「軽やかに♪ 心click」管理人、小池義孝です。直観は、人生において強力な武器になります。よく「直観は絶対に正しい」と言いますが、これにはきちんと理由があります。
今回は直感とは何かを知り、それを使いこなす基本的な考え方をご紹介します。よろしくお願いします。
直観とは何か?
理屈ぬきに、瞬間的に本質を見抜く能力
直観を辞書で引くと、「推理によらず、直接的・瞬間的に、物事の本質をとらえること」とあります。本質とは、その物事のもっとも重要な要素、あるいはその物事を構成する中核となる要素です。
ですからよく「議論が本質から逸れる」といった表現がありますが、これはもっとも重要な要素から離れて、どうでもいい枝葉の部分で議論がされている様子を指します。例えばある小学生の不登校が問題になっている時、本質はその子のより良い成長です。このより良い成長に焦点が当たらず、とにかく学校に来させたいという意識であれば、本質から逸れていると評価できます。
こうした本質からの脱線を目の前にして、思考の時間を必要とせず、「おかしい」とパッと閃くように気付ける。直観とは例えば、こういうものです。
ウサギとカメの寓話、直観的に教訓を拒否したエピソード
ウサギとカメの寓話は、ご存知ですよね? ウサギが油断して寝ている間に、マイペースのカメが追い抜いて勝ってしまうという話です。僕も子供の頃、何度も聞かされてきました。「カメのように地道に頑張れば、必ず報われる」という教訓を伝えるためです。
小学生の低学年だったと思いますが、僕は心の中でその教訓を拒否しました。考えるより先に、心が「これは違う、受け入れてはダメだ」と反応したからです。少し考えたら、理由が解りました。カメの勝利は、ウサギの油断という運に助けられたものです。見習うには、あまりに再現性が低すぎます。カメにとって正解は、自分が苦手な分野で戦わないことです。むしろ教訓とするなら、ウサギの失敗です。どんな相手でも油断してはいけないという教訓なら、実際に役に立ちます。
直観とはこんな風に、まず結論から閃きます。理由は、後から考えて出てくるものです。場合によっては、いくら考えても理由にたどり着けない時もあります。
直観は不意打ち
懸命に考えている時には、直観は働きません。どこかボーっとしている時に、パッと閃くものです。直観は、不意打ちなのです。
顕在意識、潜在意識、という言葉があります。自覚している領域を顕在意識、自覚できない領域を潜在意識と分類しています。思考は顕在意識で行うもので、直観は潜在意識の産物です。
両者は便宜上、分けて呼ばれているだけで、まったく別々の存在という訳ではありません。ここから先は潜在意識という明確な境界線もありません。広く大きく人間の意識があって、グラデーションのように解らなくなっていくのが潜在意識です。
この2つはシーソーのような関係で、片方が頑張れば頑張るほど、もう片方は動けなくなります。直観は潜在意識の領分ですから、思考して顕在意識が優位にあっては働きません。ボーっとしてあまり考えていない時に働いて、その結論だけを顕在意識が何となく受け取るのです。
潜在意識は思考する
直観は、間違いなく思考による結果です。ウサギとカメの寓話の例では、少し考えてその理由が解りました。潜在意識はその思考を、超高速で行っています。顕在意識は何となく結論を受け取るだけなので、まるで根拠も理由もないように見えるという訳です。
しかも潜在意識による思考は、莫大な情報をもって行われます。あらゆる必要な要素から合理的な結論を導き出せるので、「直観は正しい」と言われるのです。
直観の使いこなし方
直観は、潜在意識からのメッセージです。顕在意識はそれを、何となく漠然とした感覚で受け取ります。
たくさんの事を勉強しておく
潜在意識は、他者と情報を共有しています。ですから人生経験の中で未知の情報までもが、直観の根拠になります。何とも怪しげな話のようですが、そういうものとして受け取っておいてください。
それでは何故、勉強が必要なのでしょうか? 共有された情報を元にして直観が発動するなら、個人の勉強は無意味に思えます。
いくら潜在意識だ、直観だ、と言っても、それを最終的に判断するのは顕在意識です。例えば直観が、「自尊心を傷つけられる」と発したとします。今は便宜上、「自尊心を傷つけられる」と表現しましたが、潜在意識は思考に言語を使いません。感覚的に受け取ったものを、言語化して整理するのは顕在意識の役割です。
ここで自尊心という概念と何となく付き合ってきた人と、自尊心を掘り下げて探求した経験のある人とでは、使いこなし方がまったく違ってきます。自尊心には、重要な人物として扱われたい、正しくありたい、美学を通したい、の3種類があります。今回の問題が、その内の「正しくありたい」に触れると確定できれば、正しさを立てる方向性での選択肢を検討できます。
このように顕在意識に知識があれば、直観のメッセージを正しく分析できます。何となくぼんやりとした認識で止まってしまうと、相応しくない、間違っているとは思いつつ、具体的な方法を考えるには至りません。
挙げると際限がないので、例は自尊心の一つに留めておきます。じゃあどこでどんな勉強をすれば良いの? という疑問が生じるところですが、たくさんの本を読み、たくさんの話を聞き、たくさんの思考を行ってください。この「心クリック」も良い学び場になります。是非、通ってください。
一通り考えたら、ボーっとしてみる
考えながら、直観は出てきません。何かを課題にして一通り考えたなら、意識をボーっとさせて、全体をぼんやりと眺めるようにしてください。ここで意図せずに、不意に浮かんできたものが直観です。
直観の感覚を記憶しておき、今度は思考をフル回転させて正体を掴みに行きます。例えば直観では、「重要な何かを見落としている」だとします。そこで見落としている物はないかと、考えられ得るあらゆる角度から見逃しを探します。
しかし直観のメッセージは、すぐに答えが見つかるものばかりではありません。直観が「GOサイン」を出したとして、その根拠までは解らないケースなどは多々あります。「やめておけ」でも「違和感」でも、そうです。そんな時には、とりあえず直観に従って決断します。
ただ強い期待やプレッシャーの中、無理にボーっとしたのではアテになりません。直観ではなく、ただ単に欲求や怖れが出てきただけというケースも多々としてあります。強引に意識的に直観を使おうとせず、放っておきましょう。気を抜いた時に何の前触れもなく、突然の不意打ちで何かが来たなら、そちらは信頼できる直観です。
まとめ
直観を使いこなすコツは、「何となく」です。強く意識して使おうとせずに、根拠もなく不意打ちしてきたメッセージに気を付けていてください。人生にとって重大なことで、チャンスやピンチがあるなら、潜在意識も放ってはおきません。
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