「軽やかに♪ 心click」管理人、小池義孝です。人生、辛い時だってあります。その辛さに蝕まれて生きていくのか、乗り越えて糧にして生きていくのか、その違いは立ち直り方のプロセスにあります。
この記事はあなたの人生の財産になりますので、何度でも読み返してください。そして何かが起こったなら、この記事の内容を思い出してください。
タップ、クリックできる【目次】
立ち直りプロセスと、その時々での対処
突発的な苦痛
長い人生を、平坦に終えられる人はいません。何回かは、極端に辛い思いをしなければいけません。
事業や投資での大損、大切な人との死別、ペットロス、失恋、いじめやパワハラの被害など、誰でも経験します。また何が辛いかは人それぞれですから、音楽バンドの解散、タレントの結婚、スポーツ選手(チーム)の敗北などでも、大きな苦痛になる人もいます。
突発的な苦痛はないに越したことはありませんし、用心すれば減らせるものでもありますが、それでも完全に防ぎ切れはしません。
立ち直りには、プロセスがある
ただし人間の心には、立ち直るメカニズムが備わっています。もしも苦痛がまったく減らず、積み重ねられていくだけだとしたら、ほとんどの人は成人まで持たないでしょう。
その都度、苦痛を減らして出来事を乗り越えていくから、人生が成立します。実は構造上では、人間に立ち直れない苦痛はありません。
以降、そのプロセスと、段階毎の対処法を合わせてご紹介します。その時が来たなら、ぜひご活用ください。肉体のケガに喩えるなら、早くキレイに治す方法です。
第一段階、心の麻痺と思考停止
あまりに強い衝撃で、心が現実を受け止めきれません。どこか現実感のない中で、感情が動かない状況になります。思考力も低下します。これも心を守る機能の一つです。
この機能が強く発動した時には、一瞬にして気絶します。また正気を失った腑抜けた状態が長く続いて、その時期の記憶が残らないケースもあります。
いわゆる鬱病とは、この状態が長く続いたものです。
自覚できる精神領域である顕在(けんざい)意識と、自覚できない潜在意識とは、シーソーのような関係性です。片方が活性化すれば、もう片方は沈静化しています。苦痛を減らしていく作業は、潜在意識で行われます。
この第一段階は、強制的に潜在意識を活性化させて、苦痛の処理を急ピッチで進めている状態でもあります。
対処法
潜在意識が頑張って苦痛を減らしてくれているので、そのまま任せておきます。無理に立ち直ろうとせず、放っておくのが基本です。生活を維持するための最低限のことだけを行って、何も頑張らずに静かに過ごします。
もしも苦痛の原因が継続中であれば、一刻も早くその状況から脱してください。
第二段階、強烈な苦痛が襲い掛かる
第一段階は、出来れば早く脱したいものです。呆けていては命を落とす危険性が強く、ある程度の回復でこの第二段階に移行するのが普通です。
意識がクリアになるに従って、強烈な苦痛が襲い掛かってきます。この段階が、もっとも辛い時期です。
精神医療の世界では、鬱病患者が少し回復したところが、もっとも危険だと言われています。それは正気になって、激しい苦痛を直視せざるを得なくなるからです。
対処法
第二段階においても、苦痛の処理は継続しています。狂ってしまいそうな辛さが押し寄せてきますが、永遠には続きません。苦痛が減っていけば、必ずいつか抜け出します。
ここは先の希望を信じて(この立ち直りの構造を知って)、耐えます。
第三段階、嘆き悲しみ
激しい苦痛がやや沈静化してくると、嘆き悲しみの第三段階に入ります。嗚咽、号泣などが、ここに当たります。
実は悲嘆は、苦痛を減らす機能の一つです。苦痛を減らすと同時に、心を慰めて癒していきます。
対処法
ここでは、ちゃんと嘆き悲しみ切るのが重要です。意識的に出来事から目を逸らせば、感じる苦痛は軽減します。しかしそれでは、苦痛の処理が停滞します。
目を逸らしたままでも一定の立ち直りは見せますが、心に弱点を残します。何かの切っ掛けでいつ爆発してもおかしくない地雷を設置するようなものですから、第三段階での過ごし方は非常に重要です。
出来事から目を逸らさない、無理に前向きになろうとしない、ことです。
信頼できる誰かに頼って、出来事とあなたの心境を吐露(とろ)するのも有益です。より強い心の支えを土台にして、嘆き悲しみを加速させられます。
第四段階、激しい怒り
嘆き悲しみで苦痛の処理が一段落すると、心を強引に持ち上げようとする段階が訪れます。これが第四段階、激しい怒りです。
第一~第三段階までは、苦痛によって心が屈服させられています。怒りは攻撃の衝動で、屈服を拒否する時に現れます。
怒りもまた、苦痛を減らす機能の一つです。苦痛を処理して減らしながら、心を持ち上げます。
ただこの第四段階は、必ず訪れるものではありません。突発的な出来事の内容で、明確な加害者がいる場合に出易いものです。自分自身への不甲斐なさへの怒りという形も、よくあります。
怒りを経ずに、次の第五段階に進むケースも多いです。
対処法
第三段階、嘆き悲しみと考え方は同じです。しっかりと怒り切って、後にそれを残さないようにします。
もしも中途半端に怒りを止めて残してしまうと、心の中で怒りの炎が常にくすぶっているようになります。怒りを抱えたまま、性格が攻撃的になったり、キレやすくなったり、といった影響が残ります。
ただ怒りは破壊の衝動なので、破壊先には気を付けなければなりません。他人や自分を傷つける行為、経済的な損失が大きい物の破壊、などは理性で避けてください。壊すなら、壊して良いものを選びます。
個人的には、お風呂に入りながら、湯船に溜まったお湯をぶったたくのがお勧めです。派手な打撃音、飛び散るお湯のビジュアルは、なかなかに破壊感があります。それでいながら、騒音を除けば実害はゼロです。
第五段階、停滞した心
苦痛が減って落ち着いていくと、プラスマイナス0のような状況に入ります。特別に辛くはもうないけれど、だからと言って幸せでもなく、やる気も出てきません。ここが第5段階、停滞した心です。言い換えれば、退屈です。
立ち直りプロセスでは、まずはここを目標に置きます。しかし注意して欲しいのは、嘆き悲しみ、激しい怒りの段階が不十分であっても、やはり第五段階に手が届いてしまう点です。偽りの退屈は、心に意図的な麻痺を伴います。嘆き悲しみ、怒り、とセットにある苦痛を心の中で封印して、回復したかのような外見を整えるのです。
それは確かに、第一段階や第二段階から見れば、明らかに回復した良い状態です。けれども、治り切っていないケガのようなもので、心に脆弱さが残るのは避けられません。第三段階、第四段階のプロセスをきちんと踏んで、ここに到達するのが重要です。
対処法
ここまで来れば、精神はかなりの自由を取り戻しています。その気になれば、いつでも前を向ける状態です。やる気を鼓舞して、動き始めるのも善し、もう少しだけ休んでおくのも善し、です。
嬉しいこと、楽しいこと、心が喜ぶようなものを、どんどん入れていきましょう。
ただ突発的な苦痛からは抜け出しましたが、敗残兵のような苦痛はまだ残されています。出来事をまとめて振り返って、残された苦痛をキレイに掃除します。それと同時に出来事が整理されれば、復活に向けての土台になります。
第六段階、復活
自分なりに感情が豊かに動き、幸福感も感じられ、やる気も出てきます。これが第六段階、復活です。
ただしこの段階に、元々いない人も多いです。そういった方にとっては、復活という表現には違和感があるでしょう。
第六段階には、苦痛からの解放と同時に、自尊心の高さ、適切な自己評価、やり甲斐、肉体の健康なども必要となります。そういった他のテーマについては、「心クリック」の他の記事で言及しています。
注意点としては、躁鬱には警戒しておいてください。第五段階を経ずに、いきなりここに飛んできたなら、話が違います。冷静さを欠いたハイ状態で、不合理な突飛な行動になり易いです。そこはまだ、苦痛を処理して減らしていく段階です。
対処法
第六段階にいるなら、人生を楽しむだけです。興味のあることには、積極的に飛び込んでいきましょう。
まとめ
第一段階~第5段階までは、単純に階段を上っていくイメージとは少し違います。行ったり来たりを繰り返しながら、少しずつ上の段階を取るようになっていきます。
適切に乗り越えられれば、心はその度に強くなり、人としての厚みも増すでしょう。
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