「軽やかに♪ 心click」管理人、小池義孝です。物事を決断するのに、優先順位は前提条件です。しかし人には感情があり、その時々で優先順位は入れ替わります。何となく考えなしでいると、一貫性のない支離滅裂な姿になります。
優先順位を、トレードオフという観点から整理をしました。トレードオフとの付き合い方は、人生において重要な要素です。
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地頭を良くするポイント2、「優先順位」をつける。
優先順位をつける
自分の人生にとって、あるいは人類社会にとって、価値あるものとは何でしょうか。またその価値には、どれ程の重要性があるのでしょうか。これを整理すれば、自ずと優先順位という形でランク分けされます。
自分の人生にとって、何が重要で何が重要でないのか。これが定まれば、生き方を選択できます。社会にとってどうかが定まれば、社会の在り方や政治についてのポジションが決まります。
優先順位はそのまま、個人の価値観になります。他人や社会から何となく流されて生きるのではなく、主体的な人生へと繋がります。
トレードオフか否か
しかし多くの人は、優先順位を明確にできません。なぜならそこに、トレードオフが存在するからです。トレードオフとは、何かを優先させるには、何かを犠牲にしなければならない関係性の状態を指します。
人の感覚的な優先順位は、安定していません。目先にあるもの、焦点が当たっているものが大きくなる傾向があります。トレードオフの関係にあるものが、その時々の気分でコロコロと入れ替わります。
あまり深く考えていなければ、Aのために行動したかと思えば、Aを犠牲にしてBのために行動する、かと思えば、AもBも犠牲にしてCのために動き出す。といった支離滅裂な事態にもなりかねません。
ですから、何と何とがトレードオフの関係にあり、何が優先されるのかを整理しておく必要があります。
仕事と家庭、趣味とお金、ダイエットと食欲、夢と堅実な生活、など、人は多くのトレードオフを抱えています。適切なバランスで両者を取れるなら良いですが、場合によっては、何れかをキッパリと捨てなければ得られない価値もあります。
良い人生を送れない人の大半は、その取捨選択を上手くできず、人生にとって重要な価値を取り損ねた結果です。
また社会問題や政治に対しても、この問題は生じます。例えば近年、世界的にLGBTへの意識が高まっています。その中で、トランス女性の権利への議論があります。トランス女性は、女風呂や女子トイレを使えるのか否か、です。中には過激な人もいて、性転換をしているか、服装はどうか、に関係なく内心が女性であれば、女風呂も女子トイレも自由に使えるようにするべき! と主張する極端な例もあります。
しかし内心の性別は、他人からは判断できません。自己申告だけでフリーパスとなれば、痴漢、変質者、性犯罪者を呼び込むリスクがあります。
また性転換をした女子スポーツ選手が、男性の有利な運動能力を有したまま、女子の大会で優勝してしまう実例があります。これは女子選手にとって、極めて不公平な状況です。
こうした関係性は、人権と実害、リスク、新たな不公平などと、トレードオフにあります。
トレードオフの解消を検討
トレードオフであると確認したなら、最初に検討すべきは、トレードオフの解消です。トレードオフになっている両者の価値を、同時に得られる方法を探すのです。
ダイエットと食欲であれば、太らないダイエット用食品を活用すれば、「痩せたい」と「食べたい」を両立できます。夢がミュージシャンだとすれば、youtubeを中心にした音楽活動であれば、堅実な生活も送れます。
トランス女性の女子トイレの使用については、服装やメイクなどの外見の女性らしさを条件にするなら、少なくとも普通に男性が気軽に入れる状況ではありません。トランス女性の権利の一部は制限されるものの、性犯罪を増やす実害をもたらさずに運用が可能です。(しかし現実には、実際にそうなってみないと解りません)
トレードオフがあるなら、その関係性がなくなり、両者の価値を取れるのが最善です。あるいは100:100は無理でも、70:70くらいに収められるなら、それが最善かもしれません。
感情を排除した取捨選択
しかし当然、解消の不可能なトレードオフがあります。これを目の前にした時に、優先順位の低い方を、潔く切れるか否かが課題になります。
どちらも大切なら、どちらも切りたくはありません。しかし何れかを選ぶしかないなら、優先順位の高い方を取るしかありません。
よく夢に生きていた人が、子供が出来て夢を諦め、就職して地道に働き始めたという話があります。自分の夢と家族というトレードオフにある選択で、優先順位の高い方を取った姿です。
二兎を追う者は一兎をも得ずという場面は、人生で幾度となく出くわします。
地頭の良い人の考え方
物事の決断には、明確な優先順位が必要です。地頭の良い人は、自分の人生にとって、社会にとって、何にどの程度の価値があるのかを整理しています。
そしてトレードオフがあれば、その解消を最初の選択肢にします。解消が不可能であれば、迷いなく優先順位の高い方を取ります。
まとめ
地頭の良さとは、単に知能の高さだけを意味しません。感情で揺さぶられれば、冷静さを失います。冷静さを失えば、誰でも知性を失います。
トレードオフに直面した時、いかに冷静に高い優先順位を取れるのかは、その重要な条件です。
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