「軽やかに♪ 心click」管理人、小池義孝です。地頭の良い人は、常に本質に焦点を当てます。情報量が増えても、話が複雑になっても、本質をしっかりと押さえます。それでは、本質とはいったい、何なのでしょうか?
物事の本質には、2つの種類があります。
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地頭を良くする重要なポイント9、「本質とは何か? 物事の本質には、2つの種類がある」
物事の本質とは何か?
物事の本質という表現をした時、そこには2種類のニュアンスがあります。
・物事を構成する主要な部分
・物事の中にある主要な価値
この本質の2つを、料理の湯豆腐に喩えてご説明します。湯豆腐には、豆腐の他に、ポン酢、ネギや紅葉おろしなどの薬味がありますよね。湯豆腐にとって最も重要な部分は、豆腐です。
一方、主要な価値は何でしょうか? 料理ですから、栄養、美味しく食べること、などですね。体が温まる、を入れても良いでしょう。
本質を欠いた意見、議論とはどのようなものか?
引き続き、湯豆腐でご説明します。この比喩は、我ながら、気に入っているのです。
・物事を構成する主要な部分
安くて質の悪い豆腐では、美味しい湯豆腐にはなりません。もしも豆腐をケチって、ポン酢、薬味に力を入れていたらどうでしょうか。不味い豆腐をいかに美味しくするか、といった特別なテーマでもない限りは、あべこべな行いですよね。
本質を無視して、重要ではない部分に拘っている姿です。本質を十分に満たして、更に他の要素にも力を入れるなら、素晴らしい湯豆腐になるでしょう。しかし本質である豆腐をないがしろにしては、どんなに他の要素を頑張っても、満足のいく結果は得られません。
・物事の中にある主要な価値
家族で、夕食に湯豆腐を食べます。ここで大切な価値は、美味しい、健康に良い、体が温まる、楽しい食卓、です。
ところが食にうるさいお父さんは、湯豆腐にああだこうだとケチをつけます。やれ芯が温まり切っていない、ネギの刻み方が大きい、ポン酢が好みのメーカーじゃない、と不機嫌に言いたい放題。これでは、せっかくの料理も美味しく感じないし、食卓を囲んで楽しいとも思えません。
これは本質を無視して、あまり重要ではない価値に拘っている姿です。同じ食べるなら、お父さんの好みにも合っていた方が、より良いのは確かです。そちらにも、もちろん価値はあります。しかしその場で、もっとも重要な価値はそれでしょうか? より大きな価値を犠牲にしては、本質を欠きます。
いじめ問題の事例
今度は、現実社会に起こる現象で考えていきます。いじめ問題が発生して、先生と保護者で話し合いの場が設けられたとします。
加害者は、刃物を突き付けて脅しました。その刃物が、ハサミだったのか、カッターナイフだったのかで、言い合いが始まったとしたらどうでしょうか? そんなの、どっちでも良いと思いますよね。
いじめ問題の本質は、いじめの行為自体です。この場合、ハサミだろうとカッターナイフだろうと、いじめの酷さ、深刻さではほぼ同じです。主要ではない部分で、言い争ってしまっています。
また、この話し合いの主要な価値は、被害者の救済、加害者の更生、再びいじめ問題を発生させないこと、です。
被害者の制服が、加害者によって破かれてしまったとします。その制服を加害者の家庭に弁償させたいところだけれど、加害者の親も人格上の問題があり、その支払いを拒否しています。さて、この親をどうやって説得して、弁償させるか。弁償させる前に、被害者家庭でその金銭を負担してもらうのは、正しいか否か。
といったテーマで、延々と議論をし続けたらどうでしょうか? 確かに話し合いが必要なテーマではありますが、価値の優先順位としては、被害者の救済、加害者の更生、再発の防止、の方がはるかに上です。これらのテーマでの話し合いがおざなりにされて、制服のお金のことに偏ってしまえば、本質から遠ざかっています。
地頭の良い人の考え方
地頭の良い人は、本質を大切にします。その物事を構成する主要なものは、何か。どの価値を優先すべきなのか。を見極めて、その軸から外れません。
また気付き難い本質が隠されていた場合には、それを鋭く察知できます。物事には必ず、因果関係の流れがあります。因果とは、原因と結果です。一つの現象は、複数の因果関係の流れから成り立っています。埋没して見えない重要な因果関係を拾い上げ、そこにある重要な本質を見極められる人を、地頭が良いと評価します。
価値の優先順位についても同様で、あれこれと色々と考えている内に混乱して、本質を見失うケースはよくあります。話がどんなに複雑になっても、満たすべき価値を見失いません。
まとめ
2種類の本質とは、主要な構成要素、優先順位の高い価値です。物事を解決、改善しようとした時、それらの洞察を欠けば、役に立たない見当違いな対策になります。
主要な構成要素は何か? 優先すべき価値は何か? の2点を押さえて物を見ようとするだけでも、本質から外れるリスクは低くなります。
次回のポイント10では、本質を見極める方法についてお伝えします。
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