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社会問題

異世界転生、俺TUEEE系のライトノベルは、なぜウけるのか?

投稿日:2020年2月22日 更新日:

「軽やかに♪ 心click」管理人、小池義孝です。異世界転生? 俺TUEEE? 何それ?? と思われた方も多いと思います。これは近年、急速に伸びて浸透した小説、漫画、アニメのジャンルです。

 このジャンルの主人公は、最初から最強クラスです。大した努力もなく、容易く強敵を攻略し、称賛を浴び、女の子からもモテモテです。なぜこうした作品が、今、ウケているのでしょうか? その心理をお伝えします。

 

異世界転生、俺TUEEE系のライトノベルは、なぜウけるのか?

異世界転生、俺TUEEE(おれ強え)系とは?

 主人公が事故などで命を落とし、中世ヨーロッパをイメージしたファンタジー世界に転生する。そこは剣と魔法の世界で、主人公はチート能力(有り得ないほど強い!)を持ち、女の子にはモテモテ、魔王を倒すなどの大活躍をする。

 異世界転生、俺TUEEE系の作品は、ざっとこんなテイストです。主人公は、元いた世界(大抵は、日本の現代社会)では、冴えないパッとしない存在です。それが異世界に転生した途端、神の配慮などで超人的な能力を持ち、無双を繰り広げます。

 主に、なろう系と呼ばれる作品に多く、この手のものは亜流も含めて溢れかえっています。なろう系とは、「小説家になろう」というサイトに投稿された作品を指します。そこでは素人が、誰でも自由に小説を投稿でき、読みたい人と繋げてくれます。

「小説家になろう」で人気になった作品が出版社の目に留まれば、そのままプロデビュー。更に人気に火が点けば、漫画化、アニメ化へと展開されます。

序盤でクライマックスを迎える難しさ

 冴えない一般人が一瞬にして超人になるのが、このジャンルの最大の特徴です。右も左も分からない主人公は自らの力に驚き、周囲の人々は異次元のスペックに驚嘆します。普通では歯が立たない難敵は、ことごとく容易く撃破されます。その展開は、まさに爽快そのものです。

 ですが作中で時間が経過すれば、その新鮮味は薄れます。主人公も周囲の人たちも、最初の頃のようには驚きません。やがて超人的に強い人として、普通にストーリーが展開されていく段階が来ます。こうなれば、通常のファンタジー作品と変わりありません。

 当たり前の話ですが、結局は、普通に物語としての面白さが求められます。魅力的な世界観、設定、キャラクター、ストーリー展開を描く能力がなければ、後が続きません。

 これを個人的には、現代人が過去に転生して大活躍! というジャンルで経験しています。最初は歴史を知っていることで活躍するのですが、当然、そんな事をすれば歴史が変わります。歴史を知っているというアドバンテージがなくなり、普通の攻防になった途端、面白くなくなるのです。

 異世界転生にせよ、過去転生にせよ、転生の設定がなくとも面白い話を作れる力がなければ、長く通用させられません。

努力や苦労はしたくない

 異世界転生でなくても、冴えない主人公が超人に変わる設定は、以前から親しまれた定番中の定番でした。魔法で力を与えられたり、道具を手に入れたり、異世界の住人から何かの戦士に選ばれたリ、隠された才能が開花したり、と、その口実は様々です。

 ただいきなり、敵の四天王クラスを余裕で撃破するほどには、強くなりません。敵の雑魚とほどほどに戦えるくらいのスペックでスタートして、激戦を繰り返しながら、修行なり、新しく力を付与されるなり、覚醒なりをして、次第に強くなっていくものでした。こうした姿に共感し、自分を重ね合わせ、作品に人気が出たのです。

 異世界転生、俺TUEEE系との最大の違いは、その泥臭さです。俺TUEEEな主人公は、基本的には苦戦をしません。実にスマートに、あっさりと強敵を打倒します。努力や研究はしますが、絶望のどん底で喘ぐようなギリギリの描写はありません。チート能力を得るのに、努力や苦労という代償を支払わないのです。

 これが現代社会で大いにウケました! 通常、こうした作品は、主人公に自分を投影させます。「普段、頑張って苦労しているのに、物語の中でまで頑張りたくない。そういう重苦しいのは要らない、優越感や爽快感だけが欲しい」というニーズが、現代社会において広がっていたのでしょう。

 ただ勿論、頑張って苦労して成長していく物語は、それはそれで健在です。今、大ヒットを飛ばしている鬼滅の刃の主人公は、弱々しい一般人からスタートして、過酷な修行を乗り越えて活躍しています。

 こうした従来の、努力が有り得ないくらい報われる世界に加えて、努力をしなくても有り得ないくらい報われる世界も、求められるようになったという事です。

 

 

 

 

努力をせずに超人になりたい心理

 弱い初期状態から努力で這い上がっても、初期設定から俺TUEEEでも、プロセスが違うだけで、最終的形態は同じです。そこにある違いを見れば、努力をせずに超人になりたい特有の心理が浮き彫りになります。

 苦戦するギリギリの戦いでの勝利、努力の積み重ねには、大きな達成感とカタルシスがあります。カタルシスとは、抑圧された感情が解放される快感を意味します。自分よりも圧倒的に強い相手への絶望、恐怖、劣等感、怒りなどによって抑圧された心が、勝利によって一気に快感に変わります。また過程が困難で、そこに努力のエネルギーを注ぎ込むほど、成し遂げた達成感は強くなります。

 俺TUEEEには、それがありません。初期段階で圧倒的な強者ですから、敵は見下す存在です。戦いは戦いですらなく、約束された勝利を、当たり前のように得ます。そこにあるのは、優越感、自信、余裕、です。

 優越感、自信、余裕、これらの要素に、俺TUEEE系を求める心理の回答がありそうです。

 先ほど、俺TUEEEにはカタルシスがないと言いましたが、実はそこにも別の種類のカタルシスがあります。読者、視聴者には、リアルな現実世界での生活があります。ほとんどの人たちは、社会的には凡庸な存在です。劣等感、強い者に押さえ付けられる絶望や怒りを持ちながら、どこかで精神的な折り合いをつけて暮らしています。

 そこで俺TUEEE系の主人公が大活躍し、称賛されれば、カタルシスが発生します。元々、日常生活で抑圧された感情を抱えているので、作品内でさらに抑圧を追加する必要がない。主人公は自分と同じく、元々は冴えないパッとしない設定なので、感情移入しやすい。こうした条件が重なり、凄まじい爽快感をもたらします。

 まどろっこしい成長要素などなくても、十分にその勝利を喜べる土壌が、読者、視聴者の側で用意されているという訳です。

 圧倒的な強者だけが持ち得る、優越感、自信、余裕は、自身を主人公に投影させる者に、癒しを与えます。優越感を持ち、安心してリラックスしながら、勝利を喜び、称賛を浴びる。加えて、かわいい女の子からモテモテ気分も味わえる。

 こうした疑似体験が気持ち良ければ気持ち良いほど、俺TUEEE系に魅了されます。このジャンルが大ウケするのは、社会全体の閉塞感、リアルを充実させる難しさと、決して無縁ではないでしょう。

俺TUEEE系は、リアルの生活で糧になる

 じゃあ、俺TUEEE系はダメなのか? 現実から逃げているだけなのか!? と、何となく受け取られた方も多いと思いますが、決して、そんなことはありません。

 抑圧された感情の解放と癒しは、心のバランスを整えてくれます。疑似体験とは言え、強者になれれば、自信が回復します。こうしたプラスの効果があるから、俺TUEEE系に引き寄せられているのです。

 フィクション作品は、一時的に精神を現実から引き離してくれます。そこでは、現実のしがらみはありません。解放された世界で得る疑似体験だからこそ、心は安心して大きく反応できます。

 俺TUEEE系に限りませんが、心が求めるフィクションをフィクションとして楽しみ切れば、それはリアルの生活で、大いに糧となります。

 

 

 

まとめ

 俺TUEEE系には、感情が圧迫されている程、カタルシスと癒しがあります。このジャンルが盛り上がった背景には、現実社会の閉塞感、リアルを充実させる難しさがあります。

 フィクション作品は、心を現実から分離させた上で、疑似体験をさせます。疑似体験だからこそ、心は安心して大きく動きます。俺TUEEE系は、多くの人の心を支え、助けているのです。

 

 

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