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自尊心の強い卑屈な井の中の蛙が、大海に出ようと決めた自分語り。

投稿日:2019年4月17日 更新日:

「軽やかに♪ 心click」管理人、小池義孝です。偉そうに心のこと、成功のことを書き続けている僕ですが、元々はそんなコンテンツを作れるような人間ではありません。20代の頃は、ただの「井の中の蛙」です。自尊心が挫かれ、屈折した青年でした。

 今回は、自分のことを詳しくお伝えします。

 

うだつの上がらない、20代の生活

結婚する価値のない自分

 20代の頃、僕は絵に描いたような「うだつの上がらない人間」でした。借金まみれ、どん底のホームレス生活…… といったよくある派手なダメさ加減ではありませんが、自尊心を削られて卑屈になるには十分な生活でした。

 父の経営する零細企業に勤め、給料は完全歩合制です。当初は順調に伸びて良い時期もありましたが、環境の変化に対応できずに収入は悪化の一途。ついには月収10万円をも切ってしまいました。

 大学1年生から付き合っていた彼女には、プロポーズもできません。自分は男として、結婚できる価値はないと思っていたからです。そんな不良物件を、大好きな彼女に売り込めるはずもありません。20代後半になって、この彼女は他の男性に奪われてしまいました。

 こうなると、子供から学生時代に形成された自尊心は消し飛びます。学生は単なる準備期間、社会に出てから真価が問われます。そこで仕事も恋愛もダメなのですから、自己評価はガタ落ちです。

 普通の社会人を目の前にしたら、劣等感で心が縮まり込んでしまいます。委縮して緊張して、まともに会話もできない始末でした。

30歳という年齢が、背中を激しく押してくれた

 最近はあまり聞かなくなりましたが、当時はよくモラトリアム人間という言葉と概念が話題になっていました。辞書で「モラトリアム人間」を引くと、

「年齢では大人の仲間入りをするべき時に達していながら、精神的にはまだ自己形成の途上にあり、大人社会に同化できずにいる人間。」

 と、あります。当時の僕を表現するのに、まさに相応しい言葉です。

 20代の頃はまだ、若さに甘えがあります。今はグダグダでも、後で頑張れば挽回できると考えています。「今の自分は、本当の自分ではない」、「その気になって頑張れば、いつだってこの状況から抜け出してみせる」と、現状の自分を決して認めません。

 しかしだからと言って、必死になって頑張る意欲もありません。抑圧された自尊心と卑屈さが合わさって、ひどい精神状態でした。母に苛立ち、キツイ言葉で八つ当たりもしました。ただ母は、普通に優しくそこに居ただけで、何の非もありません。最低だと自覚しながら、自分をコントロールしきれないでいました。

 そんな僕の背中を押してくれたのは、親でも友人でもなく、何かの出来事でもなく、30歳という年齢でした。30歳になった瞬間に、「自分は若者ではない」という認識に変わりました。

 無為に過ごしてしまったこの10年間は、まだ良い。しかしもう一度、これをやってしまうと40歳です。いくらモラトリアムとは言っても、40歳からどうにかなるとは思えませんでした。

 今、ここがラストチャンスだ! ここで頑張り始めないと、本当に人生が終わる! この急激に訪れた焦りが、僕の背中を激しく押してくれたのです。

 

 

 

 

治療家、作家人生のスタート

右も左も判らずにスタートした治療家人生

 そして僕は、治療家になりました。治療院を兼ねている私塾のような場所に飛び込み、約2年後に開業をしました。

 今にして思えば、あの状態で開業した自分は凄いです。知識は素人に毛が生えた程度で、右も左も判りません。

 ただ地道に活動を続けていった結果、こちらは数年でそこそこ治療家までにはなれました。 

出版を志すも、大手出版社に「これは売れない」と原稿を突っ返される

 しかし治療家とは言え、医師ではありません。類する国家資格はおろか、民間資格すら何もない状態です。社会的信頼性が自分の弱点であると、普段から肌で感じていました。新規の方の警戒心は強く、接客はマイナスからのスタートです。自己紹介で職業を言うと、往々にして相手はリアクションに困った様子でした。

 そこで僕は、「本を出版して、ベストセラー作家のポジションを手に入れよう!」と思い立ちます。

 大手出版社に縁があり、企画は原稿の完成まで行きました。しかし担当編集者が変わり、その方は気が進まない中で引き受けたのでしょう。僕の企画へのやる気が、まったく感じられません。ついには完成原稿を手にして、「これは売れない」と突っ返されたのです。

 出版の初チャレンジは、残念な結果で終わりました。

自由国民社から「ねこ背は治る!」を出版 → 30万部突破のベストセラーに

 しかし僕は、決して諦めませんでした! ……というサクセスストーリーにありがちな展開ではありません。

 日本人なら知らない人のいない一流出版社の編集者に、「これは売れない」と断言されたのです。普通は、心が折れます。そして僕はそういったメンタリティにおいて、まあ普通の部類でした。失意のまま、完成原稿はお蔵入りになりました。

 ただそのコンテンツは、セミナーという形で細々と続けられていました。「知るだけで体が変わる」というコンセプトは、安定して驚きと感動を生み出しています。僕はその生の評価を見続けている内に、「やっぱりこのネタ、行けるよな~」という思いが強くなっていきます。

 この時、僕に決定的な一言を告げた人物が現れました。

「先生、これを本にしたら、有名になれますよ!」

 僕は、驚きました。原稿なら、手元にあります。一気にモチベーションが上がり、出版へのチャレンジが再び動き始めました。

『現代用語の基礎知識』シリーズで有名な自由国民社との出会いは、劇的で運命的でもありました。僕の完成原稿には「ねこ背は治る!」というタイトルが付けられ、全国の書店に流通します。発売当初から爆発的な反響を呼び、アッという間にベストセラーの基準である10万部を突破しました。2019年現在、30万部を突破するまでに伸びるロングセラーにもなっています。

 僕の人生は、これでガラリと変わりました。社会的に強い信頼を手に入れ、より多くの方が、信頼して安心して治療を受けにいらっしゃいます。多くの人たちが僕をまともに扱ってくれます。関心をもって、話を聞いてくれます。

 そして自由国民社は、「ねこ背は治る!」をヒットさせたのを切っ掛けにして、健康本のベストセラーを連発するヒットメーカーになりました。

治療家として、作家として飛躍

 高い知名度と信頼は、そのまま期待の高さになります。今の僕には、皆さん、高い期待を寄せてくださいます。

 僕はその期待に裏切らないよう、以前にも増して高いモチベーションで当たります。

 治療家としては、評判を聞いた方が全国からいらっしゃいます。技術の教え子は、日本の各地、海外でも活躍されています。出版は15冊で累計70万部を突破し、海外翻訳版も3冊あります。(2019年現在)

 今はもう、劣等感で委縮してまともに話せない自分、モラトリアムな自分は、どこにもいません。

 結婚して二人の子の父親にもなり、ただただ真っすぐに前だけを見て走る人生です。

 

 

 

まとめ

 僕には、人生で本気になった時期が二回あります。30歳を超えた時と、子供が産まれた時です。前者では、思い切って治療業界に飛び込みました。後者では、本を出版してベストセラー作家になろうとしました。

 ですから僕の経験上で言えるのは、人生を変えるのは、本気になった時だけです。特に僕のような、ちょっと臆病なところもある普通のメンタリティの人はそうです。

 思い切った決断をして、集中的に力を注ぎ込む。自分が望む人生を歩みたいなら、ここぞというタイミングで、本気を出せるかどうかだと考えます。

 

Youtube、雑談講座

 この記事の内容を元に、雑談を交えたフリートークです。台本なしのワンテイクです。

 

 

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