「軽やかに♪ 心click」管理人、小池義孝です。あなたはご自分を、現実主義者だと思いますか? それとも、理想主義者だと思いますか? 現実主義は堅実な選択をしますが、理想主義のような、思い切った行動の先にある大きな成果は得られません。
大きな失敗をしない代わりに、大きな成功を得られないのが現実主義者です。今回の記事は、現実主義者の立場から、理想主義の良いところ取りをする考え方をお伝えします。よろしくお願いします。
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現実主義者、理想主義者の違い
現実主義、理想主義、優れているのはどちら?
現実主義、理想主義、辞書にはそれぞれ、このように定義されています。(デジタル大辞泉)
『現実主義』
現実を最重視する態度。理想を追うことなく、現実の事態に即して事を処理しようとする立場。リアリズム。
『理想主義』
理想を立て、実現しようとする立場。空想的、観念的な性格をもつが、現実を改革する重要な基盤ともなる。アイデアリズム。
現実主義者は理想を追わず、十分に実現できる範囲内で物事を考え、行動します。一方の理想主義者は、実現できる可能性が低くても、高い志や目標をもって考え、行動します。
どちらが優れているのかで言えば、ほとんどのケースで現実主義者です。その難易度の差から、目標を達成する確率が各段に高くなります。しかし大きな目標設定をしないので、無難な結果に留まります。理想主義者は、その逆です。
野球に喩えるなら、ホームランは打たないけれど、ヒットを量産する巧打者が現実主義者。三振ばかりだけれど、ごく稀に特大ホームランをかっ飛ばすのが理想主義者。といったイメージです。
というわけで、安定して結果を出せるのは現実主義者ですが、どでかい花火を打ち上げるのは理想主義者です。一発の魅力という部分では、現実主義者は、理想主義者に劣ります。
右派と左派で、話が噛み合わない
政治的な思想で、右派と左派があります。右派の多くは現実主義で、左派の多くは理想主義です。ですから右派は無難に自民党を支持し、左派は素晴らしい社会になると期待して、野党を支持します。
その心理的な傾向の違いを、もっとも顕著に表しているのは、左派にある非武装中立論者の存在です。彼らは戦争が起こる原因を、軍事力そのものに求めます。軍事力があるから周辺国が脅えて警戒して、それを叩き潰そうとする。だから戦争が起こるという理屈です。
確かに、一理はある考え方です。軍事力に強弱があって、弱い側が野心をもって軍備増強をしたなら、強い側は「まだ楽に勝てるうちに、叩いておこう」と思うでしょう。あるいは同等の相手が軍備強化に努めたなら、「まだ可能性があるうちに、戦わなければならない」と思うのも普通です。
しかし戦争が起こる理由は、その一点ではありません。資源、権利などの利益を得る目的で、軍事力が持ち出されます。右派は軍事力による牽制がなければ、平和を保つのは難しいと考えています。
非武装中立論者は、相手が理性と良心の存在であることを前提にしています。平和外交で友好関係を結べば、大丈夫。非武装の平和国家を侵略したなら、国際的な評判が悪くなるから大丈夫。といった理屈を展開させます。
この場合、非武装中立論者の左派は、理想主義というよりも、夢想家です。真の理想主義は、そういった困難は認めつつも、諦めずに非武装中立を目指すべきだと考えています。
現実主義者にとって、理想とは?
現実主義者、理想主義者といっても、その背景となるメンタリティには違いがあります。悲観的か楽観的か、堅実的か挑戦的か、といった他に、潔癖さの度合い、排他性の強弱、なども影響します。
堅実ではなく、悲観的な要素で現実主義になっているなら、多くの可能性に対して不当に「実現不可能」の烙印を押して、思考の枠から遠ざけます。これは厳密には、現実主義ではありません。
現実主義とは、自分の能力や可能性、環境、状況、未来に起こり得ることなどに、正確な判定を下す姿勢に根差すものです。不当にそれらを低く見積もれば、現実から遠ざかり、悲観主義となります。
ですから真の現実主義者にとって、理想とは、「利益はとてつもなく大きいが、極めて可能性の低いもの」となります。可能性が低いから、目標にしないという堅実さです。
現実主義者が、理想主義の良いところを取り入れるには?
理想を最終ステップにする
現実主義者にとって、理想を追って討ち死にするのは、有り得ない選択です。しかし持っていて討ち死にしないなら、逆に理想を持ってはいけない理由がありません。損もせず、リスクもないなら、且つ、わずかでも可能性があるなら、理想は持つべきものに変わります。なぜなら、現実主義者だからです。
ですから、一か八かの博打のような理想は、現実主義者には縁がありません。アメリカに単独で乗り込み、路上ライブやインディーズ活動でのし上がる! といった発想は、もはや狂人のようにしか思えません。
しかし音楽が好きで、それを動画配信していくスタイルなら、どうでしょうか? 何も起こらなくても、好きな音楽活動を楽しめる。そして極めて低い可能性ではあるものの、誰かの目に留まって、スターダムにのし上がれるかもしれない。こういう意識であれば、討ち死にはしません。
起業して、全国にお店を出店して、海外展開をする。やがては丸亀うどんや、ユニクロのような存在になる。という、理想を描いたとします。銀行や商工ローンなどから融資を受け、慎重にリサーチをして店舗を出すといったノーマルなやり方。ネット通販でブランド展開をして、人気が出たタイミングでリアル店舗を検討する。という、より堅実な方法もあります。
丸亀うどんやユニクロのようになるのは、普通に考えれば、無理です。無理と言い切ってしまって構わないくらい、遠くゼロに等しい可能性です。しかし今月は10万円売れたから、来月は15万円を目指そうというなら、どうでしょうか? 1店舗目が東京で成功して、二店舗目を地方都市に出店しようというなら、どうでしょうか? 頑張れば普通に実現できる、現実的な目標です。
このようにして、一歩一歩のステップを踏んでいった先に、全国のチェーン展開から、海外でも有名な存在になる道があります。仮に道半ばで止まってしまったとしても、国内3店舗を展開している、ネット通販だけで普通のサラリーマン以上に稼いでいる、となれば、それはそれで成功です。
理想を果たせず、道半ばで夢が途絶えたとしても、そこはそこで小さな成功を得ている。このような設計であれば、現実主義者は、現実主義者なりに理想を追えます。
まとめ
現実主義者は、理想を追わない以前に、理想そのものに興味がありません。ですから高確率で実現できる範囲でしか、物事を考えません。可能性が低いと承知の上で、そもそも可能性など考えずにいる理想主義者とは、真逆の存在です。
ただ現実主義者は、理想が嫌いという訳ではありません。そこに何の損もリスクもないなら、話が違います。理想を最終的な大目標にして、どの段階で挫折しても、その時点での成功を得られる設計であるなら、理想を持ち得ます。
堅実さの延長線上にあるなら、理想はバカげた夢物語ではありません。閉ざされたかもしれない可能性を、開くものです。
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