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離婚原因となる、価値観の不一致。お金とジェンダーを例にして。

投稿日:2019年11月24日 更新日:

「軽やかに♪ 心click」管理人、小池義孝です。結婚は、何とも高難度のミッションです。3組に1組が離婚するデータに見られるように、人生における最難関の一つと言えるでしょう。

 離婚原因はそれぞれですが、浮気、DV、過度の浪費、などは論外として、よく「価値観の不一致」が言われます。これも様々ではあるのですが、今回はお金とジェンダーを例にして記事にいたしました。

 夫婦間の価値観をどう調整すれば良いのか? という普遍性のある内容です。

 

深い価値観は共有されるが、浅い価値観はズレる

価値とは、価値観とは何か?

 価値観の不一致についてお話する前に、価値とは何か? 価値観とは何か? を整理しておきます。価値とは、貢献するもの、大切なもの、重要なもの、という意味です。価値観とは、それらが体系化されて認識されたものです。

 家族を大切に思うことで、違いを見てみます。家族の存在は、Aさんにとって価値があります。Aさんが思う、「自分は、家族の幸せのために生きている」は、価値観です。単に「家族は大切にすべき存在だ」でも、やはり価値観です。

 Bさんは、仕事にやり甲斐と充実を感じている。Bさんにとって、今の仕事には価値があります。Bさんが思う、「仕事は、人生の重要な柱の一つだ」は、価値観です。

金銭感覚の不一致

 何を大切にして生きていくのか、逆に何を軽視して生きていくのか、というポイントですから、生活を共にする夫婦にとって、価値観の不一致は、ものによっては致命傷になります。

 では具体的に、どのような不一致が起こっているのでしょうか。よく言われるのが、金銭感覚の違いです。例えば、夫が倹約家だったとします。夫はとにかく浪費を抑えて、貯蓄に回すべきだという価値観の持ち主です。妻は人生の彩りのために、旅行、外食、趣味などにある程度のお金は使うべきだと考えていたとします。お金に対する、価値観が違う状態です。

 夫は、将来、何があるか解らないのだから、いざという時のためにお金は多く溜めておいた方が良いと考えています。妻もその大筋では合意しているものの、日々の今の人生を彩らせることも重要なのだから、ある程度のお金は楽しみのために使っていくべきだ。と考え、その差分だけ不一致が生じています。

 さて、この両者に、どれほどの価値観の違いがあるのでしょうか。夫はおそらく、心配しがちなタイプです。できるだけ大きく安全サイドに寄っていないと、安心できません。またお金を使った楽しみに、さほど価値を感じていないのかもしれません。

 一方の妻は、夫に比べれば、楽観的なところがあります。また日々の楽しみでストレスを発散していかなければ、精神のバランスを取れないのかもしれません。

 こうした不一致はあるものの、より深い部分での価値観は共有されています。「お互いに協力し合って、夫婦で、家族でより良く生きていく」という思いがあります。そのための手段として、夫は倹約を、妻はある程度のレジャーを望んでいるというわけです。

 また夫は、自分がさほどレジャーを必要としないので、妻も同様であろうと考えています。それで心のバランスを取っているとは知らず、ワガママくらいにしか捉えていません。妻は妻で、夫に対して、私の楽しみや幸せはどうでも良いのか? と訝(いぶか)しんでいます。これを人は、スレ違いと呼びます。

 これ単独で離婚に至りはしないでしょうが、このような価値観の違いとスレ違いが幾つも合わさってしまえば、関係を崩壊させるのに十分な理由になり得ます。

ジェンダーと価値観

 夫は仕事、妻は育児と家事、という図式は、かなり崩されてきた感があります。しかし完全にフラットではなく、まだまだこの図式は基本として残っています。夫が育児や家事をするのを、自然と「手伝う」と表現するところに、その認識が表れています。

 以前の日本社会では、性的な役割をきちんと果たすことが正しいとされており、それ自体に価値があるとされてきました。そこに個性などは不要で、集団や組織のために貢献する方を重視されてきたのです。現代社会に生きる人からすると、ちょっとピンと来ない部分かもしれません。

 ただこうした価値観には、物質的な部分との兼ね合いがあります。掃除機も洗濯機もない時代では、家事も育児も大仕事でした。誰かが専業で勤めなければ、到底、家庭が回りません。そこには高いモチベーションと技術、多くの時間を必要としました。夫が外で働いている中、家政婦を雇うでもなければ、妻が専業主婦で働く以外に選択肢はなかったのです。

 しかし時代が移り変わり、家事も育児も、以前ほどの大仕事ではなくなりました。また夫一人の稼ぎでは不十分となれば、妻にもお金を稼ぐことが期待されて当然です。となれば、女の仕事だと、家事と育児を投げっぱなしは通用しなくなります。

 このように背景に合理性のない価値観は、しぶとく粘りはしても、次第に薄れて消えゆく運命です。ジェンダーでの価値観の不一致は、以前ほどには夫婦間で問題にはなっていません。

 

 

 

 

価値観を調整するには?

本質の部分に焦点を当てて、正解を探す

 価値観の調整には、2つの方向性があります。ジェンダーであるなら、合理性を考えれば済みます。仕事、家事、育児、などで夫婦間で負担が平等になるように調整すれば良いのです。もちろんそこに、健康状態や体力差などを加味しても良いです。好き嫌い、得意不得意もあるので、互いに精神的な負担が少ない形で上手いところに落ち着けましょう。

 もう一つの金銭に関するものは、夫婦、家族全体にとっての幸福の最大化です。今回で挙げた事例では、夫の「出来るだけ安全サイドにいたい」、妻の「お金をかけたレジャーが必要である」、といった事情を互いに理解し合い、最善の選択肢を模索します。

 不安の解消という部分が本質であるなら、保険商品を検討する方向性に打開策があるかもしれません。レジャーも、お金をかけることそのものが本質ではないはずですから、遊び方、楽しみ方にも工夫の余地があるでしょう。

 

 

 

まとめ

 人間の価値観に、大元での違いはありません。健康、安全、幸福といった万人に共有された価値があり、それを満たす手段に違いがあるだけです。根本の目的は何にも代えられませんが、手段には代替策があるものです。価値観の調整は、手段の調整だと心得ておいてください。

 ジェンダーにまつわるものは、合理的か否かで見れば、さほど難しい調整ではありません。

 何れも、夫婦、家族の幸せに焦点を当てて話し合ってください。

 

 

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