「軽やかに♪ 心click」管理人、小池義孝です。品が良い、品が悪い、と言いますが、それは何から来ているのでしょうか? 品が良いと評価されるもの、自分がそう感じるものの共通項が、その答えです。
品を良くしなければいけない訳ではありませんが、その正体を知っていれば、本質から品の良さを身に付けられます。
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品の良さの正体とは?
品の良さ = ゆったりさ
よく「品が良い」という表現をします。でも品の良さって、何でしょうか。
知性?
育ちの良さ?
優しさ?
いえ、それらも品の良さに貢献するイメージはありますが、実は違います。正確には違う訳ではなく、これらの要素は、本質部分に付随するものなのです。
では、人の品を良くするものの正体とは……、それは「ゆったりさ」です。
何だか意外と言いますか、そんなもんかよっていうガッカリ感と言いますか、今ひとつ納得できないモヤモヤ感があるかもしれません。
茶道に見られる品の良さとは?
茶道を思い浮かべてみてください。ゆったりとした動作の中に、品の良さを感じると思います。
そのゆったりさから、知性、育ちの良さ、優しさの全てが表現されているのに、お気づきでしょうか? 茶道をしているからと言って、別に頭が良い訳でも、育ちが良い訳でも、優しい訳でもありません。けれども、そのように見えてしまうんです。
これは、ゆったりとしたリズムが、それら全てを連想させるからです。
ゆったりさは心を落ち着かせる
ゆったりとした動作と雰囲気は、心を落ち着かせます。この安らぎの感覚を得られるところから、「品の良さ」という肯定的な解釈に繋がります。
少し話が飛びますが、育ちの良さとは何でしょうか? それは欲求にガツガツしていないメンタリティーを、主に指しているかと思います。物質的にも精神的にも満たされて育った人間は、既に十分に得られているので、強く欲しがっていません。必然的に、ゆったりとしたリズムになるのでしょう。
優しさも同様です。他人(人に限りませんが)に優しくする時には、思いやりの心を持ち、リズムが落ちます。これは自分が動くよりも、相手が発するものを敏感に受け取り、ニーズを満たそうとする意識が強く働くためです。
知性が高く見えるのは、動揺がなく、落ち着いている様子だからです。その精神的な余裕が、全てを見透かして把握しているかのような錯覚をもたらします。
プラス、秩序
けれども、いくらリズムがゆったりとしていても、反秩序的なものには、品を感じません。秩序を助長する方向性であることが、プラス、必要になります。
秩序とは、規則正しさです。嫌悪、醜悪、恐怖といった要素がなく、リズムの大きな乱れがありません。いくら茶道や華道で優雅に振る舞っていても、骸骨が血の涙を流しながら笑っている帽子を被っていたなら、台無しになりますよね。
品良く振る舞う、精神的な効果
小刻みなリピートが不可能になり、リソースが増える
ですから、品を良く見せようと思った時には、心を落ち着かせ、ゆったりと振る舞えば良いとなります。
そのような品の良さには、精神的な効果がもたらされます。まず、欲求への渇望がトーンダウンします。精神活動のスピードをスローにしなければ、動作をスローに出来ないからです。欲求の精神活動は、強ければ強いほど、速射砲のようになります。したい! したい! したい! 欲しい! 欲しい! 欲しい! といったように小刻みにリピートします。
精神活動をスローにすれば、小刻みなリピートが不可能になり、結果として欲求への渇望のトーンが下がるというわけです。
スローな精神活動では、精神のリソースにゆとりが生まれます。余力は、把握する、感じるというセンサーに、自動的に振り分けられます。物事をよく観察して理解するようになり、察しが良くなります。そこから、落ち着いた深い思考にも繋がります。
動作から入る精神修練
華道や茶道、もしくは武道などが精神に効果を発揮するのは、このような背景があるからです。
人の心は、姿勢、動作と密接な関係があります。通常は、心の状態に合わせた姿勢や動作を無意識に取ります。やる気に溢れて誇らしければ、胸を張って大股で堂々と歩きます。逆に打ちひしがれて落ち込んでいたなら、うつむいてトボトボとした歩き方になるでしょう。
この関連性は、逆でも成立します。胸を張って大股で堂々と歩けば、意気揚々とした気分になります。うつむいてトボトボと歩けば、何もなくても落ち込んだ気分になります。
華道、茶道、武道、といった動作に型があるものは、もう決まり事ですので、精神状態とは無関係にその姿勢なり動作なりを取ります。するとそれに合わせて、メンタルも追従するというわけです。
ですから品の良さも、ある程度は動作や姿勢から作れるものです。ただ人には本質、本性というものがありますから、最終的にはそちらの方が強く出ます。それでは無意味かと言うと、メインではないにしろ、内にある一面としては形成されます。無駄というわけでは、勿論、ありません。
まとめ
品の良さとは、速度の遅さと秩序である。
動作から、精神状態、心は変えられる。動作から入る、精神修練も有効である。
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