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「軽やかに♪ 心click」管理人、小池義孝です。今回は、怒りの危険性についてお伝えします。
怒りは、爆発的なエネルギーで危険から逃れるため、精神を屈服させないために、絶対に必要な感情です。しかしその緊急事態に向くという特別性ゆえに、多大な危険性を含んでもいます。
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怒りは理性と合理性を損なわせる
何故、怒りは精神異常なのか?
精神異常とはこの場合、理性と合理性の欠如を指します。理性とは、物事を区別する能力です。合理性とは、目的に対する手段の適正さです。ですから精神異常になると、想像と現実の区別がつかなくなったり、目的に沿わない考えや行動をしたり、おかしな状態になります。
誰であっても、怒れば理性と合理性を失ってしまいます。激しく怒っている人に、話を理解してもらうのは大変です。理性が欠如しているからです。また激しく怒っている人は攻撃性が先に立ち、言葉や肉体の暴力を振るって状況を悪化させます。正に、合理性を欠いた姿です。
勿論、怒りには強弱の程度があります。弱い怒りであれば、理性も合理性もさほど損なわれません。怒りが強くなればなるほど、思考力や判断能力が衰え、攻撃性に翻弄され、精神異常が強まるのだと理解してください。
怒りの扱いを間違えれば、総合的には損をする
怒りは、簡単に場を支配できる麻薬
怒りを表現することは、場合によっては魅力的に映ります。怒りをぶつけられた相手、それを察知した周囲の人が屈してくれたなら、その人が場を支配する王様です。王様はもっとも偉く、誰も逆らえません。ご機嫌を取るモードになれば、あとは王様の思い通りです。
この成功体験は、麻薬です。怒りや不機嫌さで他人をコントロールする癖を付けてしまう人が、後を絶ちません。
しかしそのような行為は、総合的に見れば得にはなり難いです。怒りや不機嫌でコントロールしようとする人物に、まず好感は寄せられません。一緒にいて嬉しい相手であるはずもなく、間違いなく関係性を悪化させます。
わきまえない、これからは怒ろう! と決めた人へ
石川優実さんの著書に、『もう空気なんて読まない』があります。「私たちはもっと怒っていい。幸せのために」とキャッチコピーにあり、強者や世間に圧迫されて自分を出せず、幸福から遠ざかっていた人たちへの強烈なメッセージになっています。
ただ石川優実さん自身が、それで幸せになっているのかと言えば、大きな疑問が生じます。ネット上で強い攻撃性を発揮した結果、それに反発する人達もまた強い言葉を投げかけて来ます。その怒りと怒りの応酬で、精神をすり減らしている様子が伺えます。
また「応援しています」という言葉をかけてくれた人にも、「口先だけの応援なんて要らない! 味方なら〇〇という行動をしてくれ!」といった風に怒りをぶつけ、そうした姿勢がかえって味方を減らしているように見受けられます。
確かに、他人や社会の理不尽に対しては、怒りの爆発的なエネルギーを以て反抗すべき時があります。けれども怒りによって正気を狂わされている状況でそれを行えば、その矛先を不必要な相手にまで向けてしまい、かえって状況を悪化させます。 「わきまえない」、「これからは怒ろう!」と決めた人は、いきなりそれを全開にするのではなく、少しずつ表現しながら周囲の反応を見てください。
怒っている自分は、異常状態だと自覚しておく
誰しも、怒る時はあります。けれどもよほどの爆発でなければ、自分自身を失って完全にコントロール不能に陥るレベルにはなりません。怒りながらも、必ず理性が残されています。
その理性で、こう認識しておいてください。
「怒っている自分は、精神異常にある」
思考力や判断能力が衰え、物事を正確に考えられません。また攻撃性が強く、より上位の価値を無視して、その衝動を満たしたい強い誘惑に駆られています。怒れば怒るほど、精神異常の度合いが増します。けれども「怒っている自分は異常状態にある」と認識していれば、それだけで理性の力関係が回復します。精神異常に理性が侵食され、不合理な行動に向かう正当化に利用される最悪の事態を防げます。
例えばDV癖のある夫がその事態に陥った時、こんな思考になります。
「この愚かな女を殴るのは、自分の当然の権利で良いことだ。そうしなければ、この女の愚かさは治らない」
普通に傍から見れば完全に狂った理屈ですが、その時、本人は至って正気で冷静で合理的なつもりでいます。狂気を抑止するはずの理性が、それを追認して後押ししているからです。
「怒っている自分は、精神異常にある」
という認識は、狂気と理性の融合を牽制してくれます。ですから少しでも怒ったなら、そこには狂気があると刻んでおいてください。
まとめ
怒りは理性と合理性を損なわせる、精神異常である。怒りが強いほどに狂気は増し、悲惨な状況を招きやすくなる。
怒りには、場の王様になれる強い誘惑がある。理不尽が相手なら、むしろ怒って抗うべき。……など、怒りたい事情は各々。
けれども狂気である怒りは、ただそれに身を任せれば総合的に得にはならない。「怒っている自分は、精神異常にある」と知り、理性との融合を牽制しよう。
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