけていませんか? ……それらが、自分を弱くします。
企業の活動を、考えてみてください。市場の現実を見ずに、都合の良いように市場の姿を決めつけてしまったら、どうでしょうか? 当然、提案するサービスや商品は売れないでしょう。
人生でも同じです。現実を直視して把握し、それに基づいて計画をして行動を起こすからこそ、より良い結果、未来を作り上げられるのです。
どんな自分でも、受け入れる覚悟を決める
僕は30を過ぎて本気を出し始めたわけですが、必要なのは、「しょぼい自分を受け入れる勇気」でした。
「ベストセラー作家が、何を言っているんだ!?」というツッコミが入りそうですが、それは結果論です。現実世界に足を踏み入れて勝負しなければ、真価は解りません。
想定した自分よりも、現実の自分は劣っているかもしれない。その可能性を受け入れたからこそ、前に進めたのです。
もっとも僕の場合には、結婚して子供までいます。現実で何とかならないと、もれなくしょぼい旦那、しょぼいお父さん、という未来が待ち受けています。逃げようのない、背水の陣でした。自分の真価が判明してしまう覚悟は、自動的に決まりました。
ただ今になって思うのは、肥大化した自尊心に、守るべき価値はありません。単に自分を縛って、苦しめるだけです。さっさと現実社会に身を乗り出して、勝負しておけば良かったです。
仮に才能やセンスが平凡だったとしても、努力の積み重ねで、十分に凄い人にはなれます。人生のどの段階でも、早くその道に入った方が、絶対に得をします。
まとめ
自尊心が想定する架空の自分と、現実の自分との格差が拡がるほど、自分を直視するのが怖くなります。そうやって、くすぶっている間に、状況は悪化していきます。堅実に頑張っている人たちの背中が、遠ざかっていきます。
自分を直視するのは、怖いかもしれません。しかし前に進み始めれば、まったく気にならなくなります。大丈夫です。
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