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完璧主義者、マキシマイザーが知っておくべき、満足と幸福の構造。

投稿日:2019年7月25日 更新日:

「軽やかに♪ 心click」管理人、小池義孝です。欲求に対しての完璧主義者、それがマキシマイザーです。満足のハードルが高くなるため、満足感や幸福感を得られ難くなるのは避けられません。

 そんなマキシマイザーに、満足と幸福について、心の構造をお伝えします。

 

マキシマイザーが知っておくべき、心の構造

マキシマイザーとは何か?

 マキシマイザーという言葉に、多くの方は馴染みがないと思われますので、簡単にご説明しますね。

 心理学者のシュルツが提唱した概念で、最大のもの、最高のものを求める人を指します。Maximiseは最大化するという意味で、そこに「~の人」を意味するer(maximiseはeで終わっているので、rのみ)を付けて、「最大化する人」です。

 一方、対極的な存在として、サティスファイザー(満足する人)があります。

 マキシマイザーは最大のもの、最高のもの、でなければ満足しないのに対して、サティスファイザーはほどほどで満足を得られます。

マキシマイザーの長所

 このメンタリティの長所は、向上心の高さです。最大、最高でなければ満足できないので、その結果を得るために妥協はしません。高い志で努力を続けた結果、より高い目標を達成できる確率が高まります。

 僕は、元メジャーリーガーのイチロー選手や、サッカーの本田圭佑選手のメンタリティを思い浮かべました。

マキシマイザーの短所

 長所は、そのまま短所の理由にもなります。最大、最高の結果など、人生の中でそうは得られません。当然の結果として、満足できる機会、幸福を感じる機会は、どうしても少なくなります。

 標準的な人がほどほどに満足しているような状況であっても、マキシマイザーにとっては不満です。

 長所でスポーツ選手を例に出しましたが、大学受験でも、ビジネスでも、楽器演奏でも、結婚相手でも、生活水準でも、何でも同じです。最高のものを手に入れられる能力や財力があれば良いのですが、そこに手が届かなければ、不満を感じながら生き続けなければなりません。

最大、最高を想定すると、失った気持ちになる

 心の反応は、けっこういい加減です。事実でないものに、何となく大きく反応します。

 宝くじを買う人は、誰でも高額当選を思います。外れる確率の方が圧倒的に高いのは承知の上で、それを想像するだけで幸せな気分になります。ペットで犬を飼いたいと思って、どんな犬にしようかと想像を巡らせていると、やはりそれだけで、嬉しい楽しい、幸せな気分になります。心にとって、事実、イメージの明確な区別はありません。

 マキシマイザーは、最大、最高を思います。しかし現実に目を向けると、自分はそれを手に入れていません。手に入れられる見込みもないとなれば、心は落ち込むしかありません。

 人は、手に入れる喜びよりも、失う苦しみの方が大きいものです。マキシマイザーは、最大、最高の結果から引き算して、正にこの失う苦しみを味わっているのです。

 

 

 

 

心には、満足と幸福がある

 最大、最高のものでないと納得しないマキシマイザーにとって、ほどほどのものに価値はありません。しかしそのジャッジは、あくまでも思考の結果です。直接、心がそのように反応したわけではありません。

 例えば喉がカラカラに乾いた時、その人にとっての最高はギンギンに冷えたビールだったとします。冷凍庫で冷やしたジョッギで行けば最高! なのですが、冷えた麦茶であればどうでしょうか? ビールには劣るものの、かなり高い満足と幸福が得られるはずです。

 マキシマイザーの不満と不幸は、相対評価によって作られたものです。最大、最高のものを失ってしまった錯覚です。しかし心はそれぞれを、絶対評価で反応しています。マキシマイザーは評価しなくても、そこには満足と幸福があります。

考えなければ、実は満足している

 満たされないマキシマイザーも、常に不満の世界にいるわけではありません。マキシマイザーの不満は、思考の先にあります。ですから思考をしていない時は、素の心の反応が出てきます。

 思考によって引き算さえしなければ、満足するもの、幸福に感じるものは、日常に必ずあります。気を抜いている時は、素直にそれらの反応を受け取っているものです。

 僕がよく知るマキシマイザーは、そういった心の反応が僕よりも豊かで、ちょっとしたことで大きな満足や幸福を感じています。しかし思考モードに入ると、「生きていても、幸せなことは何もない」と現状の全否定をし、幸せではない理由を羅列します。

 気を抜いていれば、結構、良い人生なのですが、考えて理想から引き算をした途端に、どん底の気分にまで落ちていきます。

最高、最大のものも、実は大差がない

 マキシマイザーに、「サティスファイザーになりなさい」と言っても、あまり意味がありません。これは気質であって、簡単に取り換えられる種類のものとは違います。

 けれども、知っておいて欲しいことがあります。人の満足というものは、ある程度以上のレベルになると、あまり増えないようになっています。

 先ほどの麦茶とビールのように、あまり大差はないのです。ビールと、しるこドリンクほど離れれば、「あー、ビールが飲みたいなー!」と不満も爆発するでしょうが、麦茶まで来ていれば、満足度に大きな差はありません。

 最大、最高のものを手に入れるのは、労力的にも金銭的にも多大なコストがかかります。そもそも絶対に手が届かないものもあります。それであれば、ほどほどのコストでほどほどのものを揃えて足していった方が、総合的にはより多くの満足を得られます。

 マキシマイザーという気質を、無理に変えましょうとは言いませんが、この事を頭の片隅に入れておいてください。

 

 

 

まとめ

 マキシマイザーは、引き算で現状を悪く捉えてしまいます。最大、最高の結果など、そうはありません。これでは人生に、不満が募っても仕方ありません。

 しかし心の反応は、極めてシンプルです。心は思考に拠らず反応して、身近なものに多くの満足と幸福を見い出しています。

 

 

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