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他人への影響力がないのは、人を尊重していないせい。

投稿日:2019年7月21日 更新日:

「軽やかに♪ 心click」管理人、小池義孝です。人は知らない間に、人にランク付けをしています。損得勘定で、態度を分けます。そのような基本姿勢が、その人の社会的なポジションを悪くしている現実には、なかなか気付けません。

 人を尊重する人は、自分も尊重される。……という当たり前の話をします。

 

人を尊重して大切にしない人は、影響力を持てない

まずはセンターピンを見つけよう

 よくビジネス系の話で、「センターピン」という表現を見かけます。

 これはボーリングに比喩していると思うのですが、つまりストライクを狙うには、センターピンだけを狙えば良いという話です。

 投げたボールがセンターピンに上手くヒットすれば、他のピンは自動的に倒れますよね。そういった、ここぞという重要ポイントです。何事も大きな成果を効率的に出すには、センターピンの見極めが重要になります。

では他人に影響を与えるセンターピンは何か?

 他人に影響を与える法則は数ありますが、その中でもっとも重要なものは何でしょうか? その一つは、「自尊心」だと考えます。

 人は誰もが、自分を重要な人間だと思いたいものです。ですから自尊心を傷つける方向性では、その人は決して動いてくれませんよね。

・自尊心を傷つけない
・自尊心を満足させる

 この2点を、重視してください。仮に自己評価が低くても、それは自尊心が傷ついてイジケているだけの話です。自尊心がないのではなく、むしろ自尊心を満たすことに飢えている状態です。

立場の違いと、価値観の違い

 上司と部下、先輩と後輩、店員と客、親と子、社会的ステータスの差、学歴の差、収入や資産の差、など、社会には多くの上下関係があります。上の者が自尊心を満たすために下の者を見下すと、下にいる者はその意識を敏感に察知します。社会的な振る舞いとして、上の者を立てはするでしょうが、決して尊敬の念からなどではありません。処世術で演じているだけの話で、内心は、相手を好ましく思っていません。

 価値観の違いは、他人を否定したくなる動機になります。価値観の優劣を自分で判断すれば、自分が勝っていて当たり前です。その基準で他人の異なる価値観を見れば、必ず劣ったものになるのが道理です。我と攻撃性の強い人は、度々、自分に反する意見や価値観を見下し、馬鹿にします。

 立場の上下関係を笠に着て、嬉々として馬鹿にして喜ぶ人、珍しくないですよね?

議論で勝つことは無意味

 価値観は、その人の人格そのものです。感情が強くなるほど、熱くなるほど、論理的整合性は取り難くなっていきます。こうした相手と言い争いになった時、言い勝つことは難しくありません。しかし議論に勝って自分の正しさを証明できても、大抵、何の利益も自分には残りません。打ち負かして気分は良いでしょうが、それだけです。悪くすれば、その相手は自分の敵になります。相手は、自身の人格を否定されたと感じており、自尊心を傷つけられています。

 それで合理的に動いてくれる人は、感情よりも理を選択できる、理性を大切にするという、世にも珍しい高潔な人物です。議論で打ち負かした相手がこのタイプであることを期待するのは、いささか無謀です。

犯罪者だって自分が正しいと思っている

 犯罪者であっても、自分は正しいと信じているものです。他人から見てどんな身勝手な犯罪行為であっても、本人からすれば、仕方ない正当な理由があるのです。

 裁判で反省をしている弁を述べようとも、本心ではどこかで自己正当化が行われています。人は完全に、自分を間違っているとは判断できません。これは犯罪ではない、あらゆる正義、倫理、道徳に反するもので同様です。人の自尊心は、自分を完全な悪には出来ません。言うまでもなく、これは誤魔化しです。

 

 

 

 

理を認めてあげれば、相手も譲ってくれる

 どんな無茶苦茶な暴論でも、そこには「理」というものがあります。全体ではお話にならなくても、一部分だけであれば、どこかには正しさが存在しているものです。

 無断欠席の理由が「朝、眠くて起きたくなかった」という身勝手なものであろうと、そこには理があります。眠いのに起きるのは、辛いものです。その辛さを回避したかったというのは、それだけを取り出せば理にかなっています。人は誰でも、不快なものが嫌いです。

 それを一方的に責め立てても、相手は意固地になるだけです。そこで「起きたくない」という相手の理を認めてあげることで、相手もこちらの理を考えてくれる余裕が出てくるかもしれません。

 まあ、どんな相手でも付き合わなければいけない道理もありませんから、普通だったら、こうした性質の人間は愛想を尽かされますけれどね。大抵の価値観や意見の違いを埋めるのは、この朝寝坊の身勝手な人に比べれば、まだ楽なはずです。

自分が自尊心を傷つけられた時

 しかし争いを避けて、他人の自尊心を傷つけずに解決するというのは、実際には難しい場面もあります。争いが起こったなら、どちらかの自尊心が傷つけられているケースが多いからです。

 自分が自尊心を傷つけられると、お返しに、相手の自尊心を傷つけたくなります。ですから平和な解決を望むなら、自尊心を攻撃し合うという不毛な戦いを、まずは自分でストップしてしまうことです。誰かが止めなければ、負の応酬と連鎖は止まりません。

 TwitterやfacebookなどのSNSであれば、幸いにもブロックという機能があります。僕は他人を見下し、あげつらうように絡んでくる相手に対しては、「そのような態度では、お相手できません。改善しなければ、ブロックします」と事前に警告するようにしています。それで態度が改善された例はなく、100%、ブロックするに至っています。

他人をどうでも良い人として扱わない

 どうでも良い人として扱われると、その人の自尊心は傷つきます。攻撃せずとも、軽く扱われるだけで、人は傷つくものです。

 相手を親や親友のように重要な人物だと想定して行動をするようにすると、相手も自分をそのように思ってくれるようになります。なぜか? そのように自分を尊重してくれる人は、貴重で重要な存在だからです。

打算で動いてはいけない

 他人への影響力というテーマと矛盾するように思われるかもしれませんが、尊重をその打算で行ってはいけません。

 損得勘定もなく、相手の地位やステータスも関係なく、ただその人を尊重する姿勢は、お互いにとても気分が良いものです。

 影響力云々は、あくまでもその結果の一つに過ぎません。ですから最初は影響力など考えずに、尊重する気分の良さを体感してみてください。その先に、新しい人間関係、隠されていた他人の新たな一面が、見えるようになります。

 

 

 

まとめ

 他人を尊重するのは、意外に難しいものです。自尊心に問題がある人は、他人を見下してバランスを取ろうとします。知らない内に人にランクを付けて、その順位で態度を変える習慣がついてしまってもいます。

 立場の上下、価値観の違いは、イコールで存在の優劣を意味しません。他人を見下したい欲求を満たす、口実に過ぎないものです。

 今回の記事の本質は、お互いにもっと大切にし合って、より良い人間関係を構築しましょう! というメッセージです。

 

 

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