「軽やかに♪ 心click」管理人、小池義孝です。恋愛と結婚は違うとは、よく言います。そもそも人は、同じ人に恋愛をし続けられません。どこかで必ず、恋愛感情は消えるようになっています。
今回はホルモン分泌の観点から、恋人 → 家族 への上手ななり方をお伝えします。
タップ、クリックできる【目次】
恋愛ホルモンと、幸せホルモン
感情とホルモンカクテル
ドーパミン、セロトニン、エンドルフィン、エストロゲンといった名前には、見覚えがあると思います。ドーパミンなら意欲や興奮、セロトニンなら心の安定とリラックスですよね。
人間の感情は、ホルモン分泌の作用によってコントロールされています。基本的に、ホルモンは必要に応じて分泌されます。
例えば強いストレス状況下に置かれた時、ドーパミンが多く分泌されます。苦痛に屈せず、意欲的に打開する精神状態を作るためです。安心してくつろいでいる時には、リラックスを促すセロトニンです。
状況に合わせて、「今、やる気を出すべきだ」、「しばらく座っていられるので、リラックスしよう」、「自分の子供への、愛おしさを促そう」、といった具合に分泌が調整されます。
その時々の気分や感情は、多くの種類のホルモンの組み合わせ、ホルモンカクテルによって動かされているという訳です。
恋愛ホルモンの有効期限は、長くて3~4年
ですから恋愛においても、恋愛感情を促すホルモンが分泌されます。相手との相性、置かれている状況などでスイッチが入り、恋愛ホルモンが分泌、それに気付いて本人が「今、自分は恋をしている」、「この人に惹かれている」と自覚します。
恋愛ホルモンの代表とされるのは、EPA(Phenylethylamine → フェニルエチルアミン)です。
特に恋愛初期に強く分泌され、人を恋に落とします。成分はほとんど覚醒剤と同じだそうで、強烈な快感と幸福感をもたらします。また他の興奮物質、快感物質も同時に分泌されるために、いわゆるお医者様でも草津の湯でも治せない恋の病になります。
ただし恋愛ホルモンは、同じ相手ではどこかで分泌が止まります。短くて数か月、長くても3~4年もすれば完全に止まってしまいます。
そうなれば、恋愛初期にあったトキメキやドキドキなどは、もう見る影もありません。恋は盲目と言って、恋愛ホルモンには相手を実際以上に良く見えてしまう作用があります。その効果が切れれば、素のプラス補正なしの相手がそこにいます。
今ではもう浦島太郎や桃太郎のレベルで現実味がありませんが、妻にも僕がカッコよく見えていた初期があったそうです。僕も妻と知り合った当初は、本を読めなくなる(読んでも頭に入らない)くらい恋愛ホルモンにやられていました。
人類が繁殖するためには、強烈に惹かれ合わせる必要性があります。だから麻薬で酔わせてまで、相手に夢中にさせます。しかしそんなイレギュラーな状態が長く続けば、まともに生きていけません。僕があの絶頂に置かれていたなら、本も読めないし、こうして文章を書くことも不可能です。
惹き合わせて用が済んだなら、恋愛ホルモンを引き上げて通常モードに戻すのは当然です。
EPAが切れた時に何もないと……
EPAに代表される恋愛ホルモンの分泌が切れると、恋愛感情としての好きはなくなります。良く見えていたプラス補正もなくなり、最初の頃の高評価はどこへやら。
その間にコミュニケーションを取って、人と人との繋がりを作っておかないと、好きでも何でもない単なる他人がそこに居るという羽目になります。
幸せホルモンで、恋を愛に変える
幸せホルモンの有効期限は一生涯
一方、幸せホルモンとして知られるオキシトシンの有効期限は、一生涯です。母が子を愛するために分泌されることで知られ、愛情と信頼を生み出します。また犬や猫などのペットでも、このホルモンの分泌が活性化されます。
僕もペットの犬で、実験した経験があります。半日ほど接触をしないようにして、触れて遊んだ前後で数値の変化を計測したところ、明らかに分泌が増えていました。
その実験に協力してくれたクーちゃんです。とてもカワイイ! です。
ご欄の通り、もう溜まらなくカワイイ! です。
EPAが途切れると言っても、MAXからいきなり0になる訳ではありません。減り方は、時間をかけて徐々にです。その間に人と人との関係性を育てて、オキシトシンに置き換えていければ理想です。さすがに数か月で無くなってしまったら、現実的に間に合いませんが…… その場合には恋と言っても、一時の気の迷いレベルの話ですから、吹っ切って次に進んでください。
結婚相手に刺激は要らない
恋愛感情は、ただ恋愛感情というだけで刺激に満ちています。恋愛は刺激的で楽しくて、幸せなものです。
週に1度のデートをするような恋愛期間であれば、恋愛の役割はレジャーになりがちです。日常の中にある、ちょっとした非日常体験です。
しかし結婚して一緒に暮らし始めると、相手の存在は日常になります。日常に、刺激は必要ありません。むしろ静かな、安心できる幸せが求められます。
オキシトシンを分泌させるには
人には、自分のコアと呼べる部分があります。表面上の人付き合いでは見せない、その人の本質です。
理解度が浅い相手に、心は開けません。お互いに深く入り込んで、自分はどんな人間かをオープンにして、コミュニケーションを取っていきます。その課程で相容れないとなれば、別れる選択もあります。
しかし生身に近い自分を明かさないと、関係性が進展しません。気を許し合えなければ、いつまで経っても他人のままです。恋愛なら、他人のままでも出来ます。しかし家族になるなら、得体が知れないままでは通用しません。
互いに、この人なら信頼できる、絶対に自分の味方でいてくれる、そう思えるほどにオキシトシンは分泌されます。
結婚後、何年経っても大丈夫
ここまで読まれて、「自分たちの夫婦関係ではもう無理だ」、「何年も仮面夫婦を続けてきて、今さらどうにもならない」と絶望されている方も、いるかもしれません。
しかしオキシトシンの分泌は、いつでも開始され得ます。今できる可能な範囲で良いので、友好的にコミュニケーションを取ることから始めてください。「おはよう」や「ただいま」などの挨拶に、好意をたっぷりと含ませるだけでも、自分への心象が変わってきます。お茶を入れてあげたり、お土産を買って帰ってきたり、マッサージなんかも良いですね。
「自分たちは家族だ。自分は心を許せる、絶対的な味方だ」と、まず心に決めてください。相手がそうでなくても、最初は一方通行で構いません。相手が折れてくれば、やがて双方向になります。
まとめ
結婚は人生の墓場だという人もいます。確かに恋愛ホルモンが切れて、好きでも何でもない同居人と夫婦として暮らし続けるのであれば、そうかもしれません。
けれども、きちんと家族になって深い信頼関係に発展していけば、結婚ほど人生を豊かにしてくれるものはありません。
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