「軽やかに♪ 心click」管理人、小池義孝です。日本テレビアナウンサーの弘竜太郎さんは、「ピンチはチャンス」を座右の銘にしているそうです。これがバラエティ番組で、浅いといじられ、笑い者にされていました。
確かに、よく聞く一期一会などに比べると軽い気がしますし、言い尽くされている感もあります。では「浅い」とバカにしたものかと言うと、それは違います。
座右の銘とは何か? 座右の銘の適切な持ち方について、お伝えします。
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座右の銘で「ピンチはチャンス」は、浅いのか?
「ピンチはチャンス」は浅いのか?
座右の銘というと、その荘厳な字面と響きで、高尚さを強くイメージさせます。ですから、ちょっと難しい表現で硬い内容の方がより馴染みます。
・一期一会
・臥薪嘗胆
・初心忘るべからず
・為せば成る為さねば成らぬ何事も
といった辺りですね。座右の銘として語られているのを、どこかで見聞きした記憶があると思います。
こう考えると、「ピンチはチャンス」は表現がPOPで易しく、格調が低いように思えます。内容も、ありきたりと言うなら、その通りです。しかし座右の銘に、誰も気付かないような真理を持ってくることなど普通はなく、「ピンチはチャンス」が際立って浅い内容とは思えません。
例えば、「日々是精進」(ひびこれしょうじん)と言ったなら、おそらくどこでも立派な座右の銘として通用するでしょう。けれども意味は「毎日、頑張る」ですから、大切なことではあっても、深くはありません。むしろ「ピンチはチャンス」の方が、やや深いくらいです。
つまり「ピンチはチャンス」が浅いと馬鹿にされたのは、内容ではなく、表現の軽さ故です。似たような意味で「死中に活を求める」なら、周囲の反応はまったく違ったはずです。
ピンチはチャンスを座右に置く意味
座右の銘の「銘」は、金属や石などに刻まれた文字を意味します。そこから派生して、心に強く深く刻み込む言葉を表しています。右側なのは、右利きの人が多いからで、すぐにパッと取れるようにでしょう。
つまり座右の銘とは、心に深く刻まれた大切な言葉で、頻繁に取り上げて、考えや言動に反映させるものです。かつ、意識しなければ忘れてしまう、疎かになってしまうラインである必要があります。
何もしなくても初心を忘れない人が、「初心忘るべからず」を座右の銘にしても意味がありません。惰性に流されて意識が低くなる人が持つからこそ、意味があります。
「ピンチはチャンス」も同様です。もともとピンチに動揺せず、最善手を打てる人には無用の言葉です。ピンチで心が折れたり、パニックになったりする人にとって、大きな意味があります。
ありきたりと馬鹿にされた言葉ではありますが、実際に出来るかどうかは別の話です。程度にも拠りますが、ピンチになれば、誰だって動揺します。そこで「ピンチはチャンス」を座右の銘にしていれば、いち早く冷静さを取り戻し、解決策や災い転じて福となすルートを模索できます。転じて福にできたなら、大儲けです。
自分に合った、座右の銘がある
座右の銘の、正しい持ち方
ここまで読まれてきたなら、座右の銘について、明確に整理されていると思います。目標とすべき自分、ありたい自分の像が前提としてあります。人格者でありたいのか、美学に生きたいのか、成功したいのか、安心や安全を求めるのか、それぞれ性格や経験によって方向性が変わります。
その上で、当たり前に意識し続けるのが難しい、重大な要素を満たす言葉でなければなりません。また意外な盲点として、表現の仕方も重要です。「ピンチはチャンス」と「死中に活を求める」は、ほぼ同じ意味ですが、心の反応に違いが出ます。自分を鼓舞してテンションを上げたいなら、ピンチはチャンス! の方が相応しいでしょう。弘竜太郎さんの、もう一つの座右の銘はパッションだそうですから、ピッタリです。
心構えとしての有益さが本質ですが、格調高い、カッコイイというのも、人によっては重要になります。座右の銘には、自己満足のファッションとしての役割もあります。「毎日、頑張る」よりも、「日々是精進」の方が上等な人間に思えるし、カッコイイです。他人に伝えた時の反応も、それで違ってきます。ピンチはチャンスで馬鹿にされたのを見れば、解りますよね。やはり格調高い方が、人としても高いランクに評価されます。
ただこれは、あくまでも個人的な感覚であって、失礼なことを言ってしまうのは重々に承知しているのですが、「一期一会」には思うところがあります。座右の銘で一期一会と聞くと、僕はまず、「ファッションだけで、中身がないのでは?」と思ってしまいます。これを座右の銘にする人は多いのですが、まだ一度も、「さすがに一期一会を座右の銘にしているだけあって、一つ一つの出会い、機会をないがしろにせず、大切にしているんだな」と思わされた経験がないからです。
ごめんなさい、これは今までの印象で話をしているので、本当に一期一会を大切にして生きている方はいると思います。
まとめ
座右の銘は、意識していなければ忘れてしまう、重要な言葉を置くものです。その意味で「ピンチはチャンス」は、馬鹿にされる謂れのない立派なものです。
一期一会と言われると、僕はつい、ファッションだけで言ってない? と疑ってしまいます。
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