「軽やかに♪ 心click」管理人、小池義孝です。小中学生の頃、避難訓練が嫌いでした。ただ先生に誘導されて校庭に出るだけの単純作業で、面白味がありません。必要なのは理解していましたが、回数が過剰ではないかと、うんざりしていました。
ただその後に、避難訓練の重要性に気付かされました。知っている、慣れているという状況は、心を落ち着かせるのです。
今回は、心の動揺、パニック、平常心についてお伝えします。
避難訓練の重要性に気付かず、ただの惰性で参加していた
避難訓練を、だるいとしか思っていなかった小中学生時代
地震大国である日本の学校では、避難訓練が入念に行われます。大地震、火災、あるいはその両方といった設定で、頻繁に避難訓練をしたのを覚えています。あまりに回数が多いので、僕に限らず、多くの生徒たちが辟易とした空気になっていました。
避難訓練とは言っても、やることは単純です。先生の誘導に従って、机の下に潜ったり、普通に歩いて校庭に出だりするだけの作業です。難易度はゼロに等しく、何度も何度も繰り返す意味が解りませんでした。
ごく稀に、備え付けの道具を使って、教室の窓から脱出する大掛かりなものもあります。これでしたら、ぶっつけ本番で上手くやれるような代物ではないので、訓練が必要なのは解ります。
しかしただ移動するだけの単調な避難訓練に意味があるとは思えず、意識過剰にも思え、だるいイベントでしかなかったのです。
大勢の前で話して、ガクブルになってしまった経験
ある100人規模のセミナーに、参加した時のことです。順番が回ってきて、自分の意見を発表しなければなりません。僕はあまりのプレッシャーに、顔面蒼白、ガタガタと震え始めてしまいました。
いざ順番が回ってきて、そこにいる全員の意識が自分に集まります。完全に舞い上がり、意識が半分以上、飛んでしまいます。何とか発表を終えて座った後も、しばらくガクブル状態が止まりませんでした。
しかし、それが免疫になりました。以降は自分自身も、大勢を前に講演やセミナーを行う立場になったわけですが、明らかにその時の経験が活きました。
僕は既に、大勢の意識と視線が集中した時、自分がどうなるかを知っています。知っているなら、心の準備ができます。緊張しないわけではないですが、緊張している状態を知っているので、緊張している自分にパニックにならない、といった感じです。……上手く、伝わるでしょうか?
言い方を変えれば、緊張はするのですが、緊張している状態には慣れます。結果としては、大勢の人を前にしても、平常心をキープしながら話せるようになりました。
既視感は、心を落ち着かせる
初めてのテレビ生出演で、キッザニアの経験が役に立った
有り難いことに、テレビ局のスタジオで生出演の機会も頂けました。北海道テレビ「イチオシ!!」、2018年6月20日の放送です。
→ https://www.htb.co.jp/ichi/oadigest/201806/20/
テレビ出演の経験は何度かありましたが、それまでは録画か、電話生出演という形でした。録画では、間違っても撮り直しができます。何でしたら、普通の講演やセミナーの方がプレッシャーがかかります。
しかしテレビの生出演となれば、失敗は許されません。もしも緊張のあまりパニックになってしまったら、取り返しがつきません。こう考えると、やはり録画撮影とは違うプレッシャーを感じました。
僕は本番直前、よせば良いのに、何人くらいが視聴するのかをスタッフの方に尋ねました。すると、数十万人という単位の数字が返ってきます。ここで、一気に固まりました。さすがに生で、数十万人を相手に話した経験はありません。テレビカメラの向こうにその人数を意識すると、ちょっと舞い上がってしまいそうな予感があります。
そこで僕は不意に、スタジオの光景からキッザニアを思い出しました。キッザニアとは、子供が様々なお仕事を楽しく体験できる学びのアミューズメント施設です。その中に、テレビ番組を作るお仕事もあって、その時に見た光景に似ています。
お仕事体験をしたのは僕の子供で、僕自身ではありません。しかしお仕事をしている光景は僕も見ており、本物のスタジオには既視感がありました。既視感がある分、自分の心が落ち着いています。
ここで僕は、ある工夫を試みます。カメラの向こうにいる何十万人を意識するのは無理なので、いないことにしよう。「ここはキッザニアで、僕は今から、テレビに生出演するお仕事を体験するんだ!」ということにしました。キッザニアのお仕事体験では、もちろん収録した番組は流されません。DVDにしたものを、各自がもらえるだけです。
すると、どうでしょう? さほど緊張もせず、ノビノビと楽しく収録を終えられました。最後、お笑い芸人の方に打ち合わせにないボケを振られて、「え、そうなの? 聞いていないんだけど?」という感じで反応に窮したという失態は演じたものの、自分としては満足のいく出来でした。
結論、既視感は大切
人は慣れ親しむ段階に応じて、意識を置かなくなります。この習性は、心を落ち着かせるのに利用できます。
災害は、ただでさえ大きく動揺させられる緊急事態です。そこで集団で避難するという行動に、せめて既視感があるなら、まだ落ち着けます。既視感のあるものに意識を向けることで、心を安定させられるからです。
自分の家が落ち着くのは、知っているものに囲まれているからです。しつこいくらいの避難訓練も、大いに意味があります。避難訓練だけではなく、この習性を利用すれば、平常心が必要な他の場面で、大いに利用できそうですね。
まとめ
人には、慣れ親しんだものには、意識を置かなくなる習性がある。この習性を利用して、事前に訓練やイメージトレーニングを繰り返すことで、本番での平常心を保ちやすくなる。
しつこいくらいの避難訓練には、そのしつこさ自体に価値がある。
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