「軽やかに♪ 心click」管理人、小池義孝です。ちょっと悪いことって、ドキドキして楽しい場合がありますよね。そんな心理は、実はジェットコースターの楽しみに似ています。
激辛は苦痛ですが、ちょっとしたピリ辛なら、丁度良い刺激です。今回の記事は、悪いことが刺激になる心理を紐解き、人間心理への理解を深めていきます。
悪いことに惹かれる心理
ちょっとした禁忌を破る快感
悪い事をすれば、罪悪感が生じます。罪悪感は、精神的な苦痛になります。好き好んで、得たい感情ではありません。
しかし少量の罪悪感であれば、苦痛も小さくなります。段階毎に小さくなっていった苦痛は、やがて苦痛として認識しないレベルになります。叩いたり、つねったりする痛みも、力を弱めていけば、やがて痛いとは認識しなくなるのと同じです。
ちょっとした禁忌を破る罪悪感は、苦痛を薄めていった先の、「そわそわする」、「ドキドキする」辺りになります。
苦痛と言えば苦痛なので、危機と認識した精神は覚醒し、興奮状態になります。この覚醒と興奮が、快感の正体です。端的に言えば、ワクワクして、楽しい状態です。
これが明確に苦痛まで行ってしまうと、そちらの方が勝って快感が覆い隠されます。ちょっとした禁忌を破る快感は、その微妙なバランスの上に成り立っています。
小学生の頃、信号無視をした経験
僕がこのテーマを考えた時、真っ先に思い浮かんだのは、小学生の頃にやった信号無視です。
平和な小学生だった僕は、手癖が悪いわけでもなく、手に染める悪といえば信号無視くらいのもの。青信号がチカチカして赤になるのを待って、車が来ないことを確認して、わざわざ赤信号を渡った時がありました。
その時の僕は、他人から見れば、ニヤニヤとした悪い笑顔をしていたと思います。もうドキドキして、楽しさが込み上げて来たのを覚えています。
これが当時の僕にとっての、ちょっとした禁忌を破る行為でした。
絶叫マシンは、ほどほどに怖いから楽しい
ちょっとした禁忌を破る快感は、ジェットコースターなどの絶叫マシンに似ています。
絶叫マシンが好きなのは、それが程々に丁度良く怖い人です。まったく怖くなければ、スリルがなくて面白くありません。怖すぎれば、耐え難い苦痛になります。
これはお化け屋敷、ホラー映画などでも同じです。適度に怖がるから、エンターテイメントとして成立します。
スイッチは違いますが、起こっている現象は同じです。危機と認識した精神が覚醒して、快感を覚えるのです。
過ぎた悪は、心、人間性を壊す
ちょっとした禁忌を破る程度であれば、丁度良い刺激になって快感が勝ります。しかし過ぎた悪では、罪悪感が強くなり過ぎて、苦痛が先に立ちます。
その苦痛は、心か人間性、もしくは両方を壊します。
人は、自分が悪である事実に耐えられない
一般的に何となくイメージされているよりも、「自分は悪だ」という認識は、大きな負担になります。
ですからどんな悪人であっても、必ず自己正当化があります。「仕方がなかった」、「社会が悪い」、「ゴミを掃除しただけだ」などと、悪という自己認識から逃げます。
自分を極悪人として認識して開き直っている振り切れた存在であっても、「世の中、弱肉強食だ」とか、「騙される方が間抜けなだけだ」とか、最終的には悪そのものを正当化するに至ります。
この苦痛をまともに受ければ、心が壊れていきます。心を守るために上記のような正当化をすれば、人間性が歪みます。
刺激はあっても、悪人に幸福はない
行為には、目的と期待される利益があります。どんなに不合理であっても、本人でさえ意味不明であっても、何らかの意味があります。
悪行によって得られる利益は、誰かを不当に加害して得た報酬です。お金を騙し取った、盗んだのであれば、その喜びはあるでしょう。いじめ、パワハラなどをすれば、憂さ晴らし、マウンティング、嗜虐心が満たされる快感はあるでしょう。
しかしそれらの刺激には、罪悪感がセットになります。苦痛を伴い、自己評価も下がり、幸福感からは遠ざかります。
苦痛を軽減しようと人間性を歪めれば、心は常に荒みます。そもそも自分が汚れていれば、汚れても気にならない理屈は正しいです。しかしそもそも汚れている自分を、本当の自分は、汚らわしいものと忌み嫌います。
これは絶叫マシンが怖すぎて、楽しさなんか微塵もない、ただ苦痛なだけ。という状態と同じです。こうなる人が、好き好んでジェットコースターには乗りませんよね。
まとめ
罪悪感の苦痛を弱めていくと、やがて苦痛と認識しないラインになる。その微妙な塩梅では、そわそわやドキドキに感じられて、高揚感と楽しさがある。危機と判定した精神が自らを活性化させて、それが快感になる。
しかし罪悪感が強くなると、明らかに苦痛が勝る。どんなに自己正当化しても、「自分は悪だ」という認識の先に、幸福は存在し得ない。
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