「軽やかに♪ 心click」管理人、小池義孝です。どんな人生にも、何度かは辛い時期が訪れます。そこで心を折られて負けてしまうのか、乗り越えるのかで、大きく人生の行末は左右されます。
人の精神は、普遍的に勝ち負けのゲームを好みます。今回は、ゲームを設定して辛い状況を乗り越える考え方をお伝えします。
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人は、ゲームを求めずにはいられない
勝ち負けのゲームは、人間の大好物
人、ホモサピエンスには、共通する普遍的な性質があります。人種、時代、文化圏などが違っても、まったく違う価値観や感性ではありません。世界各国の映画やドラマを観て、その心情が理解できない場面には、ほとんど出くわしません。聖書や論語は、現代社会でも立派に通用する、人を導く参考書です。
そんな普遍的な性質の一つに、「勝ち負けのゲームへの嗜好」があります。人は、勝ったり負けたりするゲームが好きです。勝つのが好きなのではなく、勝ったり負けたりするのが良いのです。
例えばプロ野球でもJリーグでも、危なげなく全勝のチームがいたとして、盛り上がるでしょうか? 最初は熱狂的に支持されるかもしれませんが、おそらく直ぐに関心が薄れてしまうでしょう。
僕は1973年産まれで、ファミコン世代です。まだゲームとしては粗が目立ち、ちょっとしたコツで必勝法が簡単に見つかりもしました。それを使えば、対コンピューター戦では全戦全勝です。しかしそれでは面白くないので、必勝法を封印。負ける可能性を作って、遊んでいました。
ただ勝利というだけでは、価値がありません。負ける可能性がある中での勝利にこそ、人は価値を感じます。ですから人間社会の日常には、ふんだんに勝ち負けを楽しめる機会が用意されています。スポーツ、ギャンブル、テレビゲーム、将棋や囲碁、コンテスト、ビジネスなど、決して人を飽きさせないようになっています。
もしも人からあらゆるゲームを取り上げたなら、すぐに退屈してしまいます。何かしらのゲームを自分で作り、プレイを始めることでしょう。ゴミ箱に丸めた紙を投げ入れる遊びは、昔からの人気ゲームです。
不可欠とまで言えるほどに、人は人生にゲームを求めているのだと理解してください。
高揚 > 苦痛
ゲームにおいて最大の喜びは、勝った瞬間に訪れます。ではゲームの過程に喜びがないのかと言うと、決してそうではありません。勝利を目指して戦っているプロセスそのものにも、人は大きな喜びを見い出します。
今、ゲームを楽しんでいるという高揚感が勝るなら、苦痛に打ちのめされずに済みます。長距離を走り、同じ疲労度であれば、目標タイムを目指している方が、圧倒的に精神的な負担が少なくなります。
ゲームはその高揚によって、苦痛を和らげてくれるのです。
ゲームを採用すれば、辛さを相殺できる
妻の当たりのキツさを、悟空マインドで切り抜ける
ですから苦しい状況を乗り越える手段として、ゲームは驚くほどに有効です。自分で何らかの勝敗の基準を作って、ゲームを設定するのです。
僕がこの方法で乗り越えられた一例を、ご紹介します。結婚してまだ間もない頃、妻に酷く疎まれていた時期がありました。顔を合わせれば、僕への怒りと憎しみをぶつけて来ます。僕の側に、一般的に見て大きな落ち度はありませんが、妻には妻の事情があります。
そんな日々があまりに長く続くので、僕は心が折れそうになります。ここで、ゲームを思いつきました。人間、自分に良くしてくれる人に、そうそう非友好的ではいられません。僕は勝敗条件を、こう設定しました。
勝利: 妻が僕に友好的になる
敗北: 僕が妻を嫌いになる
妻が僕に友好的になるのが先か、それとも僕が妻を嫌ってしまうのが先か、という勝負です。
ゲームを開始すると、驚くほどに辛さが減りました。僕は妻に努めて友好的に優しくしましたが、僕の中でこれは攻撃です。妻が僕にキツく当たる、僕が妻に優しく接する、このやり取りが楽しいものに変わりました。
しかし当時の妻は、手強かったです。優しくしても優しくしても、僕へのキツさが変わりません。想定以上の強敵に、さすがに一瞬、諦めの文字が浮かびそうになります。
そんな時に僕を支えてくれたのが、ドラゴンボールの孫悟空でした。孫悟空は、戦闘狂です。相手が強ければ強いほど、ワクワクして喜びます。僕は孫悟空の姿を思い浮かべ、勇気づけられました。
「いやあ、強え~な~、オラ、ワクワクすっぞ!」
こう心で思うと、闘志が湧き上がってきます。おかしい戦闘狂の姿を見続けている内に、その思考パターンが身に付いていたようです。
2か月ほどの激闘の末に、妻がついに折れました。僕に対して友好的になり、このゲームに勝てたのです。今にして思い返してみても、辛さよりも、楽しかった2か月でした。
人生の辛い時期
人生には、何度か辛い時期があります。そこで心が折れてしまうと、復活に長い時間を要します。悪くすれば、人生を大きく踏み外します。
例えば事業や投資に失敗して、一文無し、借金を背負ったとしたらどうでしょうか。そこで期限を切って、復活できるか否かのゲームを設定したなら、精神的な負担も減る上に、モチベーションも上がります。
受験に失敗して志望校に入れなかったとしても、この不利な状況から逆転するゲームにできます。
辛さに心を折られそうになった時に、勝敗条件を作ってゲームにできないか? を考えてみてください。
まとめ
人の精神は、普遍的な感性でゲームを嗜好する。辛い状況にあっても、そこからの脱出や復活をゲームにすれば、精神的な苦痛が減ると同時にモチベーションが上がる。
高揚 > 苦痛である限り、人の心は折れない。
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