「軽やかに♪ 心click」管理人、小池義孝です。結果論は、最強です。答えが解ってから、それだけを根拠に物を言えば良いので、間違えようがありません。それと解っているため、通常、あからさまな結果論の影響力は薄くなっています。
しかし日常には、強い影響力をもつ結果論もあります。結果論に過ぎないと解り難く、思わず納得させられてしまいます。
今回の記事では、日常に潜む、怖い結果論についてお伝えします。
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結果論の危険性
結果論は、後出しジャンケン
物事の結果だけを見て、原因や背景などを考慮しない見解や意見を、結果論と言います。要は、後出しジャンケンのようなものです。
例えば、新しい靴を買って、合わなくて靴擦れを起こしてしまったとします。そこで「いつもの靴にしておけば、良かったんだよ!」と言えば、結果論です。ただ、結果だけを根拠にして、物を言っているからです。
これが、「靴は慎重に、ちゃんとしたシューフィッターに相談して選んだ方が良いよ」だったら、結果論ではありません。靴選びに失敗した原因を指摘しているからです。
ただ「いつもの靴にしておけば、良かったんだよ!」も、理由と言えば理由です。いつも買っているメーカー、製品を選ばなかったからというのも、因果関係としては成立します。
しかしそれは、新しい靴を選ぶという範囲内での理由ではありません。結果論による批判、否定は、「正解を選ばなかったから」を根拠にします。この要素が大きければ大きいほど、結果論としての要素が濃くなります。
結果が出てみれば、可能性は一つに絞られます。当初は確定できなかった理由を持ち出して、ああだこうだと、さも最初から結果が解っていたかのように言うのも、やはり結果論の仲間です。
結果論に終始すれば、愚かでしかない
結果論は、基本的には愚かなものです。結果が解った後に、「Aが正解だったから、正解はAだ。BとCは間違いだったから、BとCは間違いだ」という意見には、何の意味もありません。
正解が出てしまえば、何が理由でなってそうなったのか、見えてくるものもあります。それを持ち出して論を組み立てれば、正しいに決まっています。
今後のための検証を目的にするなら良いですが、ただ悪い結果を責めるだけ、自身の正しさを誇示するだけなら、意味がありません。
確率の低い結果論ほど、インパクトがある
個々の事例に関しては、結果論は最強です。無謀で低い確率のもので当たりを引いたとしても、そこではその結果が全てです。
面白い話、インパクトのある話は、得てして結果論になりがちです。高確率で起こる当たり前の話に、魅力はありません。
例えば、英語もろくに話せず、大して調べも考えもせず、単身でアメリカに渡った若者がいたとします。行動力と幸運で、大成功をして夢を実現した! なんていうストーリーは、いかにも魅力的です。
じゃあ、この話がそのまま役立つのかと言えば、とんでもありません。何も行動しないよりはマシかもしれませんが、ある程度の英語力を身に着け、下調べをして行動した方が、成功する確率は高いに決まっています。
しかしそれでは、比べたら面白くない。低確率である程、有り得ないようなものだからこそ、インパクトがあります。
この話を紹介しながら、したり顔で「何でも行動する、飛び込んでみることが重要です。とにかく、考えるよりも先に動くのが、成功する秘訣です」なんて教訓にしていたら、完全にアホです。
必要な準備をしっかりとして行動に移す人と、考えなしで行動に移す人とで、どちらが成功する可能性が高いのか? 統計データはないでしょうが、少し考えれば、誰にでも解ります。
結果論からも、学びはある
正しい、結果論との付き合い方
結果論は、後出しジャンケンです。答えを知っているのですから、正しくて当たり前です。結果論を言っているからと、その人が優れている訳ではありません。
また低確率のものは、低確率で起こります。たまたま低確率の当たりを引いた結果論に、意味はありません。極めて再現性に低く、真似て同じように行動したところで、確率どおりの結果になるだけです。
そこで注目すべきは、結果論で述べられた理由は、今後に活かせるか否かです。結果論から、未来の行動の可能性を上げる要素があれば、採用します。
たまたま成功したに過ぎない結果論でも、ストーリーの中には、再現可能なものがあります。たまたまスカウトされて出演したオーディション番組があったなら、それに自分から志願できますよね?
成功した利用できる要素があるなら、それを知っていれば、次は意図的に狙っていけます。偶然に過ぎなかったものが、下調べと準備によって、必然に変えられます。こうすれば、可能性が上がります。
結果論から、再現性の高い要素を見つける。偶然を、必然に変える。再現性の低いものは、真似しない。これが正しい、結果論との付き合い方です。
まとめ
結果論は、あからさまにそれと判別できるなら、影響力はありません。後出しジャンケンでしかない理屈に、価値などないからです。
しかし人を惹き付けるエピソードは、得てして当たり前の真逆、低確率の産物です。このような結果論にはインパクトがあり、つい特別な教訓めいたものを感じてしまいます。
正しい結果論との付き合い方は、「結果論から、再現性の高い要素を見つける。偶然を、必然に変える」に尽きます。
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