「軽やかに♪ 心click」管理人、小池義孝です。羨ましい! には、リスクがあります。自分には手が届かない、不可能だ…… という失意や絶望によってトラウマ化し、人生を失敗させる巨大な罠になるからです。
羨望を感じた時、心に何が起こっているのか? 抱えてしまった羨望のトラウマと、どう向き合えば良いのか? をお伝えします。
特に、儲け話の詐欺、ネットワークビジネス、投資で大損、などの背景に、この問題があります。
タップ、クリックできる【目次】
羨ましい! 良いなぁ……はトラウマ化する
トラウマが形成されるメカニズム、その影響
心が衝撃を受け、理性がショートして機能不全を起こした時に、トラウマは形成されます。
通常、人間は把握した情報を、理性によって区別します。A、B、Cという要素があったなら、A、B、Cを別々の存在として記録します。
しかし苦痛やその他の衝撃などで理性がショートすると、区別ができません。A、B、Cは分類されずに、ごちゃごちゃになって記録されてしまいます。
ですからトラウマ領域では、心が不合理な反応をします。火事を経験して以来、ガスコンロやライターの火はもちろん、赤い色までもが怖い。福知山線の列車事故に巻き込まれてから、電車に乗れない。といった現象は、ごちゃごちゃになった記録によって引き起こされます。
羨望の中で、心に起こっている事
羨ましい! と思った時にも、実は心の中では同様の現象が起こっています。なぜなら、強い「羨ましい」の前段階には、必ず苦痛があるからです。
人が強く羨望するのは、自分には難しい、可能性が低い、不可能なものです。自分には無理だ、手の届きようがない、夢のような話だ、といった失意や絶望を伴います。
この苦痛が理性をショートさせ、トラウマ領域を形成するのです。以降、そのトラウマ領域は、思考回路を狂わせるトリガーとなります。
羨望のトラウマを想起させる何かに触れると、そこにある苦痛が精神を襲い、今の自分の思考回路を狂わせます。簡単に言えば、ボーっとさせられます。
トラウマ化した羨望、思考と行動を狂わせる
例えば、学校の同じクラスで、憧れの美女がいて、密かに恋心を寄せていたとします。しかし自分にとっては高嶺の花で、付き合えるとは思えません。
そんな時、ハイスペックの男子が見事に彼女を射止めてカップルが成立。自分はその様子を見て、ただ羨ましいと思うばかりだった。といった、出来事があったとします。まあ、どこにでもありそうな話です。
彼はそれ以降、ハイスペックの男性が苦手になりました。恋愛対象として魅力に溢れた男性を見るにつけ、羨望とともに、頭をボーっとさせられます。恋愛とは無関係な状況であっても、委縮させられ、何かを失うような落ち着かない心境にさせられます。
羨望のトラウマが、ハイスペックの男性をトリガーにして、心の反応を狂わせているのです。こうした出来事が、あらゆる強い羨望で起こっています。
・恋愛、性
・成功
・お金儲け
・称賛
などが、一般的でしょうか。今、お伝えしたのは「恋愛、性」のジャンルです。他にも、「成功」、「お金儲け」、「称賛」というジャンルでは、多くの羨望のトラウマが形成されます。
あまり人生を失敗させるリスクとは言えないかもしれませんが、モテない男性が社会的に成功してステータスやお金などの武器を持つと、派手な女遊びをしてしまうケースがあります。
鬱憤晴らしの勢いと、羨望のトラウマによる理性の麻痺が相まって、多くの男性が容易に狂わされるポイントです。
千載一遇のチャンスと見て、投資などで大打撃を受ける
人生を失敗させる巨大な罠となり得るのは、「お金儲け」のジャンルです。僕たちは度々、ビジネス、投資、宝くじ、ギャンブルなどで大金を稼いだ人の話を聞きます。テレビでもよく取り上げられますし、雑談の話題にも上ります。
何千万円、億り人などという話を聞いていると、大抵の人たちは自分のこととは思えません。それらが羨望のトラウマになって、巨大な罠を作り上げています。罠は、自分からは攻撃してきません。相手から勝手に落ちてくるのを、何年でも待ち構えています。
そんな折に、儲け話に目が留まります。
・詐欺師による投資案件、情報商材
・ネットワークビジネス
・仮想通貨のICO
・投資市場の激動
などです。この時、十分な知性と冷静さを持ち合わせている人物が、判断を狂わせます。羨望のトラウマが、トリガーを引くからです。詐欺師の扇動、勧誘ノウハウなどが合わさり、陥落するに至ります。
大儲けできるチャンス! と少しでも思ってしまったなら、その時点でトリガーは引かれています。
人生を失敗させる巨大な罠と、どう付き合えば良いのか?
羨ましい、良いなぁ……と強く思った時に、そこには失意や絶望などの苦痛がある。苦痛によって理性がショートし、羨望のトラウマを作る。
羨望のトラウマは、思考と判断を狂わせ、人を不合理にする。特にお金儲けの分野ではリスクが大きく、詐欺、ネットワークビジネス、投資などで大損失を被らせる。
と、解りました。それでは、こうした人生を失敗させる巨大な罠に対して、どう対処すれば良いのでしょうか?
抱えている「羨ましい」を直視する
何事においても、問題を解決するには、正しい現状把握からです。自分が何に羨望を向けていて、何に苦痛を感じているのかを直視します。
ここで、「羨ましいリスト」を作ってみてください。一通り、リストアップをしたなら、達成の難易度を付けてください。5段階くらいが良いでしょう。絶対に無理なものを難易度5、やれば簡単に達成できるものを難易度1にします。
難易度5をつけて、改めて「絶対に無理」と認識したなら、それだけで問題は大きく改善し得ます。完全に諦めるという決断に等しく、吹っ切れる物が出てくるからです。
行動しない理由を明確にする
難易度5以外は、やれば達成できる可能性があります。あくまでも主観の話で、実際にどうかは問いません。
それを更に、
・実現に向けて、努力しているもの
・努力をせずに、放置しているもの
に分けてください。努力しているものは、放っておいて構いません。問題になるのは、放置している方です。
放置しているものに対して、「放置している理由」を明らかにしてください。すると、
・失敗した時のリスクが高い
・可能性はあるものの、期待値が低過ぎる
・他にやるべき事があって、優先順位が低い
・自分の適性には合っていない
・面倒くさい、大変そうだ
といったものが、出てくると思います。
大儲けしている人がいると知りながら、投資をしない人であれば、「失敗した時のリスクが高い」、「可能性はあるものの、期待値が低過ぎる」といったところが、理由になるのではないでしょうか?
すると、改めて見えてくるものがあります。自分は投資で大金を得ようとするギャンブルではなく、堅実に月々の給料を得る選択をしている。大金を得るチャンスがない代わりに、大損をするリスクを回避している。など、選んでいないものには、それなりの理由があります。
このレベルまで自分の「羨ましい」を客観視できたなら、もう大きな罠ではなくなっています。少なくとも、罠としての勢力は大幅に減退しているはずです。
まとめ
強く羨ましいと思ったなら、羨望のトラウマが作られる。それは以降、冷静さ、合理的な思考や判断能力を狂わせ、道を踏み外す大きな罠になる。特に、お金儲けのジャンルでは、リスクが大きい。
自分が何を羨ましがっているのかを直視し、不可能なもの、努力しないものを整理して客観視すれば、罠としての力が衰え、リスクが減る。
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