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シリーズ『議論に負けない方法』 卑怯な手口4、印象操作で貶める。

投稿日:2020年7月25日 更新日:

「軽やかに♪ 心click」管理人、小池義孝です。議論に勝って、他人や社会をコントロールしようとする人。他人を言い負かして、悦に入る人。何れにしても、敗者になるのは御免です。

 シリーズ『議論に負けない方法』は、今回で終了となります。今回のテーマは、「印象操作で貶める」を検証します。

 

議論に勝つ卑怯な手口

 議論の本来の意味は、情報と視点の共有です。物事を判断するには、情報が不可欠です。重要な情報に欠ければ、判断を誤ります。また同じ情報であっても、見方によって姿や意味が変わります。

 情報と視点の盲点を補い合い、より完全な姿に近づけていく。それこそが、議論に求められる本来の役割です。

 但し、議論は悪用もされます。利害関係にある者が、利益誘導のために。特定の思想を持った活動家が、社会を動かすために。マウンティングし、優越感を満たすために。

 議論で言い負かされない、マウンティングを許さないためには、彼らの用いる卑怯な手口を、知っておかなければなりません。

卑怯な手口4、印象操作で貶める

 これまで3種類の卑怯な手口をご紹介してきましたが、今回の『印象操作で貶める』は、もっとも厄介な相手です。狡猾な者にこの手法を用いられたなら、印象だけを静かに動かされます。

 発言内容に、事実に反するフェイク、論理的整合性の欠如、ダブルスタンダードなどがあれば、自身も批判の的にされます。けれども狡猾な者は、その狡猾さ故に、なかなか隙を見せません。だからこその、厄介さです。

 けれども逆に、知性に欠ける者による印象操作は、あまりに露骨であったり、欲張り過ぎたりして、意図する結果を得るのは困難になります。そのお粗末さ故に、貶めようとした相手の援護射撃になってしまう、皮肉な結果さえ招きます。

狡猾な印象操作とは?

ヒトラーを例にした、稚拙な印象操作

 例えば、安倍総理のイメージを落とそうとしたとします。そこでよく登場するのが、あの人類史上でもっとも悪名の高い、アドルフ・ヒトラーです。

 安倍は和製ヒトラーである。安倍は現代のヒトラーだ。といった表現で、あるいは顔写真をコラージュでヒトラーに模すなどして、「安倍総理 = ヒトラー」の印象操作を試みます。

 しかしこれらは、狡猾さとは程遠い、稚拙な印象操作に過ぎません。なぜならヒトラーと言えば、第二次世界大戦を引き起こし、民族浄化を試み、1000万人以上を殺したとされる世紀の大悪党です。

 一方、安倍総理がヒトラーだと評される根拠は、

・安保法案によって、限定的に集団的自衛権を行使できるようにした
・平和憲法の理念を残しながら、自衛隊の立場を明確にする形に憲法を変えようとしている
・モリ・カケなど、縁者に利益誘導をした疑い

 といった辺りで、到底、ヒトラーには足元にも及びません。せめて勇ましく開戦を国民に煽ったり、政権に都合の悪い人物を次々に拘束したり、くらいはしてくれないと、まだヒトラーの影さえ浮かびません。

 コアな仲間内はそれで賛同も得られるし、共鳴もするでしょうが、普通の一般的な感覚の人物からすれば、「?」です。いくらヒトラー、ヒトラー、と連呼されても響きませんし、そう言っている人達の方をおかしく思って当たり前です。

 要は、安倍総理の印象を最大限に落としたいがあまり、欲張って盛り過ぎなんです。

ルイ16世なら、無理なく結び付けられる

 それでは、安倍総理の印象を落とすために、ヒトラーは利用できないのでしょうか? 盛り過ぎで空回りするから、控えめな引き合いを用意すべきなのでしょうか? 確かに、それも一つの手です。

 例えば、ルイ16世であれば、安倍総理と重なる部分も多くあります。親しみやすい垢抜けない風貌、無邪気でどこか抜けている妻、アメリカの支援に巨額を支出、財政再建に失敗、など、よほど特徴が合致します。

 ヒトラーほどのインパクトはありませんが、革命を呼び込んで失脚する結末もありますし、無能さを印象づける方向性では、成立するのではないでしょうか?

ヒトラーを例にした、狡猾な印象操作

 しかし、どうしてもヒトラーを使いたい! 安倍総理に、少しでもヒトラーの最悪のイメージを転嫁させたい! ヒトラーじゃなきゃ、嫌だ! ハイル・シンゾー! と言うなら、やりようはあります。

 ここで覚えておくべきポイントは、2点です。

・印象を付けるには、ただ並べて見せれば成立する
・思考による検閲を避ける

 もう、この2点のポイントだけで、狡猾さの匂いがギュンギュンしてくると思います。例文を作ってみます。思わず、長文になってしまいましたが、お付き合いください。狡猾な印象操作は含まれていますが、内容としては正しいです。

 

『「安倍政権に、野党は反対ばかりしている」の批判は、正しいのか?』

 ここ数年、安倍政権に対峙する野党に、国民から厳しい目が向けられている。「野党は何でも反対するだけで、政策を提案しない」、「反対するしか能のない党には、政権を任せられない」といった声を、多く見かけるようになった。

 野党のホームページ、議員個人のブログやSNS、国会中継などをご覧になっていれば、また評価は違ったものになるだろう。しかし、マスメディアから受け取る断片的な情報を繋ぎ合わせたなら、そのように評価が偏るのも仕方がないのかもしれない。

 マスメディアはニュース性を持って、取り上げる情報を選別する。少数派ゆえに実現する見込みの薄い野党の提言よりも、安倍政権 VS 野党の構図の方が、伝えやすいのだろう。

 結果として、多くの国民に野党の建設性は認知されず、批判の部分だけがクローズアップされてしまったという訳だ。この誤解は、健全な民主主義のためにも、解いておく必要性がある。

 加えてもう1点、批判の重要性についても指摘しておきたい。安倍政権にとって、野党の批判はプレッシャーだ。新しい政策や法案を提示すれば、必ず野党が欠点や不具合を指摘し、メディアによって流される。野党、メディア、国民という三段構えで、政権を監視する構造が機能している。

 これは間違いなく、民主主義をより健全に機能させる上で、有益に働いている。つまり野党の批判は、国民の利益に直結していると断言できる。これを安易に否定して、仮に野党の批判の手が緩んでしまう事態にもなれば、結局は国民の不利益につながる。時の政権に実質的な独裁を許し、暴走させる隙にもなりかねない。

 近年の歴史を紐解けば、あの悪名高いナチス、アドルフ・ヒトラーを生み出したのも民主主義だ。民主的な選挙によってヒトラーはドイツ首相となり、全権を掌握して独裁体制を築き上げた。

 意外と思われるだろうが、政権に就いたナチスは圧倒的な支持を得ていた訳ではない。1933年の選挙では単独で過半数に満たず、他党と協力して過半数を確保していたのが実態である。

 そこから政敵を強引に排除して圧倒的な多数派を作り、全権をヒトラー個人が掌握するのに要した時間は、ヒトラー内閣が誕生して、わずか二カ月弱。

 この歴史的事実は、「権力は、常に厳重に監視されなければならない」という教訓を与えているように思える。批判ばかりと野党を揶揄する声に、私はその手綱がゆるむ危険性を感じずにはいられない。

 

 如何でしょうか? ヒトラーを持ち出しながら、安倍とヒトラーとを同一視するような記載は、全くありません。安倍政権に対する批判すら、一文字も存在しません。それにも関わらず、安倍総理とヒトラーとが、心情として重なったのではないでしょうか。

 再び、2点のポイントをおさらいします。

・印象を付けるには、ただ並べて見せれば成立する
・思考による検閲を避ける

 一つ目のポイントは、ヒトラーを自然に登場させて、全体として文章を構成させた段階で成立しています。二つ目のポイントは、「私には、安倍とヒトラーとが重なって見える」などといった余計な言及をしない事で、成立します。

 ここで「私には、安倍とヒトラーとが重なって見える」などと色気を出すと、本当にそうかな? 似ているかな? と検証する機会を与えます。上手く同調してくれれば大万歳ですが、逆も起こり得ます。「だからと言って、さすがにヒトラーは極端だ」と結論づけば、せっかく心情として重なった安倍総理とヒトラーとが、理性によって、引き剥がされてしまいます。

 印象操作に徹するのであれば、思考による検閲を避けます。何となく心情としてイメージが重なった状態にしておき、あとはその機会を増やしていけば、自然とヒトラーと安倍総理を近づけていけるのです。

 狡猾な印象操作は、このように行われます。

言葉以外の印象操作

 人は、多くの要素から印象を生み出しています。外見、色、声の質、リズム、デザイン、演出などで、同じものであっても、まったく違った印象になります。

 主題である『議論に負けない方法』から逸脱しない範囲で言うなら、例えば、相手が決まったスーツ姿であるのか、だらしないジャージ姿であるのかで、大きく違ってきます。

 

 

 

 

『印象操作で貶める』に対する、打開策

 印象操作は、「これは印象操作だ」と気付かれた時点で、失敗します。その鍵は、理性によって無関係のAとBとを、区別することです。

 また表現には、自然と表現する者の評価が入り込みます。事実に対しての評価も、ここでは無関係のAとBの一種です。

言葉の選び方、表現のポジティブ/ネガティブ

 例えば、反対意見を述べたという事実に対して、「反対意見を述べた」、「反対した」、「異論が出た」、「批判した」、「過ちを指摘した」、「修正案を述べた」、「ケチをつけた」など、修飾語や前提条件との組み合わせによって、無限にその表現の幅は広がっています。

 具体的に何を述べたのかが解るのであれば、その内容がAです。反対、批判、ケチなどの評価はBです。Aだけを受け取って、Bを一緒に飲み込まないようにしましょう。評価は、自分自身の尺度で行えば良いのです。

 何を述べたか解らない場合には、「この人は、こう評価している」という事実だけを受け取って、そのまま評価を自分の判断にトレースしないように。

 このような評価は、風習 or 文化、といった言葉の選択にも表れます。明確に指摘できないような、全体としての雰囲気に溶け込んでいる場合も多いです。

起承転結の、転に注意する

 ヒトラーの事例のように、何かを持ち出して印象操作を試みる場合には、起承転結の転で登場する場合が多いです。

 起承は、だいたい正しい。そしてこの人は正しい事を言っているなと油断させて、転で印象操作に入って、結で望む方向への誘導を試みます。あえて意外性のある転を先にチラ見せして、話の掴みにする高等技術もあります。

 転で極端にイメージの良いもの、悪いもの、が持ち出された時には、印象操作を疑ってください。

自分は「印象によってズレている」と自覚する

 人である限り、認識に印象が付与されるのは避けられません。理性によって切り離してなお、印象は残ります。また全ての印象操作に気付くのも、やはり不可能です。

 例えば、もしも僕が今回の記事で、「安倍政権に反対する人間は、稚拙な馬鹿か狡賢い悪いヤツだ」と思わせる印象操作を試みていたなら、何割かの人間はそちらに寄らされるかもしれません。ここで、「あっ!」と思った人、そういう事です。

 勿論、僕にその意図はありません。あるなら、こんなネタバレはしませんからね。

 ですから常に、自分は知らない間に、印象によってズレていると自覚しておきましょう。意図的な操作に拠らずとも、見聞きしたものの偏り、先入観などによって、印象は必ず実態からズレます。

 それを知って意識している分だけ、ズレを理性によって修正できます。

 

 

 

まとめ

 合理性の外で、意図的に印象を繋げる行為を、印象操作と呼びます。

 下手な人がこれをやれば稚拙となり、同レベルかそれ以下の人しか誘導できません。しかし中には、狡猾な印象操作も存在します。

 無関係のAとBとは、切り離して捉える。意識して注視してなお、印象のズレを完全には防げない。の2点に留意して、操作され難い人になりましょう。

 

 

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