「軽やかに♪ 心click」管理人、小池義孝です。「年を取ると、時間が経つのが早い」、子供の頃に大人たちがこう言うのを聞いて、さっぱり意味が解りませんでした。しかし自分が年を取ると、同じ体験をします。
今回はそのメカニズム(ちょっと難しい)と、退屈しない生き方をお伝えします。よろしくお願いします。
年を取ると、なぜ時間が早く過ぎ去るのか?
物理的な時間と、感覚的な時間との違い
物理的な時間は、全ての人にとって平等です。世界中のどの地域にいても、同じ時間の中を過ごしています。
ただし感覚的な時間には、個人個人で差があります。リアルタイムでは、楽しいことは短く感じられ、退屈だったり苦しかったりは長く感じられます。過去の時間感覚では、この差はさらに大きくなります。人によっては、10年という単位ですら「あっという間」と表現されるほどです。
リアルタイムの違いは、集中の差によって生まれる
人間が感知する代表として、視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚の5感が言われています。そういった仲間に入れて良いのかは微妙ですが、時間がどれくらい経ったのかという感覚も、人は持ち合わせています。
物理的な正確な時間は解らなくても、だいたい15分くらい経った、1時間くらい経った、と感覚で解りますよね。視覚では光を、聴覚では振動を察知しているように、時間感覚では時間の経過をカウントしています。
ただ時間感覚は、他の5感と同じように一定しません。あまりに衝撃的な光景を目の当たりにしたら、感覚的には音が消えるケースがあります。美味しい料理をより美味しく感じようとした時、目を閉じて視覚情報をシャットアウトしますよね。このように意識の配分の仕方で、感覚の強弱が変わります。
時間感覚も同様で、他の何かに集中している時は希薄になって、短く感じられます。退屈すると、時間感覚に意識が集中してきて、結果として長く感じられるというわけです。
出来事ファイルに時間感覚はない
過去には、大小の莫大な出来事があります。入学や卒業、就職、結婚といった人生の大イベントから、電車に乗った、ゲームをした、毎回の食事といったありふれた日常まで、数え切れないほどの出来事が積み重なっています。
しかし記憶の出来事ファイルには、時間の感覚がありません。出来事は、あった事実としてそこに記載されているだけです。イメージとしては、動きのない写真と説明文です。
時間感覚は、感情ファイルにある
一方、感情ファイルは動画のようなものです。感情の記憶は、動きとして保存されています。
動きがある → 時間の流れがある
という理屈です。過去の感情を想起した時、そこに動きがあると感じ取れるでしょうか? 試しに動きを止めてみると、途端にそれが何なのかを見失います。動かないものは、感情として認識できないからです。ちょっと、難しいかもしれません。
感情ファイルが増えると、時間感覚が長くなる
出来事ファイルも感情ファイルも、全てを引き出せるわけではありません。莫大な記憶領域から引き出せるのは、ほんの一部だけです。目立たないありふれたものは、埋没して簡単に見えなくなります。
しかし引き出せないだけで、情報はきちんと保存されています。感情が濃い時間が長ければ長いほど、感情ファイルはつながっていき、動画の記録時間が長くなっていきます。これが後から振り返った時の、時間感覚の正体です。
リアルタイムでは楽しくてあっと言う間に終わっても、過去の感情ファイルでは逆に長くなります。時間感覚のこの関係は、とても興味深く、面白いものです。
経験を重ねると、新鮮な経験は減っていく
経験を積み重ねていくうちに、知らないものが減っていきます。新鮮味が薄くなれば、感情が動き難くなるのは当然です。
初体験であっても、経験上から予想できるものも多くなります。経験を重ねるほど、予想外だった! という意外性に出合う機会も少なくなります。
感情が薄くなれば、退屈します。そんな時間を振り返ると、感情ファイルが希薄で、あっという間に時間が過ぎたように感じられるというわけです。
退屈から抜け出し、楽しい人生にするには?
経験を重ねて知識が増えれば、感情が動き難くなるのは仕方ありません。子供のように、全てが新鮮! という状況は望めませんが、大人にだって新しい世界は広がっています。
未経験のものを、2つに分ける
新鮮味は未経験のものにありますが、未経験であれば何でも価値があるというわけではありません。価値ある未経験なものを見極めるには、それを以下の基準で分類します。
- 興味がない
- 興味はあるが、ハードルが高くて経験していない
「興味がない」の中に、宝物はほとんど眠っていません。
例えば僕であれば、女性アイドルのライブに行った経験がありません。ただ女性アイドルの存在は知っていますし、ライブの光景は何度もメディアを通じて散見しています。その上で「いいな、行ってみたい!」と、まったく思いません。こういう時、行ってみたら意外に楽しかった! とはなりません。
ある程度の情報があって興味が湧かないのなら、実際に経験して、大きく心が動かされる可能性はほとんどありません。
ただ中には、当然、例外もあります。しかし、あくまでも例外なので、このカテゴリーから探すのは効率が悪いということです。
興味があってハードルの高いもの
こちらであれば、お宝がザクザクと眠っています。興味はあるけれど、何らかのハードルが高くて経験してこなかったグループです。
もしもそのハードルが精神的なものであるなら、思い切って突破するのを強くお勧めします。先ほどの女性アイドルのライブを例にするなら、興味はあるけれど「おじさんが一人で行くのは、恥ずかしい」という方もいるでしょう。一切、気にせずに、突入すべきです。きっと新鮮な楽しい時間を過ごせるでしょう。期待外れになるかもしれませんが、興味がないグループと比較すれば、圧倒的に良い体験になる可能性が高いです。
ハードルの種類は、他にも考えられます。
・金銭
・時間
・労力
・地理
・仕事
・家族
など、人それぞれの事情があるでしょう。確かにそれを経験するのに、全財産を使い果たすのは現実的ではありません。あまり時間と労力がかかり過ぎるのも、考え物です。
ですからこれらハードルの中で、リターンの期待が大きく、これだったら思い切って超えてみよう! と比較的、思えるものを探してみてください。
安住の地から、勇気をもって離れる
私生活にしても仕事にしても、落ち着いた居心地の良い場所と習慣があります。安住の地は、心を穏やかに安心して暮らせますが、刺激は薄くなります。
もしも退屈を嫌って面白い人生を歩みたいなら、勇気をもって、そこから離れる決断が必要です。
例えば仕事を休んで、ピースボートで世界1周をしてみたいなら、行ったら良いです。帰ってきてからの仕事が不安になるなら、出来るだけ不安を払拭するような準備を整えましょう。
何をどこまで犠牲にできるのかは、人によって違います。僕がよくお勧めしているのは、絶対に失いたくないものトップ3を決めて、あとは失っても構わないと設定する考え方です。すると大抵、命と健康、家族、ある程度の財産、あたりが残ります。
これだけがっちりと守っても、結構、やりたいはことは出来るものです。それだけ皆さん、守りに入ったつまらない人生を送っているということです。
成長スパイラルに入る
一つの何かを突破すると、次の目標が見えてきます。
例えば「小説家になろう」というサイトでは、誰でも気軽に小説を発表できます。そこで最初の目標は、「小説を書いて、誰かに楽しんでもらいたい」だとします。投稿した小説がその中で好評であれば、目標は達成したと言えるでしょう。すると次に、出版社の目に留まってプロデビューという道も見えてきます。今度はプロデビューを目標にして、頑張ってみます。
このように目標をレベルアップして成長スパイラルに入ると、延々と飽きずに楽しい時間が続いていきます。
ゴルフでも、陶芸でも、俳句でも、レベルアップできる奥の深いものは、情熱と時間をかける価値が高いです。
まとめ
感覚的な時間は、感情密度に比例します。その謎が解明できれば、あとは感情密度を濃く生活するだけです。
そして大人になって経験が豊かになっても、新しい世界は必ずあります。世界の全てを知り尽くし、体験し尽くすなど、逆にできないのですから。
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