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成長 社会問題

命の教育、命の授業に意味はない。薄っぺらな正義は、闇の養分になる。

投稿日:2019年6月28日 更新日:

「軽やかに♪ 心click」管理人、小池義孝です。「人を殺してみたかった」、あの長崎県佐世保市の事件で、「命の教育」への失望感が出ました。あの10年の教育は、無意味で無価値だったのかと。

 命の教育が、なぜ人の心に届かないのか? どうすれば命を大切に思えるのか、をお伝えします。

 

命の教育は、なぜ心に響かないのか?

佐世保市で行われていた命の教育

 長崎県佐世保市では、命の大切さを伝える教育に力を入れてきました。具体的には、命の大切さをテーマにした校長先生の講演、戦争経験者から話を聞く、命をテーマにした本の朗読などです。

 このような取り組みは、僕も学生時代に経験しています。しかし決まりきった結論が先にあり、熱を込めて「命は尊い!」と刷り込もうとしている印象で、あまり心に響いて来なかった記憶があります。

 おそらく佐世保市で行われていた命の教育も、同じような方向性だったのだろうと思われます。

 正しい内容ですから、よほど変わった子供でなければ、反対意見も出ないでしょう。反対しようものなら、とんでもないバッシングが起こるのも目に見えています。おそらくは殆どの生徒が神妙な面持ちで、その授業を受けているのだと想像できます。

 しかし神妙だからと、期待通りに心に響いている保証はありません。

その教師に、命を伝える資質はあるのか?

・命とは何か?
・なぜ、命は尊いのか?
・なぜ、命を大切にしなければならないのか?
・命と命との間に、価値の差があるのか?
・命の価値は、何を持って定められるのか?

 例えばこのような問題提起を自分に課して、葛藤し、探求し、自分なりの結論を得ている教師がいるでしょうか。杓子定規的な命の教育をもって、人の心に深く響いて影響を及ぼすとは、考え難いのです。そもそも教える側に、その資格や器があるのか? という疑問があります。その価値を伝えなければならない相手は、考えて考えてこじらせて、闇を蓄えているのですから。

 深く考える生徒は、子供であっても、教師の薄っぺらさを見抜きます。

薄っぺらな禁忌は、好んで破壊の対象にされる

 安易で薄っぺらな社会的な同意は、殻を破りたい個人から、むしろ好んで破壊の対象にすらされます。

 欺瞞性を暴き、縛られない自分。カッコイイ! 禁忌にしているが故に、一部の人達にとって「超えるべき壁」に設定されてしまいます。

 濃厚な心の闇にとって、底の浅い正しさは、むしろ養分ですらあります。

 

 

 

 

命について、想定問答

 命について考えてきた歴史の厚さがなければ、濃厚な心の闇に格負けします。例えば上記の課題で、どのような回答が有り得るのでしょうか? 唯一の答えという訳ではありませんが、一つの参考として提示いたします。

・命とは何か?
→ 精神・心の存在。(アメーバでさえも、生きよう、危険から逃れようとする意識を持つ)

・なぜ、命は尊いのか?
→ 人の本質的な欲求が、「生存」そのものにあるから。その意識は、自分、身内、人類、人類以外の生物と、広がっていくから。

・なぜ、命を大切にしなければならないのか?
→ 本質的な欲求を満たすことと、安全な社会を構築するルールとして。例えば、「復讐による殺人を許可したら、物騒な世の中になる。より安全な生活を望む自分は、その社会の一構成員として、復讐の禁止に同意する」

・命と命との間に、価値の差があるのか?
→ ある。自分、身内、人類、人類以外の生物といった順序で、次第に薄まっていく。但し、思い入れ次第で、身内が自分よりも勝ったり、ペットが他人よりも勝ったりする逆転は、頻繁に発生する。

・命の価値は、何を持って定められるのか?
→ そこにある精神の存在と、思い入れ。

 これらは基本的な構造ですが、人の知性が高いので、簡単に命の価値を覆せます。人の本質的な感性から離れて、思考によって、いくらでも逸脱が可能なのです。

杓子定規では、心の闇に敵わない

 また追い詰められた心は、理性が弱り、攻撃性が増すケースがあります。

 そんな追い詰められた心で思考を積み重ねていった挙句に、「他人を殺めても良い」という結論があります。動物虐待も同様です。

 杓子定規的な刷り込みが、この重厚な歪みに、対抗できるはずがありません。

 完全に、生徒の心から逸脱を防ぐことは出来ません。生徒の人生すべてを、管理など出来ないからです。

学校が出来ること

 学校がまず出来ることは、生徒、個人個人への尊重です。存在の価値を自覚できるような、平等な扱いです。自尊心が保たれれば、理性はより高く機能してくれます。 

 命の大切さを教えるには、まずは人格の尊重からです。存在への根本的な肯定こそが、命を大切に扱っている姿勢そのものです。自分の命が大切に扱われるなら、自分も他者の命を大切にしなければいけない。こうして自然な思いの広がりの先に、命を大切にし合う社会が形成されていきます。

 思いや悩みの整理を促す取り組みなど、人を正しく導くには、様々な観点から全体を見て考えていく必要があります。

 事実、学校の先生から良い影響を受けたという経験談を見ると、心の授業といった形式はあまり登場しません。自分に真剣に向かい合ってくれた、といった「自分が大切にされる」経験によって人が変わっています。

 

 

 

まとめ

 命の大切さは、存在と人格の尊重から派生するものです。「命は尊い」という結論だけを刷り込もうとしても、あまり機能はしません。

 底の浅い正義は、重厚な心の闇から見れば、養分ですらあります。無理に高尚なものを教えようとせず、真摯に一人一人を大切にしていく方が、よほど心に響くものです。

 

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