「軽やかに♪ 心click」管理人、小池義孝です。心の毒という概念は、とても重要です。これを知っているかいないかで、精神、心への理解度に大きな差がつきます。
精神、心の問題の多くには、根底に心の毒があります。人の精神には、心の毒を処理して減らす機能が備わっています。けれどもその機能を具体的に知って、意図的に活用するなら、断然、メンタルコントロールが楽になります。
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精神的苦痛(心の毒)は、どのように発生するのか?
精神的苦痛(心の毒)とは何か?
まず精神的苦痛とは何か? の定義です。極めて簡単に言えば、「嫌だ」と思ったら精神的な苦痛です。勿論、そこには程度があります。外出時に小雨が降っていて、気が滅入る。親友に裏切られ、多額の借金を背負わされる。精神的苦痛というカテゴリーでは同じでも、両者ではその大きさに雲泥の差がありますよね。
こうした大小の違いもあれば、欲求不満、大切な存在の喪失、自尊心を傷つけられる、など発生原因もその時々です。また絶望、怒り、嫉妬、悲しみ、不安、恐怖など、付随する感情も異なります。
ただ根っこで共通するのは、「嫌だ」という感覚です。ですから精神的苦痛とは何か? の回答としては、「嫌だと思う」が挙げられます。
発生のプロセス
どんな人でも、期待の精神活動があります。例えば、今のあなたでしたら、この記事に新しい為になる発見、を期待しているかと思います。心の毒については今まで多くを語ってきているので、自分の認識が正しいかどうかの確認という人もいるかもしれません。
新しい発見を求めている人であれば、読み進めていった結果、全てが既知であった。あるいはお話にならない馬鹿げた内容であった。となれば、がっかりするでしょう。このがっかりが、精神的苦痛です。
このように僕たちは、行動を起こす時には、必ず何かしらの期待を持ちます。期待が満たされなかった時に、逆に喜ぶ人はいません。(逆説的にポジティブに捉える人は、発想を転換させているだけで、嫌だという思いが先にあります)
また、受け身での期待もあります。例えば普通に暮らしていく中で、身の安全を誰もが期待していると思います。そこに空き巣や強盗、放火などの犯罪、地震や台風などの災害があって被害を受けたなら、期待を破られる形になって苦痛が生じます。
・結婚相手に誠実さを期待していたら、愛人が発覚した。
・自身の健康を期待していたら、思わぬ難病が発覚した。
・安全な暮らしを期待していたら、通り魔に襲われてケガをした。
・冷蔵庫を開けたら、楽しみにしていたプリンがなかった。
・スーパーに半額のお寿司を買いに行ったら、既に売り切れていた。
こうした期待の精神活動に対して、出来事がぶつかってクラッシュした時に、精神的苦痛は生み出されます。
精神的苦痛(心の毒)は、物質である
気という概念があります。気とは、精神活動を表現する言葉です。気が付く、気が滅入る、気が向く、気にかける、強気、弱気、陽気、陰気、などですね。
この気は、気功の世界では物質として捉えられます。よくエネルギーという表現をしますが、これは「気は物質である」と言っているのと同じです。物質ですから、そこには大きさ、量という概念があります。つまり増えて蓄積したり、減ったりするものです。
精神的苦痛も、その一種です。これは物質として生み出され、増減します。だから僕はこれを、心の毒と呼んでいます。以降は精神的苦痛を、全て心の毒と表記します。
心の毒によって、精神は段階毎に追い込まれる
心の毒には、それぞれの強さと量があります。重大な出来事によって強く大きな心の毒を生み出し、精神的に深く追い込まれるのは想像しやすいかと思います。一つ一つは軽微な出来事での心の毒でも、蓄積されて総量が増えれば、それはそれで精神を追い込む存在になります。
今、自分が抱えている心の毒の強さと大きさによって、人の精神は段階毎に追い込まれます。
「幸福感とモチベーションに満ち溢れている」状態を最高として、そこから「おだやかな幸福とモチベーション」→「退屈」→「イライラ」→「怒り」→「不安」→「恐怖」→「悲嘆」→「無気力、無感動」という段階を踏みます。
心の毒を処理し、減らすには
心の毒を処理して減らす、2つの機能
もしも心の毒が発生した時点の姿で残り続けるなら、人は人生のどこかの時点で壊されてしまいます。心の毒は、精神の機能によって処理され、減らされます。発生と処理とのバランスが取れているなら、人は正気を保てます。仮に突発的に強大な心の毒によって極端に追い込まれたとしても、処理能力が機能して減らしていけるのなら、自身で状態を改善できます。
心の毒は物質だと言いましたが、これを減らす手段には、大きく分けて二つの方向性があります。外に排出するか、形を変えて無毒化するか、です。
排出については、常に行っています。よく気功の世界では気の巡りが良い/悪いと言いますが、気の巡りが良ければ毒の排出も促進されます。ただ多くの人にとって、内気功のようなトレーニングはハードルが高いと感じられるでしょう。けれども全身の筋肉を柔らかくほぐす、ぬるま湯で30分以上の半身浴をする、足湯をする、といった手段でも循環を活性化できます。形を変えるについては、怒り、悲しみ、美しいと感じる、感謝などで行われます。感情と感受性を豊かにすれば、そうした自然な精神活動の中に処理も多分に含まれます。
だから小さな子供は皆、心の毒を処理する達人です。何か嫌なことがあってこの世の終わりのように嘆き悲しみ、怒り、数十分後にはこの世の春を謳歌するように笑っていますよね。
発生 > 処理 の状況を逆転させる
もしも心の毒が、「発生 > 処理」の状況にあるなら、この関係を逆転させます。考えられる方向性は、以下の何れかです。
・発生を減らす
・処理を増やす
発生を減らすには、期待の持ち方を調整するか、衝突する出来事を無くすか、です。処理を増やすには、気の巡りを良くする、怒りや悲しみを解放する、などがあります。
心の毒を自力で処理するメソッドとしては、著書もございます。著書を紹介した動画でもやり方を紹介していますので、ご覧になってみてください。
まとめ
精神的な苦痛(心の毒)は、物質です。物質ですから、増えたり減ったりします。ほとんどの心の問題には、心の毒が根本にあります。
人の精神には、心の毒を処理して減らす機能が備わっています。追い込まれた心を健全にするには、この機能を活用して心の毒を減らします。同時に、新たな心の毒を生み出さないよう、期待の持ち方、置かれている環境を変えることも重要です。
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