「軽やかに♪ 心click」管理人、小池義孝です。地頭の良い人は、何が違うのでしょうか。重要なポイント1では、「情報を集める」というテーマでお伝えします。情報を集める? あまりに当たり前すぎて、拍子抜けされた方も多いのではないでしょうか。
しかし情報との付き合い方が軽率だと、意図もたやすく愚かにされてしまいます。ちょっとした意識の違いだけで、認識する世界の正確性は大幅に向上します。
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地頭を良くするポイント1、情報を集める
「辻褄が合う」という落とし穴
辻褄が合って説得力があると、それは如何にも真実かのように見えます。デマ、噂話の類は、このレベルで簡単に広がっていきます。
例えば、共通の交友関係を持つカップルが、破局したとします。原因はAの浮気、嘘の積み重ねなどでした。これといって、Bには落ち度がありません。Aは人当たりが良い人気者で、皆から良い人だと思われて好かれています。Bは付き合って初めて、その意外な本性を見たのです。
Aはグループ内で、自分の立場が危うくなるのを怖れました。もしもBに自分のした事をバラされてしまえば、軽蔑されるに決まっています。そこでAは、先回りして、逆にBが浮気をして嘘を吐いていたと触れ回りました。
Bには、外見、ファッションの好みで、少しだけ派手好きな部分がありました。その派手さと浮気とがイメージで重なるようにして、Aは上手にBの浮気をでっち上げました。
すると交友関係の全員が、Aの話を信じました。元々のAへの信頼がある上に、如何にもBは、そのような浮気をしそうだと思えたからです。
比較的、よくある話ではないかと思います。周囲の人たちは、一方の話だけを聞いて判断しています。何から何まで、全ての情報をAが提供します。その内容は、いくらでもAにとって都合の良いように加工できます。話の辻褄は、合っていて当たり前です。
Bの話も聞いてみる、ただこれだけの行為もせず、Aの話だけを鵜呑みにしています。誰かの悪口、噂話、デマといった種類のものは、一応の辻褄が合い、ある程度の説得力さえ備えていれば、容易く通用します。
主観による歪み
誰かが発信した情報には、必ず主観が入ります。何らかの解釈を加えた時点で、真実からズレる可能性が生じます。
例えば僕は、小さな子供の頃は体が弱かったようです。夏休みになると、千葉県銚子の親戚の家に泊まり、毎日のように海水浴でした。僕の体を強くするために、父が親戚と話をつけてくれていたのです。
今の常識では、日光を過剰に浴び続ける健康効果については大いに疑問が生じるでしょうが、当時は、日光浴、海水浴への強い健康信仰がありました。
後になって父は、僕は体が弱く、若くして死んでしまうところ、海水浴で強くなって生き延びたと語っていました。ところがその話を聞いた母は、「喘息気味ではあったけれど、そんな長生きできないような話じゃなかった」と言っています。
どちらが正しいかは解りませんが、父は何でも大袈裟に解釈する強い傾向があるので、長生きできない程に弱かったというのは、割り引いて捉えた方が良さそうだという心象です。
このように、主観が入れば解釈が生じて、そこには大なり小なりのズレがあって当然です。
誘導、扇動、洗脳を目的とする情報発信
新聞、雑誌、テレビ、演説、SNSなどでは、人々をコントロールする目的で、莫大な情報発信が行われています。
テレビで風邪薬のCMが流れたら、注意深く、見てみてください。あたかも風邪薬を飲めば早く治るかのような空気を出していますが、早く治るとは、一言も言っていません。実際、風邪薬は症状を抑制する薬であって、風邪自体を治す効果はありません。
「バファリン飲んで、早く治そ!」というキャッチフレーズは、もうダークグレーの域ではありますが、早く治るとは言っていません。しかし明らかに、早く治ると誤解させようとする意図があります。
近年、日本が報道の自由度ランキングで、大きく順位を下げているとご存知の方も多いと思います。これは国境なき記者団による発表なのですが、実はそもそも、ランキングとして成立していません。採点基準の異なるテスト結果を集計して、順位をつけているようなものです。結果として、日本だけでなく、この国が何でこの順位なの!? という、感覚とズレた順位が多発しています。
フリーダムハウスも同様の調査を行っており、こちらは統一された基準で、客観的にスコアが採点されます。こちらの結果では、日本は変わらず、普通に先進国の民主主義国家としての順位です。北欧ほど高くはないですが、アメリカやフランスなどと同程度です。
しかし日本のメディアは、国境なき記者団のランキングしか報道しません。自分達の、活動領域を上げる圧力をかけるために。あるいは、現状の政権を批判する材料になるから。何れかの理由かと思われます。
SNSが発達した近年では、個人による政治活動、社会活動も活発になってきました。明らかな嘘、捏造、偏った記事を発信しては、同調者からの応援と、反発する人からの批判で賑わっています。
このように、最初から人をコントロールする目的で、誤った情報、意図的に誤解させる情報、偏った情報が氾濫していると知ってください。
地頭の良い人の考え方
地頭の良い人は、情報との付き合い方に慎重です。辻褄が合った時の反応は、「辻褄が合った」と認定するだけです。説得力があれば、やはり「説得力はある」と認定するだけで、簡単には事実として扱いません。
意図せずとも、主観によって歪むものだと知っており、意図的に歪んだ情報発信への警戒もあります。
ですから、出来るだけ多くの情報を得ようとします。新聞であれば、政治的スタンスに偏りのある新聞記事は鵜呑みにせず、他紙でどのように書かれているのかをチェックします。
まとめ
地頭の良い人は、多くの角度から情報を得て、そこにある共通点や違いから、全体像を捉えようとします。断片的な情報だけで、簡単に事実として認定しません。偏った情報では、判断を下せないと知っているからです。
情報には、信頼性のスコアがあります。地頭の良い人は、半ば無意識に、情報にスコアをつけて扱いを分けているのです。
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